さようならDS3、さようならCitroen


わずか1年で売却、という超短期間ではありましたが、改めてCitroenとDS3について触れてみます。
◇Citroen車について
さて、人生で初めてフランス車を買い所有する、という大イベントを経験してみて、しかもそのクルマがまさか?のCitroenという経験は、手放した今でも非常に鮮烈だったなぁ、というところです。
DS3以外のCitroen車含めてですが、あの何とも形容しがたい雰囲気、空気感、そして乗り味や感触というのは、他で体験しようにもなかなか出来ないものだなぁ、としみじみ思います。MINIもまた、そういう独特の世界観を持ったクルマではありますが、あちらはクルマそのものの完成度も(R50系除けば)しっかりドイツ車しているとこを考えると、やっぱりちょっとというかかなり、独特でした。結論を先に言えば、『買って良かったか?』と聞かれれば『買って良かった』と答えることができるなぁ、という印象でした。


当初、DS3に抱いていたイメージとしては、実用車C3を3ドアにして、凝った装飾をして、色も好き勝手選べて、ぐらいに思っていた(言い換えれば、DS3は奇抜なクルマだと思っていた)ところでしたが、実際にはそのベースとなったC3も含め、Citroenのクルマはそれぞれにどこか特殊な雰囲気や空気感を持ったクルマが多く、その気になれば人生においてずーっとCitroen一本、ってのもできるもんだなぁ、と感じます。オルトラ購入時に検討したC4 Picassoも、DSブランド最高峰のDS5も、眺めているだけでも楽しいクルマであります。
ただ、残念なポイントとしては、販売網が弱く、おまけに台数をさばいていないことに起因するのか、日本に輸入される仕様が非常に『ショボい』という点、また、売り手と買い手の『コミュニケーション』という点において、結果的に不満を抱いた、というのは非常に悔やまれる部分でもあります。MINI(BMW系)では『当たり前』と感じる商品ラインナップやサービス、ディーラー対応が、こちらではどうも『劣る』印象が強かったのも事実です。これはPeugeotにも言える部分かもしれませんが、あちらのほうが幾分『まとも』に感じるのはこれまたなんで?と思うところかも。
Citroen C4 Cactus
そんなエピソードをひとつ。結局、購入はしませんでしたが…Citroen C4 Cactusが発売されたときの話。その内外装の奇抜さから、こりゃあモノ見て良ければ検討だ!と我が家では結構盛り上がった時期がありました。ディーラーに展示されたら見に行こう!なんて話までしていたぐらいで。
しかし、発売されたときに愕然。『200台限定』『実車展示なし』『色ごとに抽選』という事実でした。一説によれば、本国で売れすぎなため日本仕様を押さえるのが難しかったから、とか、助手席エアバッグが特殊だから(ダッシュボードではなくルーフから展開される)とか色々と原因がある、という噂話でしたが、どれにしても、せっかくある程度売れるはずの商材なのに、売る気があるのかないのかよく判らない販売方法が気に入らず『こんなもんいらない』という結論に。好きなひとなら実車見ずに買うんでしょうけど、このご時世そんな売り方のモノをポーンと買えるひとなんて何人いるんだ?と。で、その後がまた不思議で、『ある程度の台数』をちょぼちょぼ追加販売する形を取っています。しかし未だに、ディーラーで展示されているのは見たことがありません。そういう点からしても、PSAさんはいい加減、いろいろと考えたほうが良いんじゃないでしょうか?

◇DS3について
前出のとおり、見た目も奇抜ですが、その乗り味も非常に奇抜な1台でした。良くも悪くも、クセが強い。私にはその『クセ』が非常に『楽しい』と感じさせてくれるポイントではありましたが、そんな私でも1年間乗った最後の最後まで、うまく乗りこなすことができなかった1台でもありました。
まず、そのクセの大きな原因としては、1.2Lエンジンと5速AMT(ETG5)が起因するところが大きかったかな?と思います。決して非力なクルマではないのですが、それでもETG5をうまく扱ってキビキビ走れるとするなら、ある程度MT操作に慣れているドライバーでなければ厳しいと思います。オートモードで走らせるには、多少なりともそのクセを認識した上で乗らなければならないというのは、このDS3というクルマのキャラクターを考えると何とも言えないところかなぁ、と思います。一言で言うと、非力さと変速判断のルーズさがある中で、オートモードでうまく走るためには相当な『予測能力』をもって乗らないと、街中で起こるあれこれに対応できません。
また、ETG5が実は苦手としているのが、上り坂をバックで上がる場面。我が家の車庫入口は、若干道路からスロープ状になっているため、バックでなだらかに上がっていく必要があるのですが、JCWならクラッチをうまく操作できれば何の問題もなく車庫入れ完了の場面も、DS3はうまくいきません。解決策は、位置決めを頭の中でしっかり行い、勢いよく車庫入れするという…。そういう点では、実にハードルの高いクルマだなぁ、と。まぁ、その結果なんでしょうけど、ETG5が早々にオミットされ6ATに換装されてしまった点から言っても、これが世間的にはマイナスだった、という結果なんでしょうね。

で、もうひとつ意外だったのが、思いのほか足が硬い、というところです。購入したモデルは決してスポーツモデルではありません。にもかかわらず、荒れた路面やギャップで内臓が揺すられるほどの乗り味は、正直購入前に想像していた世界とはかなりかけ離れていた、というところ。もちろん、この車体に205/45R17というタイヤホイールの組み合わせがその要因のひとつであることははっきりしているのですが。で、その硬さは、結果的にクルマのキャラにはぴったりとハマっていて、小気味よい走り味を演出している、という点では好感触ではありました。が、このクルマって、そういうのをウリにしているって気があまりしないんだけどなぁ…?
実用性としては、3枚ドアであることを除けば非常に良好だったことも付け加えておきたいポイントです。特に驚いたのが、意外とトランク容量が大きいということ。MINIもそれなりに荷物は積めますが、DS3はリアシートを立てた状態であっても、積載能力はそれなりにあるところが利点だと思います。一方で、シートは柔らかめの設えになっていますが、個人的には最後まで自分の体型に合わず、良さはあまり感じられませんでした。
ま、わざわざ言うべきことでもありませんが、最新の競合車と比較すると、ナビやオーディオあたりの装備は絶対に期待してはいけません。これは他の現行Citroenモデルも同様。そんなもん期待するメーカーじゃねぇだろ、というツッコミはなしの方向で。ナビについては、ディーラーオプションで本国仕様の7インチモニターにナビを映り込ませるキットは販売されていますが、あまりに高価すぎて誰が買うんだ?という代物。オーディオも、現在の競合車の装備レベル感から見たら、あまりに質素かつ古過ぎて使い物にならず。この辺は、交換できない(※物理的には可能)代物なだけあるので、出来れば適宜アップデートして欲しい部分ではあります。

◇結論
と、まぁネガっぽいことをいっぱい書き連ねましたが、個人的には良いクルマだった、と思っていますし、所有者本人(ヨメ)も満足の1台だった、とのことです。今後再びフランス車にカムバックするかどうかはわかりませんが、願わくば、日本に入ってくる仕様がちゃんとした仕様になっていて、その上で、販売網がしっかりすることを望みます。

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