高速に不向き?なアコード

ホンダ・アコード
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前回の続き。3月末に当社にやって来た8代目アコード。出張・外回りのアシとして大活躍しており、走行距離はすでに4,000km以上を走破しています。セダンならではの低い着座位置はSUVに慣れた身としては『久々に味わう感覚』で、同じく着座位置の低いR52とはまた違った感覚を覚えさせてくれます。

SUV全盛のこの時代にあえて逆張りのようなアコードの投入に、当社スタッフやビジネスパートナー、顧客からのリアクションが想定以上に良くて驚いています。先日も同乗したビジネスパートナーから『セダンいいなぁ』と好意的な反応でした。居住性やユーティリティはSUVに大負けですが、長距離の高速移動のアシ車としての適正はセダンの大勝です。

高速域のふらつきはどうして起きている?

アコードの良さは車両重心が低いことを活かした走行性能だ唯一無二!と言いたいところですが・・・前回のタイヤ記事に最後で触れたとおり、高速域でのふらつきが頻発しています。

具体的には、路面ギャップや継ぎ目を乗り越える際に一瞬だけタイヤ荷重が抜け車体が左右に揺すられる挙動が発生。まるで横風を食らったかのようで、都度修正舵を強いられます。ステアリングの感触だけならまだしも、実際に車体が揺すられるためカーナビがふらつき警告アラートを発するレベル。車両のキャラクターからすると、かなり残念な状態です。

さて、原因は何が考えられるか。ひとつずつ検証していきましょう。

アライメントの狂い

この手の症状でまず疑うのはホイールアライメントの狂いでしょうか。過走行の社用車1号F60は過去に2度測定・調整を行っていますが、その都度規定値からけっこうズレていることに驚いてしまいます。

CU2アコードはFr/Rr共にサスペンション構造上トー角のみ調整可能でキャンバー角は固定です。社外品のアッパーアームを導入するとキャンバーも調整可能ですが、ノーマル車高ですから現状はそこまでやる必要はないかな。トータルトーのメーカー標準値は以下のとおり。

フロントリア
トータルトー0 ±2mm2 ±2mm

数値の狙いどころは直進安定性よりもステアリングの応答性や回頭性を重視していると思われます。もう少し安定方向のセッティングが標準かと思っていましたが、ちょっと意外でした。

過去に実施したかどうかは不明ですが、総走行距離から考えると一度測定・調整しても良い頃でしょう。ただ、個人的にはコレ以外にも原因があるような気がしています。

インチダウンの影響

もうひとつ要因として考えているのが、インチダウンの影響です。CU2アコード純正タイヤサイズが225/50R17であるのに対し、現在装着サイズは205/65R16です。このサイズは2.0Lエンジン搭載の下位グレードで採用されるもの。Aさんが乗り心地を高めるためにあえてインチダウンしたようです。

確かに乗り心地は良くなっていると思われますが、反面、接地面積が減りタイヤのハイトが高くなることで安定性が落ちた可能性があります。さらにDUNLOP VEURO VE304が乗り心地の良さを重視していることから、この傾向に拍車を掛けているかもしれません。

そこで、簡単にできる対処法として指定空気圧よりも少し高めてみたところふらつきの傾向がほんの少し軽減。でも完全に消えることはありませんでした。このことから、影響はあると思うものの、タイヤだけが悪いというセンはちょっと疑わしいかな、というところです。

ダンパーの劣化

フロントダンパー近影。アレ、オイル吹いてる?と思ったら塩害防止剤でした

もう少し厄介?な方向としては、ダンパーの劣化の可能性も考えられます。ただしコレに関しては新車時の乗り味を知らないため・・・劣化の判断がちょっと難しいところ。

リア。錆も少なくオイル漏れの痕跡もなし。劣化しているようには見えないが・・・

仮に現在の総走行距離で寿命を迎えたのであれば、もう少し頑張ってほしいレベル。でも2008年のクルマならあり得るのかも・・・?諸先輩レポートでは早くて5万kmあたりからグズついた乗り味になり交換した事例もあります。うーん。

前期モデルは販売終了が2011年2月=14年経過のため純正ダンパーに交換するならそろそろ決断しないと入手困難になるのでは・・・と考えてしまいます。ダンパー単体供給がありますが、スプリングやアッパーマウントのASSY供給もあります。価格差は12,000円ほど。これは迷うなぁ。

ついでに、後期型Type-Sのほうも調べてみました。こちらは18インチに適したセッティングが施されているとのこと。キャラクター的にはこっちにしたほうがより楽しめる気がします。価格差がほぼないのでこちらを選ぶのも手かもしれません。

もうひとつの選択肢として、KYB NEW SRに変えてしまう手があります。純正ダンパーはショーワ製デグレッシブダンパーを搭載していますが、減衰力可変効果がうまく発揮されていないという評価があります。もしそうであれば、一般的なリニア特性のダンパーで良いのでは?と思うところ。

価格は純正ダンパーよりも安く、まだ調達可能なのがありがたいところです。前社用車オーリスは製造終了で欠品でした・・・

ブッシュの劣化

ダンパー劣化と同じく各ブッシュの劣化も考慮すべきかもしれません。CU2アコードのサスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンクのダブルウィッシュボーン式。ストラットに比べパーツ点数が多く、各部にブッシュやピロボールが組み込まれています。

特にフロント側はアッパーアーム側・ロアアーム側にブッシュがあり、特にロアーアーム前部に配されているコンプライアンスブッシュは劣化すると直進安定性に影響が出てくる可能性が非常に高いと思われます。距離的には『まだちょっと早い』と思いますが、15年経過したクルマであれば経年劣化していても不思議ではありません。

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まずフロント側。こちらはアッパーアームとロアアームの2点にブッシュが存在します。ロアーアーム側3点のブッシュは単体購入が可能で価格も安いのですが、圧入工賃まで考えるとアームASSYで買った方が早いかもしれません。アッパー側はASSYのみ。

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リア側はマルチリンクのウィッシュボーン式で、アッパーアームの他に3本のロッドが存在します。これにより車輪の位置決めを緻密にしているわけですが、交換となると基本的に全部ごそっとパターンになるのではないかと推察。1点ごとはそこまで高価でないにせよ、全部やるとそれなりの金額になります。

実車をチェック。Frのロアアームブッシュの状態を見てみます。

RH側
LH側

んん〜。微妙・・・。ヒビ入っているのは確かですが、急いで交換というほどでもないような。着実に劣化は進んでいますから、乗り味をビタッとさせたいのであれば交換すべきなのは間違いないしょう。

この他にもスタビリンクやブッシュなど、一緒にやっておいた方が安上がりとなるものがありますので・・・仮に業者に依頼して実施するならダンパー交換含めて一気にやってしまうのが正解でしょう。ただ、そこまで予算捻出はできないな(笑

いったんタイヤを新調して様子を見てみることに

足回りパーツの劣化は確実に進んでいることはわかりましたが、さすがにもともと購入する予定のなかったクルマに多額の経費をかけることはできません。そこで、まずは乗り味があまり好みではなかった16インチタイヤを処分し、純正17インチに新タイヤを組み付け→その上でアライメント測定・調整を行うことにしました。

まだ続きます。

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