前回の続き。ひとまず寿命を迎えていたサマータイヤを新品交換しましたが、それ以外にも対処が必要な不具合がまだまだ存在しております。後篇は緊急対処が必要なものから地味な不具合まであれこれやった結果をまとめてみました。
発生している不具合

現時点で発生している不調・故障箇所は、
- 【対処済】リアパークディスタンスコントロール不動
- 【対処済】ボンネットダンパー抜け
- リア周り異音(スタビライザー?マフラー??)
- 【対処済】グローブボックスの開閉機構破損
- エアコンブロアファンからの異音
- 液封エンジンマウントのオイル漏れ
…と、即修理可能なものからちょっと悩みこんでしまうものまで多種多様に発生中。それではひとつひとつ解決していきましょう。
PDC不動…ではなく実はパワステモーター冷却ファン不調

まずはPDC(パークディスタンスコントロール)機能の不調から。ロールバーのおかげ?で後方視界がめっぽう悪いR52はそれを補うためにリアPDCセンサーが標準装備されています。リバース時にピーピー鳴るだけのシンプル装備ですが、これがあるお陰で駐車時にハラハラしなくて済むのであってよかったと思える装備です。
整備のためにR52を引っ張り出し、走り回ったあとに駐車しようとすると…いつものピーピー音が聞こえません。すぐに『アレ?何も鳴らないけどずいぶん後ろ近くないか?』と察したので何ごともありませんでしたが、故障を疑わなかったらそのままバックしてバンパーぶつけただろうなぁ…(笑
R52のPDCは任意オフできない仕様ですから、鳴らない=故障発生で確定です。さっそく純正診断システム(ISTA+)で車両テストを実施したところ、PDCが通信不能状態でした。やはり何かが壊れているな…。
原因はヒューズ切れ…?



疑うべきはココ。助手席足下のヒューズBOXを調べましょう。41番がPDCのヒューズです。

はい、案の定5Aのヒューズが切れてました。さっそく新品ヒューズを買ってきて交換したところ、PDC機能が復活。ただ、それでOKとはなりません。この41番ヒューズはPDCとパワーステアリングモーターの冷却ファンで共有されています。PDC機構が原因でヒューズ切れを起こしたとは考えにくいですから、これは冷却ファン側に何らかのトラブルが発生していると考えるのが自然。
壊れていたのは…

そこで、MINIの前輪をハイリフトカーランプに乗せて電動ファンのチェック実施。案の定、ファンの様子が少しおかしいことがわかります。エンジン始動後、ファンは回転を始めるもののしばらくすると動作が止まります。あれ?と思いファンを小突いてみると…また回り出します。どうやらファン自体にトラブルを抱えている様子です。


とりあえず外して悪あがき。泥砂まみれだったのでパーツクリーナーで綺麗に落とし、回転部に潤滑剤を吹きかけてみました。結果はあまり改善せず、やはり作動と停止を繰り返しています。配線的には問題がなさそうなので、これは単にファンのモーターが寿命を迎えていると考えたほうが良さそうです。
このパワーステアリングポンプ冷却ファンの故障はR50系でお馴染みのもの。狭いエンジンルーム内に配置された電動油圧パワーステアリングモーターの手前に配置されたこのファンは、位置的に異物を噛み込みやすく、水も掛かる過酷な位置に設置されているためよく壊れます。このファンが動作停止することでパワステモーターが過熱し、結果的にパワステ稼働停止を引き起こすという厄介なパーツです。
過去R50時代には2度も故障を経験しており、うち1回は新車保証期間中に発生、パワーステアリング機構にもダメージが及んでいるとのことでパワステ周りを全取っ替えするということもありました。最初期モデルではこのファンと車両前方の冷却ファンが同じ配線系統にあり、冷却機能が全て失われるという恐ろしい仕様だったため、アメリカではリコールを実施。日本ではどうだったんだろう…?
私もR50時代には2度も故障を経験うち1回はパワーステアリング機構にもダメージが及んだ可能性があるとのことで保証でパワステ周り全取っ替えという事象も経験済み。ちなみにファンの品番は毎年の頻度で変わっており、BMWは終始このファンの不調に悩まされてたんだろうなぁ・・・と邪推してしまいます。
良品に交換して様子見です


新品は2万円超のパーツで懐打撃がまぁまぁ高め。社外OE品も存在しており、完品とファン部分だけ交換するタイプと2種類が流通しています。ただ、OE品もそれなりの価格のため、お得感薄め。であれば純正ファンを買うのが正解かもしれません。
今回はヤフオクで最終品番の動作確認済み中古品が格安で出品されていたのでそちら購入して様子見とします。品番は「32416857718」で、2012年3月以降この品番に切り替わっています。R50系の最終製造は2008年8月でしたから、その4年後に新品番に切り替わりというのも泣き所たる理由に思いますが、言い換えれば最終品番のモノを選んでおけば間違いないでしょう。

最終品番のものは電動ファン本体と配線コネクタの間に何やらボックスがあります。これは何か?と思い調べてみると、ファンの制御・保護モジュール(ドライバユニット)とのこと。過電流保護やファン寿命延長のための電流制御などを行っているようです。ファン自体の設計も変わっています。

並べて比較。ドライバユニットの有無の他に、ファン自体も別モノが搭載。形状はそっくりですが、型番を調べると旧版は62Aのものを搭載しているのに対し、最終版は108Aと能力アップ、さらに防水防塵強化バージョンとなっています。

交換作業は固定ナット2点を外し、車体から伸びている配線を差し替えるだけ。5分もあれば完了するほど簡単に交換できます。まぁ、交換作業だけで言えばこの位置で良かったと思ってしまう(笑
泣き所のエンジンマウント【※保留】

エンジンルーム関連ではもう1点。2021年末に交換したRH側液封エンジンマウントに液漏れ痕跡を発見です。交換後4万km走行しており、消耗が早すぎるということはないと思いますが…もうちょっと耐久して欲しかったなぁ。今のところエンジンの動きに明らかな劣化は感じていませんが、何かの作業ついでに交換しましょう。
人食いボンネット(ダンパー死亡)

次は地味な経年劣化。何の前兆もなくボンネットフードのダンパーが抜けました(笑)本当にある日突然ダメになり、徐々に下がってくるレベルではなく完全に死亡。作業時は適当なつっかえ棒を用意して凌ぐ状態ですから、新品ダンパーを買ってさっさと更新しましょう。価格はさほど高くありません。

購入したのはお馴染みMEYLEのOE品。価格はお小遣いレベル。片側だけ死んでいましたが、もう片方が抜けるのも時間の問題でしょうから両方変えてしまいます。

換えた図。違いがさっぱりわからない(笑)交換は5分もかからず、固定金具をずらして外すだけ。新しいものは固定部をボンネット側の突起に押し込むだけです。ボンネットの保持が怪しいなと思ったらさっさと交換しちゃいましょう。
でも、こういう部分の劣化に車体の古さを感じてしまいますね…。
リア周りからのギシギシ音【※保留】

走行関連については、リア周りからの異音が発生中。ギャップ乗り越え時にギシギシと音が発生するようになりました。タイミング的には前回車検時にリアスタビライザーブッシュを交換した後から発生。当初はブッシュが馴染んでないから?と思ったものの、ブッシュが要因で鳴る音とは違うような気が。
もしかして…リアのスタビライザーリンクか?アレ?換えてなかったっけ?と思い過去の記録を確認すると、なぜか未交換でした。単にオーダーし忘れでしょう。部品代もさほど高くないですから、交換して改善されるか様子を見てみましょう。他の部位からの音の可能性もあるので、これはいつもの整備工場に入庫してチェックしてもらう予定です。
マフラーマウントゴムの劣化

2023年末に交換したJCWマフラー、夏シーズンにソフトトップを全開にして乗るとなかなか心地よい音を奏でており、けっこう満足しています。ただ…中古購入時にくっついていたマウントゴムをそのまま流用した結果、遮音材が共鳴しています。同時に交換しておけばよかった…。
これも交換しましょう。前述の後方から聞こえてくる音の正体はコレ…ではないと思うけど。部品が届き次第交換作業に着手しましょう。
グローブボックス開閉機構の破損→全取っ替え

そこまで緊急性は高くないのですが、グローブボックスのオープナーが破損。経年劣化でオープナー自体が外れてしまう状態になってしまいました。最終的にはオープナー自体が外れてしまいました。

これがオープナーの中身。よく見ると内部パーツが割れてしまい分解してしまっています。あれこれ工夫して何とかなるか?と思いましたが、上手く修復できず。新品を買うほどではないでしょうから、程度の良い中古品を手に入れて交換しました。

さて、後期型MINIはグローブボックスオープナーにキーロック機構が装備されています。このキーシリンダーは交換可能な構造ですが、その作業時にカギを差し込む必要があります。中古品はカギが付属しないものがほとんどですから、交換はできません。
もっとも、作業をしようとすると経年劣化によりグローブボックス自体をを破壊してしまう可能性があります。結局のところ、完動品を買って『今後一生鍵をかけない』が正解なような気がします。根気よく探せばスペアキーが付属している出品もあります。
昨年から引き続きのエアコンブロアファン異音【※保留】
昨年から対処リスト入りしているものの、まだ手を付けていないのがエアコンブロワファンの異音です。緊急性が低いこと、大規模にインパネをバラさないと交換できないことから…重い腰があがりません。これが風が出ない・弱まっている症状が出ているのであれば要交換でしょうが、現在時点ではまだ大丈夫。鈴虫が鳴くような音がまぁまぁ耳障り。
でも、さすがにもう1年延期かな…。他に付随する作業があれば実施するんですが…。
モチベーション維持が大変だ

いやぁ、最近よく壊れますね…。2025年8月で車齢22歳になるので仕方ないのでしょうが、何かを直せば何かが壊れるの繰り返しで完調状態で乗れる機会がグンと減ってしまい、モチベーションの維持が大変です(…懐具合も大変 笑)
でも…乗るとやっぱりとてもイイんだよなぁ。
先日乗った最新のMINI U25 COUNTRYMANは良く出来たクルマでしたけど、R52の古典的な乗り味を思い出す度にやっぱりコッチだな、と思ってしまいます。まだOE部品・中古部品ともに供給量はそれなりにあり、修理しようと思えばできる環境が整っていることから諦めるにはまだ早いですね。

ただ、これまで全く作業していないエンジン・ミッション周りのオイル滲みや、パワステフルード関係の漏れ・滲みなど、どこかでしっかり対処しておきたい案件も多数存在。最近はまとまった時間を確保するのも難しく、重整備するには設備もツールも足りませんから、そろそろ気になる症状をプロに任せて一気に直すことを検討しています。
来年4月はまた車検。いつも期限ギリギリになって慌てていますので、次回は早めに入庫して整備計画をまとめ、予算と相談しながら整備を進めていこうと思っています。レストアレベルの整備は到底難しいですが、不安なく乗れる状態までは改善したいなぁ。
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