R52復活計画|冷却系をリフレッシュ【再編集】

MINI R52
この記事は約11分で読めます。

前回の続き。電動ファンレジスターが再び不動になったことから、以前からやりたかったクーラントの全交換を決意。それに合わせてサーモスタットやその近くにあるヒーター接続ピースも交換しました。現時点での総走行距離は14.7万km。サーモスタットは恐らく過去一度も交換したことはないと思われます。

【追記】ONE/COOPERとCOOPER Sは冷却系がちょっと異なる

Expansion tank/coolant hoses

不勉強な部分があり、少し勘違いしていたこともあったので備忘も兼ねて追記しました。

作業にあたりWebサイト等の情報を参考にしながら計画を立てましたが、記述を読むにつれどうも頭の中でうまく整理ができない部分があったため、作業後に改めて勉強し直しました。いかにもアマチュアな内容で申し訳ありません(※間違いありましたらご指摘ください)

まず、ONE/COOPERの冷却系は開放型、COOPER Sは密閉型という大きな違いがあります。特徴的な点は以下のふたつです。

  • エキスパンションタンクの違い・・・COOPERは非密閉型・COOPER Sは密閉型
  • サーモスタットハウジングの違い・・・COOPERはラジエーターキャップあり、COOPER Sはキャップなし(※キャップはタンクについている)

そのため、クーラントの補充方法やエア抜きの方法も異なります。COOPERの開放式タンクは加圧でラジエーターからオーバーフローしたクーラントを貯水し、冷間時には負圧によりラジエーターへ戻す役割を兼ねています。そのためタンクは加圧されませんし、各種交換作業を行ったあとにクーラントを補充する際はタンクからではなくサーモスタットハウジングにあるキャップを開けて注入するのが正しい方法になります。

Expansion tank/tubing

一方のCOOPER Sはタンク自体が冷却水路のひとつとなっており、常に密閉・加圧されエンジン稼働時はタンク内に高温のクーラントが循環します。タンクの位置こそ一緒ですが、形状も役割も配管も全くの別モノ。完全密閉式のメリットはクーラントの蒸発や劣化を防げる点、タンク内で気泡と液体を分離しやすい点などがあるようですが、欠点として樹脂製タンクが劣化すると水漏れの原因になることや、変色によりクーラント残量確認がしづらくなるなどが挙げられます。

と、冷静に整理しながら考えればすぐわかることなんですけどね・・・。ということで、冷却系整備の情報はグレードにあったものを見ないとダメでした。せいぜい一緒なのは、クーラントの排出方法とサーモスタットの交換方法ぐらい。それをきっちり認識せずに情報をインプットしたことで、作業手順やエア抜き手順がちぐはぐになりエア抜き作業に苦労することになります。

そんなこともよく知らずに作業したのか、とツッコまれそうですが・・・いやはやお恥ずかしい限りです。今後はちゃんと勉強してからやります。

まずは電動ファンレジスターの交換

最初に手がけるのは低速ファンレジスター交換です。事前のテストで不動作状態なのはわかりましたが、果たして本当にレジスターが原因なのか・・・と疑心暗鬼ながらも作業開始です。

フロント周りをバラしていきます

作業工程自体はさほど難しくありません。手順は前回記事と同じ。今回はクーラント交換も行うためハイリフトカーランプを用いていますが、クーラントを抜かないのであればウマ掛けしなくても作業可能です。

4年ぶりに作業ですから、念のため整備マニュアルを片手にさくさくとパーツを外していきます。

クーラント排出・・・思ったより汚れてない?

もう少し大きいタライにすればよかった・・・。多少溢してしまいました。人体に有害物質が含まれているので注意が必要です(反省)

Frバンパーとバンパーキャリアを外した後はいよいよエアコンコンデンサーとラジエーター外しの工程に入ります。整備マニュアルにはラジエーターの脱着が必要とされていますが、レジスター交換だけであれば外す必要はなく、少し手前にズラせば作業可能です。私の場合、地面にタイヤを置きその上にエアコンコンデンサーとラジエーターを乗せて作業しました。

ラジエーター向かって左上のクーラントホースを外す必要があります。今回はクーラント全交換も兼ねていますのでホースを外してクーラントを排出していますが、交換不要であれば外したホースにフタをしておけばOK。なお、クーラントを排出するためにラジエーター下部にあるロアーホースも外します。もの凄い勢いでクーラントが流れ出ますので、溢さないようにタライを用意しておきます(でも、ちょっと小さかったため少し溢しました・・・スミマセン)

写真撮り忘れましたが、排出したクーラントを眺めてみると・・・想像していたより綺麗。もっと汚れている予想していたんですが。

レジスター交換(2度目)

ここまで進めればあとはレジスターを交換するだけ。既存のレジスターに繋がる配線をカット→新しいレジスターを接続します。私の場合、絶縁圧着端子を用いて接続しています。位置的に雨水が侵入する可能性があるので、防水処理も必要です。

姿見えた時は『あれ?正常??』と思いましたが
角度変えて見てみると焼け焦げたような痕跡が

さて、外したレジスターはこんな様子。パッと見大丈夫そうに見えます・・・。この時点で『あれ、もしかしてファンの故障?』と思いましたが、よーく見たらショートしたような痕跡あり。断線しているのかな?

動作確認・・・OK

詳しいやり方はみんカラの諸先輩方をご参考に

新レジスターに交換したあとはすぐに動作確認。バッテリー横のヒューズBOX内になるリレーを外してチェックです。その結果、久しぶりに低速ファンが稼働しました。やはりレジスターがダメだったようです。

再び壊れたときはレジスターを別の場所に設置して対処することにします。

サーモスタット+ハウジング交換

お次はサーモスタットとハウジングの交換です。事前にバッテリーとエアクリーナーボックスを外します。

ちなみに今回はレジスター交換作業の流れでフロント周りをバラしたままにしていますが、クーラントの交換やサーモスタットだけやるのであればバンパーを外す必要はなく、バッテリーとECU、エアクリーナーBOXを外せばOK。ECUのコネクタの外し方にちょっとしたコツが必要で、少し持ち上げてコネクタを外す必要があります。エアクリーナーはボックスごと外すので、インテークホースを外す必要があります。

見た感じは漏れ症状なし

バッテリーボックスとエアクリーナーボックスを外してようやくサーモスタットハウジングが見えるようになります。それでも作業スペースは狭くハーネスも多数残っているので、ボルトを外すだけでも一苦労です。

外したサーモスタットはこんな様子

想像より綺麗に見える

外したサーモスタットとハウジングはこんな様子。まぁ順当に汚れていますね。ハウジングの製造日時を見る限り、交換歴がなかったようです。前述のとおり、摘出したハウジングは見た目通り漏れの痕跡は一切ありませんでした。サーモスタットも長年の使用で真っ黒になっています。うーん、これなら今回わざわざ換える必要なかったかもです。

ヒーター接続ピースを交換

今回一番難儀したのがヒーター接続ピースの交換でした。位置的に作業しにくいところにある上、ホースクランプを外すのも一苦労ですし、とにかくホースが固着してなかなか外れません。シリコンスプレーとピックツールを用いて滑りを良くして外そうとしましたがびくともせず、最後はバイスプライヤーを用いて力任せに引っこ抜き。結局4本のホースを外すだけで1時間程度もかかってしまいました。

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特に面倒なのが下側のホースのクランプが下向きになっていることです。外すためには一般的なホースクランププライヤーではなく、クランプツールを用意したほうが良いです。

なんとかピースを外しましたが、最後はボキッと折れてしまいました。なぜ純正は樹脂製なんでしょうかね。アルミにしたら良かったのでは?と思ってしまいます。気になるのが内部の汚れ。錆のような汚れが付着しています。ヒーターコアの内部の様子が心配になります。

水を注入して緑色クーラントを排出してみる

これは洗浄後の様子

既存のクーラントは可能な限り排出します。そのついでにリザーバータンクを外して清掃します。タンクの底にはカルキ状の汚れが蓄積していました。ブラシを用いて掃除しました。その後はホースが外れた穴に水道ホースを差し込み、水流でクーラントと汚れを排出していきます。こちらもカルキ状の汚れが出てきますが、思ったほど汚れてはいませんでした。

クーラントの補充・動作確認

ペットボトル切ったヤツ

外した部品を元通りにし、クーラントを補充します。寒冷地ですのでクーラント濃度が1:1になるように調整します。水道水でも良いとされていますが、念には念をと精製水を購入し使用しています。

まずはラジエーターキャップからクーラントをギリギリまで注入します。このキャップですが、外し方に少々コツが必要。一度外してキャップの形状を見ればわかりやすいのですが、緩めた上で『押し込んで』更に回すと開きます。ネット上の情報では『開かない』と表記しているものもありますが、ココを開けないと作業が進まないはずです。このときに、ラジエーターホース横のアッパーホースにあるエア抜きバルブからクーラントも注入しておけば良かったのですが、すっかり失念。リザーバータンクにも注入し、エンジン始動。エアコンをOFFにした上でヒーターを全開にし、サーモスタットが開くまでアイドリングします。

なかなかエアが抜けない!

年式なりに仕方ないけど、何か随分と汚く見えるなぁ

しかし、なかなかエアが抜けません。段取りが下手くそだったのか思うようにクーラントが入っていきません。アッパーホースのエア抜きバルブ・交換したばかりのヒーター接続ピースのエア抜きバルブを開けてもエアが抜ける様子が薄いのです。

仕方がないのでウォーターポンプを稼働させる=走りながらエアを抜くことにしました。水温計を気にしつつ走行を続けます。走行→エアが抜ける→クーリング→リザーバータンクにクーラントを補充を繰り返します。

ヒーターから温風が出ない?

エア抜き作業中に不安を増幅させたのが、ヒーターから温風が出てくるまで随分時間がかかったことです。最初は全く熱風が出ませんでした。何度かクーラントを補充しても温風の出方が弱く、アイドリング状態では熱風が止まり→エンジン回転数を上げると熱風が出るという状態が続きます。

もしかして・・・ヒーターコア内部を綺麗にしようとしてホース流水をしたことが結果的に詰まりを招いたか?と思いましたが、何度かエア抜き→クーラント補充を繰り返した結果、無事常時熱風が出るようになりました。いやぁ、焦ったなぁ。

ということで、とにかくエアが抜けないことは想定以上。ビビらず、根気よくやりましょう。

試練はまだ続く・・・

クーラント補充も3〜4回繰り返したところで減りもなくなり、水温が安定しヒーターも無事動作してようやく終了!と思ったのですが、これで終わりではありませんでした。ふとクルマの底を見ると・・・ごく微量ながらクーラントが漏れているのを発見してしまいました。

エンジンルームを覗き込むとヒーター接続ピースあたりから漏れているのですが、ドバトバと漏れているわけではなく滲んで垂れている程度なのがちょっと厄介。どこから漏れているのかがわかりづらいのです。作業時に目視した限りはホースの劣化は感じられなかったのですが、作業中に傷つけた可能性も否めないですし、再利用したホースクランプの締め付けが緩いという可能性もあります。

いずれにせよ、早めに再作業を実施して漏れゼロ状態に戻さねば。夏休みは未だ続きます。

【追記】再作業しました

漏れ箇所が特定しきれなかったので、漏れ可能性があるホースを交換。もともとついていたホースクランプは近所のホームセンターで調達したステンレス製のホースバンドに交換しました。その結果、漏れはストップ。ホースを外したことで減ったクーラントを補充して完了です。

ついでに、以前から保有しているコーディング用ドングル(Vgate iCar Pro BT)とiPhoneを用いて、OBDIIポートから水温データを取得してみました。メーター内の水温計はアテにならないので作業に当たってはこれがあった方が絶対にいいと思います。

ちなみに平常時の水温はおおむね90〜93度を行ったり来たり。問題ありません。

コメント

  1. R52A24 より:

    はじめまして。2年前にR52クーパー(CVT)を購入し、整備の参考にさせてもらっています。
    ヒーターの接続ピースは納車早々に漏れが見つかり、アルミ製の物とDIYで交換しました。
    その際、ホースクランプはワイヤー式のホースクランププライヤーで外しました。
    YouTubeかみんカラで見たんだと思いますが便利でした。

    先日ユーザー車検も無事合格し、今は今後のメンテナンスを計画中です。

    • アバター画像 Hokkai_K2O より:

      R52A24さま、はじめまして。コメントありがとうございます。
      ワイヤー式のホースクランプがあるんですね。実物見たことないですが、名前から使い方を想像するにそれが一番使いやすいような気がします。
      正直、下向きのクリップに関してはなんであんな設計にしたんだよ、と少しイラッとしました。
      私は液漏れの疑いがあるので、近日中に点検がてら元のクランプからステン製のホースバンドに替えてしまおうと思います。

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