まさかの突然社用車3号、登場(予定)

オーリス
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社用車を新規増車したいけどそこまで予算がないからどうしましょうシリーズ(?)

これまでの経緯。当面の間はオンボロR52に必要な整備を施し運用していく方向で進行中。ですが、そもそもR52がMT仕様であること・荷室が小さく複数人出張のアシには向かないこと・年式が年式なためこれ以上ダメージを与えない丁寧な運転が求められることを考えると・・・他のスタッフに貸し出すのには(色々な意味で)ためらいがあります。と、いうよりそもそも嫌がられているというか(笑

現状はメイン社用車のF60を複数人で運用してもらうことで何とかなっていますが、今後事業拡大に伴って外回りが増加することを考えると、R52以外にもやっぱりもう1台必要かなぁと。そこで、R52復活計画と同時に、水面下で『次回車検までは乗れるでしょう』レベルの格安中古車を探していました。

義母、突然クルマ買い替え!

画像はイメージです(笑

そんな中、昨年末に突然の一大イベント。

ヨメ氏の母=義母から突然『今乗っているクルマをディーラーに点検出したら、次の車検は通らないかもって言うので、クルマを買い替えることにしたから〜』という連絡。いきなり何のことやら?と思ったわけで、もう少し聞いてみると↓こんな感じ。

  • 1年定期点検でディーラーへ入庫させたところ、メカニックから『車齢13年で、車体下部に錆びが発生している』という報告があった。
  • 特に、燃料供給ラインやマフラー接合部に錆びがあり、このままでは車検に通らない可能性があると伝えられた。また、リアダンパーからもオイル漏れの兆候があるとの報告。
  • 今月(※12月中)であれば条件出せる。部品供給不足の関係で納期が延びているので、早めにオーダーしたほうがよい

という説明を受けたので、これを期にクルマを買い替えるという話でした。

ちなみに、今回点検に出した個体の次回車検年月は2022年10月。私がヨメ氏を通じて見聞きしてきた限り、定期メンテは新車購入時からずっとディーラーで実施されてきましたし、たまに実家へ行った際も「乗りっぱなし汚れっぱなし」な様子は見たことなく、言わば丁寧に扱われてきたクルマです。車齢と総走行距離はそれぞれ13年・8万キロではあるものの、パッと見ボロボロとは縁遠い状態であることには間違いありません。なので、個人的にはずいぶんな診断結果だなぁと思ったりします。もっとも、点検に立ち会って詳細を確認すれば良かったんですけど・・・報を受けたのは点検後の商談の真っ只中。さすがにディーラーに「もう一度説明しろ!」とも言えませんが、どうも釈然としません。

まぁ、現車は自動ブレーキがまだ一般的でなかった時代のクルマですから安全デバイスが多数奢られている現代車に乗り換える良いきっかけと思うことにしました。義母的には結果それで良かったと思っているでしょう。でも、もともと現車は『今は亡き義父が人生最後に購入・愛用していたクルマ』ということもあり、ヨメ氏もそれなりに思い入れのある1台とのこと。

そんなこんなで・・・下取り予定だった現車は我が社で引き取り、社用車としてまずは次回車検まで大事に使うことにしました。

そのクルマは初代トヨタ・オーリス

長い前置き(笑)で、我が社にやって来るクルマが↑コレ。初代トヨタ・オーリスです。義母が所有していた個体を運転する機会がありませんでしたが、前職では2度ほどレンタカーで借りた経験があります。本来はカローラアクシオが宛がわれることが多い中でオーリスが来た時は『当たり!』と思いましたし、実際乗ってみても不満に感じる部分があまり存在せず『トヨタのクルマであっても、まともなヤツはまともじゃないか!』と思わせてくれるデキだったと記憶しています。

このオーリス、下取りのためディーラーで査定したところ・・・買取額はわずか5万円。適切な処置をすればまだまだ乗れるはずですが、日本国内に於いては商品価値がなさそうですから行く末はスクラップか海外輸出でしょうか。義母とヨメ氏が新車の商談をしている最中、私は中古車情報サイトで同型同グレードで似たような条件の個体の値段をリサーチ。当然、5万円では買える車ではありませんので義母へ同額をお支払いし、新車納車と同時に譲ってもらうことにしました。

初代オーリスはどんなクルマだったか?

10代目カローラアクシオ
9代目カローラランクスの兄弟車「アレックス

さて、購入を即決したけど・・・そもそもオーリスは何者なんでしょうか?と。改めて勉強がてら調べてみました。

まず、オーリスが国内デビューしたのは2006年10月。それまで販売されていた9代目カローラのハッチバックモデルは5ナンバーサイズのプラットフォーム(旧MCプラットフォーム)をベースにしていたのに対し、実質的な後継車となるオーリスは新開発のプラットフォーム(新MCプラットフォーム)を採用しました。一方、オーリスと同時期に刷新された10代目カローラは、先代に使われていた旧MCプラットフォームをキャリーオーバーしています。

本来は同じカテゴリーのクルマなのに、プラットフォームを分けたのにはどんな理由があったのでしょうか。この答えは、日本国内の要求と欧州市場の要求が異なるから。9代目カローラは日本・欧州・アメリカ共に同じプラットフォームをベースに開発・製造されていましたが、10代目への切り替わりに際し、欧州Cセグメントと互角に戦うためには車体サイズを一回り大きくする必要に迫られたわけです。

ですが、日本国内では5ナンバーサイズを堅持したいカローラのプラットフォームをベースにし続けることによる制約は大きかった。であれば、全く新しいモデルとして開発した方が良いという判断がありプラットフォームから刷新されたという流れ。実際、ボディサイズは全長・全幅・全高すべてがサイズアップを果たした上に、足回りの構造も旧来のカローラから変更。ヨーロッパのベーシックカーに求められる性能を持つことになりました。

競合揃いのCセグメント市場

2006年のパリサロンで登場したコンセプト版。市販車とほぼ変わらないスタイルでした。

さらに、ヨーロッパ市場では全世界で知名度のある「カローラ」という名称を捨て、ブランニューモデルとしてデビューさせただけありその内容はかなり力の入ったモデルでした。デビュー当時の文献によれば「5m走るだけで理解できる良さ」を重視したとありますが、その言葉どおり、気合の入った設計がされていたようです。

特に重視されていたのが走行性能。年々レベル向上が求められる衝突安全性能を満たすだけでなく、ヨーロッパ市場で重視される走行安定性を実現させるために強化されたボディ構造や足回りは過去のカローラの譜系から離れ新設計。それに加え、ロードノイズや風切り音の低減、余裕あるサイズのシート採用など、速度レンジの低い国内専用車では『そこそこ』で済まされる部分がしっかり造り込むことを主眼に開発されました。

※後期モデル。サイドブレーキレバー形状が前期と違います

内装も当時のトヨタ車にしては凝った造形で、特に目立つのがセンターコンソールがフローティング構造になっている点。なだらかにナビ・オーディオ部やエアコン操作パネル、シフトレバーが配置されている造形は、オーソドックスな内装が多い国産車の中でもかなり斬新でした。ですが、ダッシュボード上部や助手席側アッパーボックス部が硬質プラスチックで覆われているのは少し殺風景かもしれません。

デビュー当初、ヨーロッパ市場における販売台数は月販15,000台程度とライバルに引けを取らない成績を納めましたが、クラス最大のライバルであるVolkswagen Golfをはじめとしたライバルも商品力を大幅に向上させましたし、価格面で優位性がある韓国勢も大躍進の激戦状態。オーリスはハイブリッドモデルを追加し商品力を向上させようと躍起になりましたが、結果的にライバルの牙城を崩す結果は残せませんでした。

一方、日本国内に於いてはデビュー時に日産・ティーダやマツダ・アクセラなどのライバルが存在していましたが、そもそもCセグメントハッチバック市場自体が縮小傾向だったこともあり、ライバル含め販売は低迷。同じネッツディーラー取扱車ではすぐ下にBセグメントのヴィッツが存在していたことや、同セグメントにはプリウスが存在し、かつ2009年に新型(3代目)に切り替わったこともあり、『ハイブリッドではない上にでっかいヴィッツにしか見えない』なオーリスが売れなかったのは当然の結果だったのかもしれません。

兄弟車にはこんな「迷車」も

もうひとつ。ネッツ店専売のオーリスに対し、トヨタ・トヨペット店で販売される兄弟車として日本専用モデル「ブレイド」が存在していました。

オーリスが想定する顧客層よりも年齢の高い顧客層への売り込みを期待し、車体前後のデザインを日本人が好みそうな顔つきのものを採用、内装もオーリスよりちょっとだけ豪華に仕立てたモデルです。エンジンも上級車からの乗り換えを狙い2.4Lのものをを採用。さらに、ハイパワーな3.5L V6エンジンを搭載した「マスター」も発売されましたが、オーリス以上に陰の薄い存在となり1台限りで消滅。Golfの対抗馬的存在を想定していたようですが、さすがにこれじゃねぇ・・・。

150X Mパッケージ 4WD

※写真はプロボックス・サクシードに搭載されているもの

さて、今回我が社にやってくるオーリスは「150X Mパッケージ」と呼ばれるグレード。価格訴求のベースグレード(150X)に左右独立式オートエアコンやスマートエントリー、オートライトなどの便利装備を追加した最量販グレードです。発売当時の価格は税抜183万円。当時の相場では「お手頃価格帯」のクルマだったと言えます。

搭載されているエンジンは1.5L直列4気筒DOHCエンジンの1NZ-FE。これは国内モデルにのみ搭載されるエンジン。1999年にデビューした初代ヴィッツ系のプラッツ・ファンカーゴに初搭載されたもので、車体と異なり完全新設計エンジンではありません。最高出力105ps/6,000rpm、最大トルク13.8kgm/4,200rpm(※4WD用。どちらもFF用よりデチューンされています)というスペックが示すとおり、高性能なエンジンではありません。なお、上位グレードの180Xに搭載される2ZR-FEは10代目カローラ・オーリスに初搭載される新設計エンジン。ヨーロッパでもメインストリームを担っています。なお、ヨーロッパでは前述のとおり1.5Lエンジンは用意されず、代わりに1.4Lの4ZZ-FEが用意されていました。

組み合わされるトランスミッションはSuperCVT-i(K310/K311)が搭載。それまでのカローラクラスは4速ATが搭載されていましたが、このモデルより新開発の小型車用CVTが搭載されました。トヨタ内製のこのミッションは現在でもカローラやC-HRに搭載されている現役モデル。高効率を狙ってのCVT採用でしたが、カローラとオーリスでは制御がかなり異なるようです。

カローラはエンジン過渡特性で一番効率が良い回転数に持って行くのに対し、オーリスは同じギア比を保ちなるべくエンジンのトルクで加速していく仕上げ。個人的にはカローラのCVT制御はとにかく不自然で乗っていて気持ちが悪くなるのですが、オーリスではあまり気にならなかったことを覚えています。

4WDはアクティブトルクコントロール型、いわゆる生活四駆。ですが4WD仕様の特色としてリアサスペンションは駆動系配置の関係でダブルウィッシュボーン型サスペンションが採用されています。ちなみに国内仕様のFFモデルはトーションビーム。欧州モデルはFFモデルしか存在しませんが、搭載エンジンによりトーションビームとダブルウィッシュボーンが混在するようです。どちらの形式が優れているか?という議論は山ほどありますが、あまり差がないような気が。スペック的には『良さそう』って思ってしまいますけど。

トヨタっぽくないトヨタ車は良作揃い?

日本国内市場をあまり意識しないモデルが良く出来ている、という例で言えば思い出すのがトヨタ・C-HRでしょうか。このモデルももともと開発段階では日本での販売を意識していなかったと言われています。その結果、トヨタ車としては異例の仕上がりで優れた走行性能を有するクルマに仕上がってしました。で、オーリスはC-HRよりも先に販売されていたモデルですが、同じ志を感じる部分があります。

なお、オーリスはその後2012年に2代目に移行、その後2018年には3代目に切り替わる予定でしたが、そのタイミングでオーリスの名を廃し再びカローラを名乗ることになりました。日本では「カローラスポーツ」という名称で販売されていますが、国内向けセダン・ツーリングと異なり欧州市場と同様の幅広ボディを採用している点から見ると、オーリスの志を流れを受け継いでいると言えます。あまり売れている様子はありませんけど・・・。

我が社にオーリスが来るのは5ヶ月後…?

さて、ちょっとだけ話を前述の義母新車買い替えにを戻します。

今回買い替えたのはトヨタ・ヤリス。1人で乗る機会がほとんどということだったので、ダウンサイジングです。また、今後はそこまで距離を乗ることもないということだったので非ハイブリッド仕様を購入。ハイブリッドにしても元を取れないという判断です。グレードも1.5L 4WD仕様でのボトムグレードを選択しましたが、流石最新のクルマはボトムであっても十分な安全装備が装備されています。自動ブレーキも何もついていないオーリスからヤリスへの乗り換えは良かったと捉えたほうがいいんでしょう。

トヨタ 工場出荷時期・納車時期の目処について | トヨタ自動車WEBサイト
トヨタ車の工場出荷時期・納車時期目処です。 実際のお客様への納車までは工場出荷後、各都道府県の販売店への輸送および販売店での納車準備等に時間を要します。

で、驚いたのが、ヤリスの納期が例の半導体不足と新型コロナウィルス感染症に伴う部品供給の遅れにより春先まで先になるいう事実。最量販車で非ハイブリッド車であっても・・・ずいぶん待たされるもんなのか。ランドクルーザーのようなクルマならまだしも、ヤリスですら半年待ちとは。ちなみにトヨタのWebサイトには納期目安が公開されているのですが、これを見ても5〜6ヶ月とあり、短くなる様子はいっさいありません。

そう思うと、前述のセールス氏の買い替え勧奨にはいささか不満があります。

(性格が悪い私にとって)『次回車検は10月で燃料供給パイプの腐食がヤバいから』という状況説明に対し、納期が長い新車購入を勧めるのはやっぱり合点がいかないのです。言い換えれば『燃料漏れの可能性があるけど、4~5ヶ月後はそのまま乗れ』とも取れる説明ですから、内心『・・・正気か?』と思うわけです。当然ですが『じゃあ緊急的に直しましょう』という提案もありません。

正直なところ「新車売るための誇大表現」って捉えてますけど、私ならこういうディーラーとは今後一切(以下略

コメント

  1. HOPE より:

    オーリスにブレイド。
    実はこの2車種は私の普段の生活に非常になじみがあります。

    オーリスは私の通勤路の通りがかりに、珍しい「シャア専用オーリス」が停まっています。信号待ちで近くに止まった際は毎回じっくり眺めてしまいます。まぁオーリスと言っても2代目ですがね。

    そしてブレイドは、隣の家の愛車です。

    ディーラーのセールス氏の対応は・・。
    中古車派の一人としては新車が売れてくれないことには中古車もないものですから。ぐっとこらえて目をつぶることとしましょう。

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