5008納車も秒読み。詳しく下調べもせずに購入したのは良いものの・・・多少は情報を頭に入れておいたほうが良いかと思い今さら色々と調べて妄想を膨らませております(笑
カタログスペックの比較
現代に於いてはあまりカタログに記載されている数値でクルマを比べることに昔ほど意味価値がないと言われています。確かになぁと思う部分がある反面、まだまだ数値で並べることで気がつく意外な事実もあります。そこで、X2と5008の2台、参考としてX2の直接的なライバルとなる3008、3列シートのMPVモデルのGRAND C4 SPACETOURER・2シリーズGran Tourerのカタログスペックを比較してみました。
・・・この並びが参考になる方がどれだけいるんだか(笑
BMW F39 X2 20d xDrive | PEUGEOT 5008 GT BlueHDi | PEUGEOT 3008 GT BlueHDi | CITROËN GRAND C4 SPACETOURER | BMW 218d xDrive GT | |
---|---|---|---|---|---|
全長(mm) | 4,375 | 4,640 | 4,450 | 4,605 | 4,585 |
全幅(mm) | 1,825 | 1,860 | 1,840 | 1,825 | 1,800 |
全高(mm) | 1,535 | 1,650 | 1,630 | 1,670 | 1,640 |
ホイールベース(mm) | 2,670 | 2,840 | 2,675 | 2,840 | 2,780 |
地上高(mm) | 180 | 170 | 175 | 135 | 165 |
車両重量(kg) | 1,680 | 1,690 | 1,610 | 1,640 | 1,740 |
最小回転半径(m) | 5.1 | 5.8 | 5.6 | 5.5 | 5.7 |
定員 | 5名 | 7名 | 5名 | 7名 | 7名 |
荷室容量(L) | 470-1,355 | 780※-1,940 | 520-1,482 | 645※-2,181 | 560※-1,820 |
駆動方式 | AWD | FF | FF | FF | AWD |
Frサスペンション | ストラット式 | ストラット式 | ストラット式 | ストラット式 | ストラット式 |
Rrサスペンション | マルチリンク式 | トーションビーム式 | トーションビーム式 | トーションビーム式 | マルチリンク式 |
標準タイヤサイズ | 225/45R19 | 225/55R18 | 225/55R18 | 205/55R17 | 205/55R17 |
横比較をしやすくするよう、全てディーゼル仕様で統一しています。ボディサイズがいちばん小柄なのはX2。特徴である低全高が際立っていますが、3008よりもコンパクトな設えです。ただし車重は重く、ディーゼルxDrive仕様の場合は大柄なボディを持つ5008と同等の重量になります。
最後まで迷った5008とGRAND C4 STはホイールベースのみ同一で、それ以外は5008のほうが少しだけ大柄です。3列目を格納した状態の荷室容量も5008のほうが大きいのは意外でした。2シリーズグランツアラーは少し小さいですね。
購入してから知りましたが、5008のリアサスはトーションビーム方式。一般的には、他形式より構造がシンプルでコンパクト・軽量になるメリットがある一方、車体接合部が少なくゴムブッシュ設計(落とし所)が難しいと言われています。そのため上位クラス車や高性能車はマルチリンクやダブルウィッシュボーン形式を採用することが多いのですが、トーションビームでライバル以上の乗り心地や走行安定性を実現したと評されているのは驚きです。
なんて思っていたら、最近は前輪駆動のスポーツカー(ホンダ・シビックTypeRなど)のリアにトーションビーム式が採用されている事例が増えているとのこと。いやはや、先入観を捨てて学び直しですね。
パワートレインの比較
BMW B48 | BMW B47 | PEUGEOT EP6 | PEUGEOT EW10 | |
---|---|---|---|---|
形式 | 直列4気筒DOHC ガソリン | 直列4気筒DOHC ディーゼル | 直列4気筒DOHC ガソリン | 直列4気筒DOHC ディーゼル |
総排気量(cc) | 1,998 | 1,995 | 1,598 | 1,997 |
最高出力(ps/rpm) | 192/5,000 | 190/4,000 | 180ps/5,500 | 177ps/3,750 |
最大トルク(Nm/rpm( | 280/1,350-4,600 | 400/1,750-2,500 | 250/1,650 | 400/2,000 |
トランスミッション | 8速AT | 8速AT | 8速AT | 8速AT |
WLTC燃費(km/L) | 11.4 | 14.5 | 13.4 | 16.6 |
駆動方式 | AWD | AWD | FF | FF |
次にパワートレインの比較表。車重の違いはありますが、PEUGEOTのガソリン・ディーゼル量エンジンがけっこう頑張っています。両方ともデビューから相当に時間が経過した熟成モデル。それでもBMW細心のモジュラーエンジンに引けを取っておらず、燃費性能も良好なのが良いです。
中でも際立っているのが、DW10の燃費性能です。WLTCモードで16.6km/Lというスペックはかなり良いのではないでしょうか。BMW B47と比較しても多少パワーが落ちるぐらいで大きな差はありません。1998年に登場したユニットですから、既に25年も経過しているのに現役なのが驚きです。旧Group PSAの各モデルに搭載されており、その評判はなかなかのもの。今回はその実力を身をもって経験したかったこともディーゼルを選んだ要因のひとつです。
1998年にデビューした息の長いエンジンが最新のディーゼルとほぼ対等かそれ以上の能力であることには驚きを隠せません。このことが今回ディーゼル仕様を買う理由でもあります。
ガソリンエンジンは・・・悪名高きPrince Engineです。BMWと共同開発したユニットで、性能は優秀だったものの直噴構造に起因するカーボン蓄積や燃料高圧ポンプの故障、タイミングチェーンの伸びによるエンジン破損など不具合オンパレードなもの。BMW側は1代限りで見限りをつけて葬り去りましたが、Group PSA側は独自の進化改良を続けて今日に至ります。
スペックだけ見るとPrinceがデビューした頃からそう大きく変化はありませんが、最新のエミッション規制をクリアするように改良されています。大柄な5008では少し力不足かな?と思っていましたが、試乗車で感じた限りは能力不足に思うことはなく快活に走行ができました。気になるのは耐久度の改善ですが、ディーラーのセールス氏曰く『かつて発生した不具合はかなり改善はされている、けれども未だにノートラブルなエンジンでもない』とのこと。
電動化を強力に推し進めているSTELLANTISグループらしく、新型3008はEP6・DW10ともに採用されず、1.2L PureTechにマイルドハイブリッドを組み合わせた仕様(とBEV仕様)に絞られてしまったため、これらのエンジンを体感できるのはこれが最後のチャンスでしょう。
BMW X2 20i xDrive | BMW X2 20d xDrive | PEUGEOT 5008 Allure | PEUGEOT 5008 GT BlueHDi | |
---|---|---|---|---|
パワーウェイトレシオ | 8.43 | 8.84 | 8.66 | 9.54 |
0-100km/h加速(秒) | 7.4 | 7.7 | 8.3 | 9.2 |
最高速度(km/h) | 224 | 221 | 217 | 216 |
パワーウェイトレシオ・加速性能・最高速は上記のとおり。最近はエミッションの関係やドライバビリティの関係で意図的に調整している例も多くあまり参考にならないかもですが、横並びで比較してみました。
俊足ぶりで言えばX2ガソリンがピカイチ。5008ディーゼルは思ったほど俊足じゃないですね。PWRの近似値で行けば国産5ナンバーミニバン程度で『まぁ遅くもなく・・・』 という印象ではないかと推測します。まぁすっ飛ばして乗るクルマじゃないですしね。
最大の違いは駆動方式!
実は今回の乗り換えで一番気になっているのが、駆動方式がAWD→FFになる点です。
F39に搭載されているxDriveはなかなか悪くないデキで、雪道や凍結路などの走破性は問題なし。除雪が追いつかない日でも比較的安心して乗り回せたのが利点でした。F39の前に所有していたVolkswagen Passat ALLTRACKも悪くありませんでしたが、F39のほうが優れていた印象があります。
前輪駆動ベースのxDriveはBorgWarnerが開発したHaldex Couplingをベースにしたシステム。BMWだけでなくVolkswagen・Audi・Volvoの前輪駆動ベースのAWD車に搭載されているのは大抵コレです。世代を追うごとに改良されており、現在は第5世代が供給されています。普段の走行時は100%前輪に駆動力を供給しますが、DSCから送られてくる信号を元にリア駆動力が必要と判断された際にはギアボックスのすぐそばに設置されたカップリングを介し後輪へ瞬時に駆動力を配分します。
xDriveの場合は速度、縦横方向の加速度、ブレーキ制御、ステアリング角度、ホイール速度、車両の縦方向傾斜度、ペダルセンサー位置、ドライビングモード選択、DSCスイッチなどの情報をもとに、アンダーステア発生や坂道発進、キックダウンポジションや道路・気象状況に応じて後輪へ駆動力を配分するようになっています。その反応の早さも優れており、ほぼ意識できないレベルで制御されています。
そのため、トラクション性能に関して不満を抱く場面はほとんどなく、日常的に安心して乗れるという点では良く出来たシステムだなぁという結論です。その代償として燃費性能はイマイチでしたが・・・。
一方、5008は全車前輪駆動のみ。その代わり?として『Advanced Grip Control』機構が搭載されています。これは選択する走行モードに応じてトラクションコントロールやブレーキを制御するもので、前輪駆動であっても走破力を高める機構として装備されています。これに加え、PEUGEOTが得意とする路面を的確に捉える足回りの設えの組み合わせにより、FFのネガをあまり感じさせない仕上げになっているそう。
メリットとしては、AWD化による重量増の回避と駆動伝達(プロペラシャフト)装備用のセンタートンネル設置が不要なことの2点があります。コスト面でも有利でしょう。一方のデメリットは、アイスバーン路面の発進や除雪が追いつかず深雪が積もった道路の走破性ぐらい。YouTubeにアップされていた2008の走行映像(※装着タイヤはオールシーズン)を見る限り意外と大丈夫かな?と思ったりもしますが。
先進安全装備の比較
5008の購入にあたり気になったのが先進安全装備(ADAS)の搭載状況です。2018年に発売されたX2は同時期に発売された他メーカーの車種と比較するまでもなく劣っていました。一方、それより前に発売された3008/5008のADASは現代の基準でも遜色がないレベル。わかりやすく対比するため、装備差を表にまとめてみました。
BMW X2 | PEUGEOT 5008 | |
---|---|---|
センサー類 | 単眼カメラ | レーダー・カメラ |
アクティブクルーズコントロール | ○ストップ&ゴー対応 | ○自動停止のみ対応 作動開始は30km/hより |
渋滞アシスト | △※海外仕様のみ、国内非装備 | × |
レーンアシスト | ○70km/h以上 警告のみ | ○65km/h以上 自動修正機能付 |
ブラインドスポットモニター | × | ○ |
車間距離警告 | ○5km/h以上 | ○5km/h以上 |
後方衝突警告 | × | × |
衝突回避・被害軽減ブレーキ | ○5~60km/h | ○5~140km/h |
トラフィックサインアシスト | ○※海外仕様のみ、国内非装備 | ○速度のみ |
フロントソナー | ○ | ○ |
リアソナー | ○ | ○ |
パーキングアシスト | △縦列のみ | △並列/縦列 |
フロントカメラ | × | △ |
サイドカメラ | × | ○ |
リアカメラ | ○ | ○ |
アダプティブヘッドライト | △ | ×※フォグによるコーナリングランプ |
ハイビームアシスト | ○※海外仕様のみ、国内非装備 | ○ |
改めて見てみると、結構違いますね・・・。
レーダーの有無で差はつくか?
大きな違いは前方監視用コンポーネントです。F39はフロントガラス上部の単眼カメラのみ、5008は単眼カメラに加えバンパー下部にレーダーが装備されています。
X2の単眼カメラ型の性能は『まぁ使えるかな・・・』ぐらいのもので、頻繁に作動停止するため個人的にはオマケ的要素としか思っていません。レーダー式もセンサー部に雪が付着すると使えなくなるという一長一短がありますが、自動ブレーキ・ACC関連の性能は5008のほうが期待できると思います。
F39にはなかった装備
F39にはなかった機能として、レーンキープアシスト・ブラインドスポットモニター・パノラミックビジョンが装備される点が嬉しい点です。F39のレーンアシストはレーン逸脱時にステアリングに内蔵されたバイブレーターが震えるだけのものでしたが、5008は自動修正機能も含まれています(※フェイスリフト後のモデルからはレーンポジショニング維持機能が追加されています)
パノラミックビジョンはオプション装備状況によって動作が異なりますが、いわゆる360°アラウンドビューモニターが装備。並列駐車でまっすぐ止めるのが得意でないヨメ氏にはありがたい装備です。
ACCストップ&ゴー非搭載がとても惜しい
唯一F39が優れているのは、ACCのストップ&ゴーに対応していること。本国仕様のF39はステアリング操作を含めた渋滞アシスト機能が装備できますが、なぜか国内仕様は非装備。その代わり、ストップ&ゴーだけは装備されており、ステアリング操作以外は自動運転できるため渋滞時にはとても重宝する機能でした。一方5008にこの機能がなく、停止までは自動→再作動は30km/h以上からという内容が少し残念です。ハード的には出来ないことはなかったと思うのですが・・・。(※ちなみにフェイスリフト後のモデルからストップ&ゴーに対応しているのはちょっと悔しいポイント)
と、いうことでADAS関係は5008の勝利です。
インフォテインメントはBMW優勢?
最近のクルマから切っても切り離せないのがインフォテインメント機能。ADASと同じく2010年後半は過渡期だったこともあり両モデルとも今ひとつの内容です。
いち早く通信機能に対応したBMW iDrive
BMWが優れているのは車載SIMによる通信機能が付与されている点でしょう。これは他メーカーよりも先んじていたもので、便利なリモート機能が付与されているだけでなく、ニュースや天気情報の取得なども盛り込まれていました。ただ、本当に便利と思える機能は2020年代に入ってから投入された次世代iDrive(ID7以降)からで、F系モデルは『あってもなくてもあんまり困らない』というのが本音かもしれません・・・。
また国内仕様にもナビゲーションが搭載されていたのも特徴。お世辞にも高性能だったとは言えませんが、完璧な操作感のiDriveにナビゲーションが組み込まれているだけでも価値があります。また、8インチのワイド画面も見やすく、解像度も不満なし。隠れた機能として、動画ファイルを入れたUSBメモリを接続すると特にあれこれ工夫しなくても動画再生が出来てしまう(※要コーディング)のは個人的にとても重宝していました。
操作性はちょっと残念なi-Cockpit
一方、PEUGEOT 5008はかなり遅れている印象。特に日本仕様においては長らくナビゲーションが非搭載で、ディーラーオプションで後付ナビ(Panasonic製→Pioneer製)が装備できたものの操作性やシステム統合性が悪く非常に残念なものでした。本国仕様はTomTom製ナビが組み込まれ、デジタルメーター内部にナビ案内が表示されるなどの連携が発揮されていましたが、当たり前に後付ナビでは非対応。現在の最新モデルは日本仕様にもナビが標準装備されるようになりましたが、この頃のモデルはどことなく中途半端でした。
モデル途中でApple CarPlay/Google Android Autoに標準対応するようになった点は評価できますが、操作性はiDriveのほうが明らかに出来が良いなぁと思ってしまいます。ちなみに動画ファイル再生機能は有していないため、車載モニターで動画再生するには一工夫が必要です。これに関しては後日。
それぞれの善し悪しが目立ちますが、これについてはF39の勝利です。
その他装備
オーディオのクオリティはF39のほうがやや上でしょうか?我が家の個体に限っていえばオプションのHiFiスピーカーシステムが装備されており標準仕様よりマシな状態ですが、5008も似たような状況。どちらも本国には最上位のオーディオシステムオプション(F39:Harman/Kardon、5008:FOCAL)が用意されているのですが、なぜか日本仕様では選べないという・・・。後付するのも面倒ですし、受注生産で良いから用意してくれればいいのにと思うのですが。
快適装備として運転席にマッサージ機能付のランバーサポートが装備されています。使うかどうかは・・・ですが助手席側にもあれば言うことないのに、と思っています。長距離移動時は私が運転・助手席にヨメ氏ですから(笑
さぁ、あと数日で納車です。楽しみだなぁ。
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