BMW Longlife 17FE+とは何者か

BMW X2
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以前の記事で、F60に適合するオイルは『BMW Longlife-17FE+』であると記しました。ですが、残念ながら国内ではほとんど流通していないオイルのため、たいていの場合はお馴染みの『BMW Longlife-01』か同規格の推奨オイルが使われているようです。正規ディーラーで交換作業を行ってもLL-01が使用されます。

で、その17FE+がどんなものなのか、そしてなぜ日本には上陸しないのか。・・・ということで興味本位で色々調べてみました。

BMW Longlife-17FE+とは何者か

ShopMINIUSA.com: MINI Original Engine Oil Longlife-17 FE-Plus SAE 0W-20
BMW 純正オイル

まず、BMW Japanの純正オイル紹介ページですが、記載がありません。Mエンジンを除くガソリンモデル用オイルはLL-01とLL-01FEのみ記載されているという状況。そこで海外サイトを辿ってみるとオフィシャルのアナウンスに近い記述がありましたので、機械翻訳で読んでみました。

BMW TwinPower Turbo Longlife-17 FE + SAE 0W-20エンジンオイルは、最新のTwinPower Turbo互換ガソリンエンジン(GPFフィルター付きおよびなし)用の革新的な低灰分潤滑油です。BMWLonglife-01エンジンオイルと比較して実証済みの燃費を提供します。また、BMWLonglife-01オイルと比較してCO2排出量を削減します。さらに、腐食や堆積物から保護し、エンジンの適切な内部清浄度を維持します。これは、エンジンの長寿命に貢献します。

2014年モデルのディーゼルパティキュレートフィルター付きまたはなしの承認済みBMWガソリンエンジン(N20、N26、Bx6、Bx8)に適しています。

BMW純正オイルの末尾につく数字(LL-XX)はその規格が制定された年を示します。LL-17FE+はこの法則から行くと2017年に規格化されたものということがわかります。対応するエンジンも、N20/B38/B48となっていることから、主として現行のモジュラーエンジンに向けたものであることがわかります。SAE粘度指数は0W-20。今般の省燃費エンジンによく選択される低粘度オイルです。

ちなみに、LL-17FE+の前に規格化されたオイルにはLL-14FE+(0W-20)とLL-12FE(0W-30)が存在しますが、ガソリンパティキュレートフィルター(GPF)が搭載されているB38/48エンジンの場合、LL-14FE+は適合から外れています。これについては、LL14-FE+にはGPFを詰まらせてしまう物質が含まれているため使用できないとのこと。GPFのないB38/48は使用可能。ただし、どちらも日本での使用に際しては承認されておらず、ヨーロッパ・もしくはヨーロッパ・アメリカ・カナダでの使用に限定されています。(※LL-17FE+はエリアの限定がありません)

非純正のBMW承認オイルはどうか?

FUCHS(フックス) エンジンオイル|阿部商会
FUCHS(フックス)エンジンオイルの商品一覧ページ
https://products.liqui-moly.com/top-tec-6600-0w-20-6600-0w-20-12.html
EVOLUTION FULL-TECH APX 0W-20

0W-20という低粘度のオイルということもあり、その性能がとても興味深いオイルなわけですが、2021年4月の時点で日本国内に広く流通している状態にありません。BMW承認オイルはいくつか選択肢があるのですが、メーカーによっては日本サイトに情報すら掲載されていないものも多数。今のところ販売されていることがわかったのが、ドイツFUCHSの製品。昨年より、BMW・MINIディーラーを運営している阿部商会が販売しております。

さて、それらのオイルスペックを見ていると、もう少し興味深いことがわかります。まず、API規格は「SN」または「SP」となっています。API規格については以下のサイトに説明があります。

API規格 - Wikipedia

これによると、SP規格については従前のSNに比べ、直噴エンジンのノッキングとタイミングチェーンの摩耗低減性能の試験が含まれているとのこと。言わば、現代のエンジンが必要とする性能を有している証とも言えます。

もうひとつ、ACEA(欧州自動車工業会)が定める規格もありますが、こちらは全ての商品がC5となっています。ざっくり言えば低粘度でGPFを傷めないという内容になっていますが、一方でLL-01のようなオイルと比較すると、LL-01のほうが高温時の油膜の厚さが保たれる一方、GPFを痛める原因物質が多い、ということになります。ACEA規格については、以下のサイトが詳しく解説してくれております。

ACEA規格とは 欧州車向けオイル規格 わかりやすく解説?|高性能エンジンオイルの製造・販売 ミカド商事株式会社
ミカド商事株式会社(ミカドオイル)は、創業100年を超える、ミカド製油の潤滑油開発部門として昭和48年に創業。以来、兵庫県神戸市に拠点を置き、国産高級潤滑油の開発と製造・販売をメインにしております。特に自動車用、二輪車用の高級エンジンオイルの開発に力を入れております。

ここまで調べてみると、現状日本仕様はGPLが搭載されておらず(=GPL保護性能を追求する必要がない)かつ欧州よりも高温でストップ&ゴーが多い日本の道路環境からみるに、LL-17FE+がもたらす省燃費性能と高いGPF保護性能よりも、高温におけるエンジン保護性能を重視し未だに古い規格のLL-01が使用され続けている、と考えるのが自然でしょうか。

BMW承認は謳われていないけど、たぶんイケるのはコレ

トヨタ・スープラ(エンジン)

じゃあ、日本国内では容易にLL-17FE+の性能を体感することができないのか、という点については『もしかすると…』の方法があります。それが、トヨタGRスープラ用のエンジンオイルを使用するという方法です。と、いうのも、GRスープラの中身はBMW。エンジンについては兄弟車であるBMW Z4と同じB58型が搭載されています。このエンジン、BMW側ではLL-17FE+が推奨されるものになるため、いわばGR Supra専用となっているトヨタ純正オイルもLL-17FE+と同様の性能を有していると考えて差し支えないのでは、と考えます。

Amazon出品商品は5Lで8,900円という価格。ディーラーで買うLL-01よりもはるかに安いプライスです。これなら試してみても良さそうだなぁ。

コメント

  1. HOPE より:

    なかなか難しい話で読むのに時間がかかりました。それでもすべて理解はできてませんが。
    そこで気になったのが、私がお世話になっているクルマ屋が使っているオイルは何か?ということ。早速調べてみました。と言っても私のR52ではなく、ちょうど車検を終えたばかりの妻のR55のオイルですが。

    フックスのスーパーSYN 5W-40でした。阿部商会のページを見てみると、推奨BMWロングライプ98とあります。LL-01よりも古い98ということですね。

    まぁ正直よくわかっておりませんが、クルマ屋から受け取った明細にそう書いてあったので、へんてこなオイルではなさそうでちょっと安心しました。
    そんなんじゃ甘いかな??

    • Hokkai_K2O Hokkai_K2O より:

      R55(プリンスエンジンN13/N16/N18)の場合はLL-01FEが推奨になり、0W-30になるようです。LL-01もOKのようです。低燃費エンジン向けオイルと言っても良い柔らかいオイルですね。

      もっとも、R50系統のトリテックエンジンに比べてプリンスエンジンはオイル関係のトラブル(オイル下がり)が多いようなので、ある意味で硬い5W-40で予防してくれているのかもしれませんね。

      • HOPE より:

        なるほどオイルひとつでもいろいろあるわけですね。勉強になります。

        そこで気になるのは、やはり私のR52にはどんなオイルが入れられているのか、ですね。明細を見てみたら、妻のR55と同じでスーパーSYN 5W-40でした。まったく同じ。

        さすがに町の修理屋さんでR52とR55に違うオイルを使う、なんてことはなかったです。輸入車整備を得意にしている修理屋なので、もしかしたらとちょっと期待してたのですが、まぁそんなもんでしょう。

  2. ま〜@ より:

    どうしてトヨタGRオイルに行きついたのかは不明ですが、多分ダメなのでは?

    どうせならACEA C3オイルの方が良いと思います。
    DPF/GPFのフィルターを詰まらせる原因となる灰分が少なめのMid SAPSと呼ばれるカテゴリーのオイルです。

    BMW純正ならTwin Power Turbo 5W-30 “LL-04”ではないかなぁ。
    “LL-01”は灰分が多めなはずなんですよ。Hi-SAPSオイルなので。

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