イギリスClassic and Sports Carサイトにて、初代BMW MINIの中古車バイヤーズガイド記事が掲載されておりますので紹介。AUTOCAR JAPANサイトにも日本語訳記事が掲載されていますので、合わせて紹介。
紹介されている定番トラブル
オーナーの方は読めば『そうそう!そうなのよ!』と嘆く内容かと(笑)と、いうことで、この記事を元にR50オーナーだった頃の記憶を辿りながら、R52をどうしていこうか思考していきます。
やはり触れられているのが冷却系とCVT、ロック機構、パワーウィンドウ周辺。これは私もほぼ経験済み。というか、やっぱり本国イギリスでも同じ所壊れるんだなぁと妙に安心したという・・・。
冷却系
冷却系はサーモスタッドハウジングやサーモスタッドそのものの故障が記述されていますが、私の場合は↓コレ
はい。記事のとおり、ぶっ壊れた経験者です。新車購入から2年半で壊れました。このサーモスタッドですが、部品の品番が数回変わっていることや、OEM品の流通があるということが色々な『何か』を物語っているのでは・・・と思います。パーツ自体はさほど高額ではないのですが、過去記事のとおり取り回しが複雑でエアが抜きづらい構造ゆえ、交換が面倒=工賃がかかる作業のひとつ。
ドアロックとパワーウィンドウ
パワーウィンドウについては3回壊れてます(笑)2回はレギュレータ関係、モーターも1回交換しました。これもまた定番トラブルのようで、OEM品も用意されています。パーツカタログ上では2006年5月生産モデルから部品が異なるので、間違えないようにしなければ。
ドアロックも故障を経験。アクチュエーターの故障で集中ロックが稼働しなくなったパターンでした。こちらはOEM品がなく、純正品しか存在しませんが、部品代自体は驚く額ではありません。
もしパワーウィンドウとドアロック、両方とも調子が悪いときは一気に両方とも予防交換してしまったほうが良いかもしれません。
『ロック』といえば・・・給油口も壊れました。
ミッドランドMT
C&Sの記事ではさらっと触れられていますが、前期型に搭載されているミッションの故障についても経験あり。ただ、紹介されている事例とちょっと異なりますが。
今更ですけど、やっぱり耐久性に難ありだったんですね。
私の事例では、ミッション自体が壊れたわけではなく、クラッチのレリーズベアリングがバラバラになり、ミッションケースを破壊して全部ダメになった、という事例。従って、ミッション自体は10万キロ近く耐えていたということです。もともと変速時の引っかかりが多かったこともあり、比較的短いサイクルでミッションオイルを交換していたのが良かったのでしょうか。
電動パワーステアリング
パワステも泣き所のひとつ。
1回目のパワステ故障の記事は『諸事情があり書いていない』のですが、パワステが死んだ時のステアリングの重さは半端じゃなかった記憶はあります(というか、運転できないレベル)高速走行中に発生すると、かなり怖いことになるんじゃない?と容易に想像できます。
パワステが故障する原因のひとつとしてよくあるのが、上記記事の写真にもあるパワステポンプ冷却用ファンが死亡することにより、ポンプが過熱し破壊されるという、ひたすらにショボいやつ。
記事にもあるとおりですが、このファンはエンジンルーム下部に路面向きに設置されているわけですが、初期はファンを保護するためのカバーもなかったことから、よくファンが破壊されてパワステも死亡するという哀れな不具合が頻発。その後、ファンに異物混入を防ぐカバーが設置されるようになったのですが、結局、対策品も壊れた実績。
『熱に弱い』のは確かですから、必要以上に負荷をかけるような走り方は御法度と言われています。特に負荷がかかるのが、制止時にステアリングを動かす『据え切り』です。良心的なディーラーであれば『据え切りは絶対しないでください!』と一言アドバイスをくれたりします。
冷却ファンやパワステポンプ自体はOEM品やリビルド品が多数流通していますが、それでも相当な価格。可能な予防策としては、冷却ファン自体がちゃんと稼働しているかどうかを定期的にチェックすることが良いかと思います。
その他
記事中にもトリテックエンジンは頑丈だ、という記述が見受けられますが、これは納得。R56以降のエンジンはしばしばブローやオイル下がりなど、結構重症なトラブルの話をよく聞きますが、初代のエンジンがブローした、という話は聞いたことがない。凡庸なエンジンなんですけど、頑丈さは特筆すべきかなぁ。
記事にないポイントでよく壊れる箇所としては、ドアミラー開閉、フロントストラットのアッパーマウント、エンジンマウント、Vベルトとベルトテンショナーあたりが該当すると思います。また、バッテリーも車検ごとに交換したほうが良いパーツで、弱ると車両全体がおかしくなります。
あと、地味な『不具合』としては、エアコンのエバポレーターにカビが発生し、エアコンが臭くなるやつ。高温多湿な日本ならではの不具合でしょうか。これはエアコンフィルターの交換や、ヒーター全開送風MAXで10分ほど放置でカビ死滅といった方法がありますが、私の場合は一度エバポレーターの洗浄を実行しましたが、かなり効果があったことを付け加えておきます。
大物部品の故障としては、エアコンコンプレッサーの故障、オルタネーターの故障がありますが、どちらも経年劣化で故障するもので、特段弱い部分ではありません。今ではOEM品も中古部品も充実してきていますので、比較的安価に修理が可能になっていると思われますが、かつては両方交換すると30万円コース、と言われておりました。
R50系MINIは、出来ない子なのか?
結論から言えば、ですが・・・かなり出来ない子です。
MINIがデビューしてから数年間は『故障も愛嬌です!』なんて論調もありましたけど、今振り返ってみたらこんなにアホほどあちこち壊れるクルマが『良いクルマです!』なんて真顔で言うものじゃないなぁって、真剣に思います。『壊れない』に越したことはありませんから。しかも、同じ箇所が何度も壊れるなんて、普通の感覚からしたら欠陥じゃねぇかよ!ってツッコむどころの話じゃありません。
その上正規ディーラーで修理するとなると、さっぱり安くないパーツ代金に加え、これまたさっぱり安くない修理工賃がドンとのしかかります。ディーラーに入庫するたびに『新型は壊れません!買い替えましょう!』と勧められるオマケつき。
あなたがもし、正規ディーラー以外で修理が難しい環境にいるのであれば、R50系は全くオススメできません。本当に金食い虫以外の何者でもありません。
しかしながら、全世界でよく売れた車種ということもあって、デビューからもうすぐ20年近く経過するクルマであるにもかかわらず、OEMパーツは潤沢に流通していますし、リビルド品・中古品も多数流通しているため、自分で直せる技術がある方や、廉価に修理が出来る整備工場と付き合いがある方であれば、これほどにオイシイクルマはそう無いんじゃないかなぁ?と思います。
と、こんな記事を書きつつ、納車待ちのR52は未だに納車日確定せず。パワステあたりに不具合が見つかり修復中とのことなんですが、いつ来るんだ。。。
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