R52復活計画|ソフトトップを直す 其の弐

MINI R52
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下調べ不足で、結果壊れていなかった部品まで壊して万事休すが前回のお話し。改めて、ざっくりの流れを振り返ります。

  1. 整備手順を理解し切っていない状態で作業開始
  2. 本来必要のなかったソフトトップスライド機構をはずそうとして、キャンバストップのドライブユニットの手動操作用ネジを破壊←これが間違いの始まり
  3. 何とか回す方法がないかと思い、上記モーター分解
  4. 分解→再組立したが、中のギアが損傷→結果、動作不良を引き起こす
  5. 更に上記プロセスを行った際、左右のスライド機構の位置がズレた
  6. ソフトトップのスライドもうまく出来なくなり万事休す

複雑で低品質なのは確かなんですけど、この原因は自らつくったわけです。流石にモチベーションがガタ落ち。もう諦めようか・・・と思うほどでした。けど、スライドがおかしい状態のままにしておけない(ずっと隙間を目張りしておかないといけない 笑)ので、渋々ですが修理続行。

適合しない部品へひと工夫

まず、どちらにせよ完全に破損しているロックフックを交換しなくてはいけません。が、前回記事のとおり、もともとついているロックフックと、購入してきたロックフックの形状が異なり、そのまま装着することはできません。

対処策としては、車体受け側の形状を変える=追加で部品購入するか、ロックフックの突起を取ってしまう方法の二通り。色々考えましたが、低予算で修理するコンセプトですから、後者の方法にトライします。

このように、ロックフック先端の形状が異なります。

ロックフック自体はかなり強度の高いメタルが使われており、もともとのパーツと同じような形状にすることは極めて困難。ただ、突起だけは軟鉄(アルミ?)が使われているので、金鋸を使えば切除することが可能です。というか、たぶんそれを前提にわざわざ素材を変えている作りにも見えます。

金鋸で5分ぐらいギコギコして→バリをヤスリ掛けして完了です。もともとのロックフックと形状が異なったままですが、これでも稼働に影響ないので無視してOKです。

スライド機構のズレを元に戻す

次に、位置がズレてしまったスライド機構を元通りにします。と、説明したいところなのですが肝心の写真を撮り忘れてしまいましたので・・・お茶濁しに整備マニュアルから画像を拝借します。

引用元:https://www.newtis.info/tisv2/a/en/r52-cooper-cab_200408/repair-manuals/54-slide-tilt-sunroof-soft-top/54-34-power-convertible-top/3VI1cJb

まず、ソフトトップファブリックを一部車体から外す必要があります。手順としてはさほど難しくはないのですが、いざ作業しようと思っても、思い通りに外れてくれません。特に難儀したのが、ソフトトップ前方のこの箇所。U字型の出っ張りにツメを引っかけて装着されているのですが、これがなかなか車体から外れません。

何とか手をあちこちから回してフックを外しましたが、何個かはどう頑張っても外れなかったため、その箇所は諦めてニッパで切って外しました。(実用上は数カ所固定がなくても大丈夫と思いますが・・・)劣化なのか、もともとの仕様なのか・・・。まぁ、そのうちファブリック自体も新品にしたいと思っていますので、気にせず作業を続けましょう。

引用元:https://www.newtis.info/tisv2/a/en/r52-cooper-cab_200408/repair-manuals/54-slide-tilt-sunroof-soft-top/54-34-power-convertible-top/3LxHuFc

ファブリックを外し、フロントボウも左右2箇所のネジを外せば・・・ようやくスライド機構がフリーになります。あとは力技で位置調整です。

ロックフックを交換する

しつこいようですが、手順のおさらい。

  1. ソフトトップを一番後ろまでスライドさせる(※この時点ではロック解除されない)
  2. 窓が全部下がって折りたたみモードに移行するところまで動かす
  3. トランク左側にあるソフトトップ油圧ユニットを手動動作モードにする
  4. ソフトトップ先端のロックをドライバーなどで強制的に解除する
  5. ソフトトップフレームとクロスバーのロッキングフック(※注:ソフトトップ先端のロックとは別モノ)をドライバーなどで解除する
  6. 手動でソフトトップの『折りたたみ』が出来るようになるので、途中まで折りたたむ
  7. ガイドレールパネル(部品10)・ガイドレールインナートリム(部品9)・フロントシールを外す
  8. 目的のロックユニットを取り外す(部品15および部品18)
  9. ロックユニットはソフトトップ先端に1箇所、リンクの中間あたりに1箇所、部品15の固定用に2箇所ネジ留めされています

難しく感じますが、超絶ざっくり要約すると、幌油圧ユニットを手動モードにして→ソフトトップが折りたためるようにロックフックを外し→手動で幌を動かして→ロックフックを交換、という流れです。手順間違えなければ1時間もあれば作業完了するはずです。

で、上記リストの(5)以降については、こんな感じ。

この写真では場所がわかりづらいですが、Z字型フレームの折れ曲がる場所にC型のロックがあります。これをドライバーなどでぐいっと押してやると、手動で折りたたみ動作ができるようになります。

ガイドレールパネル、ガイドレールインナートリム、フロントシールのネジ留めを外します。フロントシール(上記写真では真ん中に鎮座しているゴム部品)は完全に外れませんので、少し動かして作業することになります。

ロックユニットを外します。先端1箇所、リンクの中央部分に1箇所、それから機構スライド用のガイドを2箇所外すと外れます。これが終われば、最終動作確認して終わり・・・になるはずですが、ドライブユニット故障のため、まだ検証が終わっていません・・・。

ぶっ壊したドライブユニットを再調達する

さて、壊してしまったキャンバストップのドライブユニットを交換する必要があるわけですが、新品価格を調べたところ$244.33だそうです・・・。国内価格は調べていませんが、おそらく5万円は優に超える価格であることは想像に難くありません。当然、そんな予算が承認されるわけありませんので、中古品を探します。

ちなみにですが、このユニット自体が途中で品番が変わっており、適合も2005年4月以前のモデルとそれ以降のモデルで区分けされています。我が家のR52は2005年4月以前製造モデルなので、本来は旧品番のユニットを使うべきなんでしょうが、既に生産終了となっています。パッと見た限り、それぞれの差異がないように見えましたので、新品番のほうをチョイスします。

が、よく利用するヤフオクには、ソフトトップ油圧ユニットの出品はぼちぼちあるものの、キャンバストップドライブユニットの中古品は皆無。そもそも絶対数が少ない上に、レアパーツなのでちょっと絶望的。

と、いうことで・・・海外オークションサイト(eBay)から調達してみます。探してみたところ、イギリスにてリビルド品が買いやすい価格で販売されていたのでそれを購入しました。

https://roofmotors.co.uk/Mini/bmw-mini-convertible-r52-sunroof-motor-unit-2004-2008-67616961172-

↑直販サイトもありました。説明読むと、保証付き。頼もしい。ただ『ちゃんと潤滑しないと壊れる!潤滑処理してなかったら保証対象外!』と書かれています。やっぱり潤滑切れは最大弱点なのね。6月いっぱいには届くと思いますので、届き次第、作業します。

コメント

  1. HOPE より:

    R52乗りです。CVTですが。中古で購入後、9年目になります。

    私のクルマも左右ともロックフックが破損していますが、ここ数年はトップを開けることもないためそのまま乗っています。ですので常にルーフ先端がきっちり閉まっていない状態で良くないです。

    R52の情報ってあまりネット上にないですよね。
    なので最近こちらのサイトを見つけ、非常に興味深く拝見しております。

    ところでソフトトップ下のモールの状態はいかがですか?ずっと以前からなんとかならないかと考えていますが、手を付けていない状態です。

    • アバター画像 Hokkai_K2O より:

      コメントありがとうございます!
      現存する個体も徐々に減っているのか、熱心なオーナーは既に乗り換え済みなのか、あまり情報がありませんね・・・。
      海外サイトを翻訳ツール駆使して情報収集していますが、難儀しています。

      ソフトトップ下モールですが、案の定劣化しています。テールのハイマウントストップランプが付属している箇所はまぁまぁの状態(もしかすると、1度交換されているかも?)ですが、
      サイド部はあちこち切れてしまっています。パーツ代もえらく高いので、テープか何かで応急処置的を考えています。

  2. ぽん より:

    R52乗ってます。
    幌の調整?が分かりません。
    全開で、ロールゲイジに当たってしまいます。
    幌が破けてます。
    以前のブログで幌を外して、2本のねじを外しあとは、力技と書かれてましたが、詳しく教えてもらえないでしょうか?

  3. ぽん より:

    R52に乗ってます。

    オープン時にロールゲイジにあって、幌が破けてます。
    ブログにあった、スライド機構の調整を詳しく教えてほしいです。
    ネジで調整できるのでしょうか?
    また、力技の手順も、教えてほしいです。
    宜しくお願い致します。

    • アバター画像 Hokkai_K2O より:

      コメントありがとうございます。

      現在手元に実車がないのでアドバイスしようにも記憶辿るしかないのですが…
      スライドの調整はネジで出来る構造ではなかったはずです。恐らくですが、サンルーフ機構の潤滑が切れてしまっているのではないかと思います。ちゃんと潤滑出来ていれば、幌が正規の位置まで引き込まれるはずです。

      あと、上記TISが閉鎖されてしまい情報確認が困難になってしまいましたが、規定の手順で作業しないと余計に壊してしまう可能性が高いと思われます。国内での情報はほとんど皆無ですが、YouTubeに整備の模様がアップされていますので、そちらで確認されると良いかと思います。

      個人的には、ですが
      部品代も決して安くない上に機構が複雑なので、プロショップでの診断を強くオススメします。私は自分でやってみましたが、未だに完治していません。

  4. ぽん より:

    返信ありがとうございました。

    素人には、無理っぽいですね。
    とりあえず、稼働部をグリスアップしてみます。

    何か、情報がありましたら宜しくお願いします。

  5. ユウジ より:

    はじめまして、R52乗りです。オープン出来なくなり調べた所助手席側のフックのプラスティック部分が割れていました。運良くヤフオクで部品調達できましたがフック形状も3種類あるようでもともと付いていたものは、形状同じの突起無しでした。(購入品は突起有り)
    削って使えそうなのでひと安心です。交換手順参考にさせていただきます。何かその後進捗ありましたらアップ楽しみにしています。感謝!

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