先日1年定期点検を受けたばかりの我が社のF60ですが、時を同じくしてロードノイズに違和感を感じる場面が。「まぁタイヤの残り溝も4mmを切ったところだし、うるさくなってきたのかなぁ」なんて思っていたのですが、日に日にノイズの聞こえ方がおかしくなってきました。
具体的には通常の『ゴーーーーーー』というノイズではなく、バタバタと波打つノイズに変化してきました。ステアリングへの振動伝達・ブレはあまり発生していないので、ホイールバランスの狂いではなさそう。速度に比例して音の波長が早くなるので、もしかしたらホイールベアリングか?とも思いましたが、低速域は全く発生せず50km/h以上で目立ってくることも考えるとそのセンではなさそう。
もうひとつ気になったが、新品タイヤ時にはあまり発生していなかったワンダリングが大きくなってきたこと。20インチのタイヤ・ホイールを履いたX2に慣れているので私はあまり気にしない(勝手に補正して乗ってる)のですが、F60に乗って長距離移動してきた取締役Aからこんな申告が。
ハンドルの取られっぷりがすごくて、怖くて乗れない…
というか、雨の日の高速道路がヤバイねぇ
ワンダリングはアレとして、雨の日の高速走行がよろしくないという声。聞けば相当な豪雨に遭遇したようなのですが、直進なのにDSCが発動していたという話。ん?まぁ確かにタイヤの残溝は怪しくなってきたとは言えそんなことあるのか?と。
で、プロに診てもらおう!ということで、アライメント計測設備のある近所の某タイヤ店に駆け込み。
鈍感とはこういうことか、な結論。
まず装着タイヤの残溝をチェッカーで測ってもらったところ、タイヤ内側・中心・外側の残溝が1mm以上異なることが判明。内側が高く中心と外側が低い。言うなれば『相当な片減り』を起こしている状態でした。しかも前輪だけでなく後輪までそんな様子で、結果すべてのタイヤが片減りを起こしています。片減りの原因はいろいろあるでしょうが、一番考えられるのがアライメントの狂い。総走行距離が6万キロを超えていますから、ブッシュの経年劣化で変化している可能性はあり得る。じゃあどれぐらいズレてるかを見てみようってことで、そのまま測定へ。
その結果、フロント左右のトーが+00°22’/ー00°06’、リアが+00°07’/+00°00’という結果。キャンバーは規定値より少し立ち気味、スラストは正常、キャスターは許容範囲内ですが左右でズレがあるという結果。ということで、即調整してもらうことに決定。なお、F60はトー角のみ調整可能、キャンバーについてはリアは調整可能・フロントは角度調整されたスイベルベアリングを交換することで調整できるようになっています。
調整してもらう
フロント | 調整前 | 調整後 | 基準値 |
トータルトゥ | +00°16’ | +00°13’ | +00°12’(±12′) |
個別トゥ | +00°22’/-00°06’ | +00°06’/+00°06’ | - |
キャンバー | -00°28’/-00°35’ | -00°23’/-00°34’ | -00°43’/ (±30′) |
リア | 調整前 | 調整後 | 基準値 |
トータルトゥ | +00°07’ | +00°19’ | +00°18’(±12′) |
個別トゥ | +00°07’/+00°00’ | +00°09’/+00°10’ | - |
キャンバー | -01°32’/-01°48’ | -01°48’/-03°13’ | -01°45’(±25) |
調整結果が↑コレ。トーは綺麗に揃いました。ただ、リア右側のキャンバー調整後の値がぶっ飛んでいるのが気になるところ。見た限りそんなに角度がついている様子はないんだけど…?
しかしトーがこんなにズレていたとはさっぱり気がつきませんでした。取締役が言う直進安定性の悪さはトーのズレによるタイヤ偏摩耗が要因だったのかもしれません。ただ、アライメントが直ったからと言って片減りしたタイヤが元通りになるわけではありませんので、このタイヤはお役御免です。
総走行距離を考えると今後はブッシュ劣化によるアライメント狂いがどんどん進行するでしょうから、注意深く観察するしかありません。さすがに偏摩耗でタイヤをダメにするのはあまりにももったいないので、今後はもう少し気にかけるようにします。ちなみに、今回は近所の某タイヤ店で作業を行いましたが、参考までに正規ディーラーでアライメントは実施できるか聞いてみたところ、外注しているので直接そこに依頼すると良い旨アナウンスされました。
2022年追記:アライメント調整に対する疑問
と、アライメント調整は順調に終わったような内容でしたが…実は2回作業を行いました。
1回目は記事にあるとおりで近所の某タイヤ店に電話で相談+空きあるか確認し→即日作業を実施してもらったのですが、完成後にステアリングセンターがズレていることに気がつきます。一寸、タイヤが偏摩耗しているから仕方がないのか?と考え、数日後にスタッドレスタイヤに履き替えたのですがやはりセンターがズレています。
予約なしの飛び込みで入ってやってもらった手前、多少の指摘しづらさを胸に抱きつつ上記の施工店に相談したところ、無償で再調整を行ってくれるとのこと。その結果、センターズレは解消されました。ですが今度は右後輪のキャンバーが基準値から大きくズレた数値になっています。流石にもう1回やり直せ!という気力もなくなってしまい色々と考え込んでしまったわけで、結論、そのままにしています。
考えられる要因はたくさんあります。ネット上にはそもそも偏摩耗したタイヤでアライメントを調整すること自体が御法度という記述も見受けられます。それに、中古で買った個体ですから自分に記憶がなくとも前オーナーが足回りをヒットさせた可能性もあります。それに、あくまで作業したのはその辺のタイヤ量販店。決して信用していないワケではありませんが・・・。
(オマケ)タイヤの状態はこんな感じでした
役目を終えることとなったサマータイヤはこんな感じ。
パッと見ではまだいけそうな様子があるのですが、実は4本とも摩耗具合が大きく異なります。2本はイン側が偏摩耗、もう2本がアウト側が偏摩耗傾向に。
アウトサイド側が大きく偏摩耗している個体。写真では判りづらいのですが、ショルダー部分が完全に波打った状態になってしまっています。ノコギリ歯状の段差も出来てしまっています。走行時にバタバタと音を発していたのはこれが原因でしょう。
こちらはイン側が偏摩耗している個体。アウトのショルダー部分はだいぶ残っていますが、センターあたりがうっすらくぼんでいます。空気圧管理はけっこうマメにやっていたはずなんですけど・・・
これも写真では判りづらいですが、アウト・センター・インの減り方が均一になっていません。
もう少し定期的にローテーションを施しておけばここまでにはならなかったと思いますが、どちらにせよアライメントがメチャクチャになっていた結果がこうなるとは・・・。高い勉強代になりました。
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