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さて、保険関係のあれこれの方向性が決まってからは、車両の損害額の査定と、それに伴う保険金の請求が待ち構えています。これについても、考えることが山ほどでした。
JCWの被害について
事故現場での自車の様子を見るに、MTミッションが何らかのダメージを負っていることは想像していましたが、ディーラーへ搬送後原状回復費用を見積もったところ、概算で291万円を超過することがわかりました。時価額の50%以上の修繕費となるため、この時点で全損確定です。また、外板だけでなく、ミッション等の機関部品にも損傷があるという認定をされたため、新価特約の対象になることも確定。
もっと正確に言うと、ボンネットフードが車体に食い込んでしまっており、エンジンルーム内の損傷は見積もっていないとのこと。見える範囲の損傷だけでも291万円。もし、詳細な見積を出したとしたら、もっと損害額が積み上げられていくということです。(※これについては後日談あり)
この時点で条件確定。
- A社保険ではJCWの損害はカバーしきれない
- 結果B社保険からも補償を受けることとなるが、新価特約を使う(買い換える)か、全損扱いで協定保険価額を受け取る(廃車にして終わりにする)選択が必要となる
全損になってしまったのは悲しいですが、もしこれが分損扱いになったとしたら、バッチリ修復歴アリ車で大幅な格落ちとなってしまう損傷だったため、ある意味ではホッとしました。
残価設定型ローンの落とし穴
さて、この時点でひとつハードルが・・・
というのも、私のJCWはMINIバリューローンを利用して購入していたため、再購入するにしても、廃車にするにしても、残債は一括精算する必要があります。
その理由としては、JCWの所有権はローン会社であるBMWジャパンファイナンスにあるため、承諾なく抹消手続きや所有権移動が出来ません。それらをするためにはローン残債を一括整理することが最低条件となるからです。もし、一括返済が出来ないのであれば、ローン会社と協議の上、車両を廃車処理した上で残りの残債を支払うことになります。言わば、もう存在しないクルマのローンだけずっと支払い続ける、ということですね。しかも大抵の場合、残価を有利に設定しているパターンが多いでしょうから、多額のローンだけ残る、ということもありえます。
最近は、クルマ購入時に残価設定型ローンを使用する人の割合がすごく高くなっているそうですが、一方でこの辺のリスクについて、ディーラーやセールスからあまり積極的に説明がされていないのではないかと思います。もちろん、その潜在リスクをきちんと理解し、上手にローンと付き合う方も少なくはないと思いますが、認識がない方は改めてそのリスクを理解しておきたいところです。
残クレには手厚い保険契約が必須!
私の場合、今回のようなことが起きても大丈夫なようにと思い、車両保険関係を手厚く設定しておいた訳ですが(その分保険料は高額でした 笑)結果としてそれに救われることに。
仮に、全損扱いで廃車にする選択をしたとしても、残債は1円も残ることなくきれいさっぱり消え去ることになりますし、新車入替をしても、いったんJCWのローンは完済できます。具体的には、
- 全損にする:支払額は『協定保険価額:395万円』
ローン残債を一括償還して終わり。残額は手元に残る。
ただし計算上、新車購入時から今に至る約3年間支払ったローンはドブ銭と同然。 - 入れ替える:支払額は『新車相当価額:515万円』
支払保険金からローン残債を一括償還した上で、新たに同額のローンを組むことになるが、残債額と新価保険金額で支払われる額の差額が次車の頭金に振り替わる。
もし、私のように残クレで新車購入している方(または検討されている方)は、やはり将来起きうるリスクをしっかりと考慮し、車両保険を手厚く掛けておくのはもちろんのこと、新価特約にもしっかりと加入し、『全損になってローンだけが残る』といったことに陥らないようにしておく必要があると思います。
なお、今回の場合は全損扱いとなりましたが、これが分損扱いだったとしたらますます地獄。修復歴が付いてしまうような損傷だった場合、格落ち(評価減)は避けきれず、結果として残クレ特有の『X年後に車両返却で追加支払い0円』という選択肢が実質不可能になります。修復歴による具体的な追加負担はメーカーやローン商品によって異なりますが、場合によっては返却を拒否される可能性もあります。
全損と入れ替え、どっちが有利なの?
上記のとおり、保険金としてもらえる金額だけを見ると、入れ替える=新価特約使ったほうが良いという判断になりがち。しかし、ローン残債という目線で見ると、1円もローンが減らないという事実。
我が家の場合はもう1台(パサート)があること、JCWはほぼ3年間でたった1万キロしか乗れなかったこと、今のライフスタイルにJCWがマッチしないことを考えると、いっそのこと全損にしてしまい→ローン残債を消し去り『きれいさっぱり状態』になることも選択肢になり得ます。
ということで、この時点では、
『新価特約を使わず、全損で終わらせてしまおう!』と考えました。
残クレまとめ
端的に言えば、残クレ購入者は絶対に事故に巻き込まれてはいけません。あくまで、他人の物を借りているのと同等と思った方が良いのです。極端に言えば、運転に自信の無い方は残クレで購入するのはお勧めできません。
一方、事故は自分が原因で起こすものだけではありません。信号待ちで追突されるようなもらい事故もあります。その場合は、しっかりと相手側保険会社と交渉をして、評価減となる部分の損害をどうしてもらえるかを示してもらうことが肝要になるでしょう。
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