社用車選び|スバル・フォレスター

レンタカー
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XV、アウトバックに続き、フォレスターも『改めて』どんなもんか?と思いトライアル。兄弟車でありキャラが若干カブっているXVと比較しながらまとめてみました。

車名:スバル フォレスター Touring
年式:2019年式(アプライドA)
エンジン:2.5L 4気筒DOHC直噴水平対向エンジン(FB25)
駆動方式:AWD
ボディカラー:クリスタルホワイト・パール(※有料色)
主なオプション:キーレスアクセス&プッシュスタート、運転席&助手席8ウェイパワーシート、アイサイトセイフティプラス(運転支援・視界拡張)
タイヤ:ブリヂストン DUELER H/P SPORT 225/60R17

今回乗ったのは4グレードあるうち一番下位グレードなのがTouring。廉価グレードと言えども必要十分な装備は備わっており、いわゆる『価格訴求という名の罰ゲーム』グレードになっていない点は良心的に思います。恐らく、用意したところで売れないからなんでしょうけど。

なお、現行フォレスターの特徴としては、兄弟車であるインプレッサからスタートしたSUBARU Global Platformが採用され、ボディ骨格から刷新されています。それよりも特徴的なのがエンジンのラインナップ。先代は2.0Lの自然吸気エンジン(FB20)とターボエンジン(FA20)の2本立てでしたが、現行モデルからFB25とe-Boxerの2本立てに変更。ハイパワーモデルは廃止されてしまいました。同時に、先代には存在したMT仕様も廃止。歴代モデルで必ず用意されていたターボ×MTの組み合わせがなくなったという点では、大きな方針転換と言えるのかもしれません。

メイン市場であるアメリカのニーズに応え、モデルチェンジする度にどんどん大きくなるボディサイズですが、このモデルでも少しずつボディサイズが拡大。これはインプレッサも同様ですが、初代のサイズ感からはかけ離れてしまっているのは、ライバルであるトヨタ・RAV4、ホンダ・CR-Vと同じですね。(でも最近は、BセグSUVも脚光を浴びだしていますが・・・)

エンジン・パワートレイン・・・いつも通り

XVとの明確な違いはまずパワートレインが全く異なる点。こちらは2.5Lエンジンが搭載されている点は前述のとおり。そのFB25エンジンについては、先日借りてきたスバル・レガシィアウトバックにも搭載されているものと同じ型式ですが、フォレスターに搭載されているものは直噴化された最新型。圧縮比が10.3から12.0まで高められたものとなり、スペックも出力129kW/5,600rpmから136kW/5,800rpmへ、最大トルクも235Nm/4,100rpmから239Nm/4,400rpmへ上昇。遅い感はあまりなく、相変わらずフィーリングの良さは上々です。

CVTのフィーリングについては、レガシィで感じた『おっとり感』よりかは、キビキビ感のある設えになっております。それ故か、発進時の唐突感(良く言えばレスポンスがよい、悪く言えば乱暴)が少し強めに感じる部分があります。私の乗り方としては、発進時はスッとおだやかに走り出して→20〜30km/hぐらいからスピードを乗せていくように走らせるのですが、その過程の中で、ギュン!と動く瞬間がちらほら。それでも、以前のモデルよりはかなり良く出来ています。

ちなみに、燃費はいつも走るルートで、メーター計測12〜13km/hという結果。決して悪くありません。と、いうか上々か。

Advanceはどうだったっけ?

外観はフォグランプまわりやバンパーロアーの装飾、グリル色が違います

以前、e-Boxer(FB20+モーター)を積んだAdvanceにも数日間乗りましたが、そこまで強力なモーターが搭載されているわけではないので、薄く後押ししてくれるような印象に終始していましたが、それでも上記の高速クルージング中の加速では効果を感じることが出来たように思います。なお、噂では今年秋にアプライドC型へ切り替わるタイミングでFB25搭載車がディスコンするとのこと。もしかすると、レヴォーグに搭載される1.8L直噴ターボエンジンに切り替わるのかも?

インテリア・荷室

安定のスバル感(悪い意味で)

それにしても、ですが・・・歴代ずっとそうなんだけどインプレッサとほとんど変わらない内装なのはこれで良いのでしょうか??どんどん大型化・高級化していく車格を考えれば、独自の内装に設えてくれてもいいような気がするんだけど、と常々思います。ちなみにですが、TouringとX-BREAKグレード・PremiumとAdvanceグレードでエアコン操作部と、シフトレバー手前左側のスイッチの意匠と配置が若干異なります。

シートの出来としてはXVと同じく、長距離走行でも疲労が蓄積しにくいように仕上がっていると思います。なお、Touringは通常のファブリックシート。もしかすると、上位モデルに設定のある本革シートだった場合、レガシィの時に感じた『表皮が張っていて滑る』感があるかもしれません。出来れば、ウルトラスエード表皮のシートを搭載したグレードがあってくれれば言うことなし。

XVとの違いは後席の居住性が上げられます。ホイールベースは全く同一の2,670mmですが、フォレスターのほうが天井高がある分、広く感じます。XVと比較すると、シートのつくりはほぼ一緒と思いますが、座面の角度がXVのほうが後ろ下がりになっており、こちらのフォレスターは平行に近い角度になっています。

ありがたい装備たち

XVにはない『雪国ありがたい装備』がコレ。ステアリングヒーターです。ONにすると結構な早さでステアリング左右がホカホカになります。これとシートヒーターがあれば、乗車前に暖気運転しなくても寒い思いをしません。・・・X2にも装備したい!!

もうひとつが後席のエアコン吹き出し口と左右席シートヒーター。これは先代から続く美点。それに加えて現行モデルからはリア用のUSB充電端子が。

容量はともかく、使い勝手はスバルでいちばん

荷室。さすがの広さです。対XVで見ると、車両全幅はほぼ同じなのですが、トランク開口部の広さが全然違います。更に言うと、レガシィアウトバックと比較してもこちらのほうが広めに仕立てられています。容量自体はレガシィ(559L)>フォレスター(520L)>XV(385L)ではありますが、使い勝手で言えばいちばんなのはフォレスターと言ってしまって良いかも。

なお、トランク底面を持ち上げるとサブトランクもあります。発泡スチロールのような材質で作られているので、多少汚れたものでもいけそう。

足回り・ハンドリング

乗っていて『オッ』と思うのが、直進安定性が良い点です。車高が高い分、横風に煽られやすいはずなのですが、高速道路の吹流しが横向きになっていても、多少左右に振れつつもしっかり直進していきます。これは足回りの設えもあるのでしょうが、やはり常時4輪駆動であることも有効に働いているのでしょう。

フラット感はXVより薄め

乗り味としては、XVよりも『上下に揺すられる』感覚が強め。車重を考えれば仕方がないのかもしれませんが、ピッチング系の揺れ幅というより、段差のような入力早めの動きで車体が上下に揺すられるのが気になるところ。ダンピングはしっかりしており、ゆらゆら系の動きはしませんが、長時間乗っていると、ドスン系の揺れの連続で徐々に疲れます。これについては、後部にバッテリーを積んでいるAdvanceのほうがフラット感の印象が強く、そちらのほうが乗り心地は良好。足回りの設定が違うのでしょうか?

ちなみに対レガシィで見てみても、あちらは入力早めの振動をいなすダンパーの設えになっていますので、快適さで言えばレガシィに軍配かな。

ハンドリングは悪くないけど

ハンドリングは決して悪くないのですが、パワーステアリングのアシストが強く、ダイレクトな印象がありません。言い換えれば、路面の状態を感じにくい設え。オフローダーな要素も盛り込んだクルマなはずなのですが、この感じの仕上げはちょっと不思議。XVのほうが、もうちょっとダイレクト感あり。ステアリングギア比はXVよりちょっとマイルドめの13.5:1という数値。これでもかなりクイック。

タイヤは好みじゃない

タイヤはレガシィアウトバックにも装着されていたブリヂストン DUELER H/P SPORT。やっぱり、あまりこのタイヤ好きじゃないかも。パターンノイズがかなり大きい上に、やっぱりゴトゴト感がある気がします。ただ、上記写真から見て取れるように、レンタカー特有の『ちゃんとホイールアライメント取らない+軽点とバルブ位置合わせてるだけ』による回転よろしくない問題も、実際あるのでタイヤのせいだけで考えちゃいけないんですが・・・。

安全性

レンタカーで供されるモデルについては、オプション装備をつけているものもあれば、先日のレガシィのように「わざわざ」レスOPをチョイスしているものもあり、レンタカー会社の方針(もしくは、納入する自動車メーカーの都合?)によって変わる部分があるのでしょうが、今回のフォレスターは前者。選べる安全装備については、ほぼ全て盛り込まれていました。

ツーリングアシストの実力?

現行フォレスターは当初からEyeSightツーリングアシストが標準装備されています。先日乗ったXV(D型)のツーリングアシストは制御が多い上に唐突で乗りづらいという印象でしたが、こちらのモデルは制御がおだやかで良好。同じスバルの、同じEyeSightでもこうも仕上がりが違うもんなんだなぁと思ってしまいます。

それを強く感じるのは、車線中央維持機能。XVの場合、唐突かつ強引に修正制御が発動して焦る場面がそれなりにあったのですが、こちらはその動きが激しくなく、徐々に修正していくような動き。「そうそう、これぐらいでいいんですよ!」と心の底から思います。ACC動作中の車間制御も、こちらのほうが上手に思います。で、同じことをレガシィに乗った際も思ったわけなんですが・・・新しいモデルほど制御がキツいってのは、もしかすると何かしらの『方針』があってのことなのかもなぁと勘ぐってしまいます。

地上高の高いフォレスターの場合、通常であればサイドアンダーミラー(キノコミラー)が装備されるところなんですが、それに代えてサイドカメラが標準装備された点は良心的なポイント。ガイドラインも表示されるので、かなり運転しやすくなります。また、オプションでフロントカメラも装備できるようになっており、そちらも装備するとかなり視界がフォローされます。ちなみにインプレッサには装備可能ですが、XVは現状用意なし。

リバース時にはリアソナーのグラフィック表示と一緒にサイドカメラ画像が表示されます。バックモニターはカーナビ装備があれば表示可能。標準では付属しませんし、ファンクションモニターに表示することはできません。

BSMが優秀

オプション装備ですが、ブラインドスポットモニターも。他のメーカーにも同様の装備がありますが、フォレスターのコレは後続車がかなり後ろにいるタイミングから光ります。で、細かい工夫が施されているなぁと感心するポイントとして、光っている状態で車線変更しても、警告を発するとき、発しないときをコントロールしてるようです。やみくもに警告音がピーピー鳴りまくるより、本当に必要なときだけ鳴ってくれれば十分。

また、インプレッサと同じく運転席用ニーエアバッグ・歩行者保護エアバッグも装備されており、安全性の点では抜かりなくほぼ全装備、と思って良いと思います。

まとめ・・・スバル内のヒエラルキーに悩む

クルマとしてのデキという点ではそこそこ良く、地味な内外装を差引けば未だにこのクラスのSUVの中ではかなり良いと思います。ただ、個人的にはすぐ下に存在するXV、そしてすぐ上に存在するレガシィアウトバックの3台の『中間』という点では、非常にチョイスしづらいクルマに思います。実際、走りの点ではサイズが小さいXVのほうが好みですし、ゆったりとしたGT的な乗り味を求めるのであれば、アウトバックのほうが好き。価格面から見ても、XV Advanceが292万円、フォレスターAdvanceが315万円、アウトバックB-SPORTが341万円という価格帯もこれまた微妙なところ。

ただ、XVにもアウトバックにもない『良さ』として、道具としての気配りが優れているのがフォレスター。上の写真は何の変哲もないドアの画像ですが、実は先代から続く乗り手への配慮として、ドアを開けるとサイドのアンダーモール部まで開くようになっています。コレ、雪や泥でクルマの外装が汚れていても、昇降時に服が汚れないようにするためこういう設計になっているのです。SUV専用設計のクルマだから出来る芸当なんでしょう。

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