R52復活計画|番外編・オンボロR52購入は正解だったのか?

MINI R52
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足回りのリフレッシュを経て本来の乗り味に戻りつつある我が家のR52。我が家にやってきた時にはあちこち劣化してボロボロの状態でしたが、約2年弱でようやく自分が思い描く姿へ近づいてきました。その反面、原状回復のためにある程度おカネを使ったなぁということで、これまでの投下コストの記録を振り返りつつ、いろいろと考察してみました。

「ボロいこと」を認識して買った初代BMW MINI R52

『色々と覚悟(&理解)して買ったR52』ですが、結果的に格安車ならではの特徴が面白いほどに山盛りというオチでした。幌が開かないトラブルについては想定以上のハードルがありました(しかもまだ不動状態 笑)が、それ以外は思ったとおりの状況。おおむね、販売価格と劣化具合、それの修復にかかるコストは想定どおりだった、と言ってもいいかもしれません。

素人はどう考えても火傷しかしない格安中古車店

うちのじゃないけど、後ろにいる個体は19.8万円・・・。

以前もネタにしましたが、私がR52を購入した中古車店は低年式過走行車と修復歴のあるクルマを中心に大量在庫している店。改めてその販売店をGoogle検索してみると、クチコミが★1つと★5つが半々の状態でなんともカオスな様子(笑)ちなみにこの販売店、市場価値のないクルマに最低限の整備を施して販売しているキワモノのお店なのは在庫ラインナップを眺めればすぐに気づきます。

で、前述のクチコミのうち「悪い」評価がついているものを眺めていると『購入後に壊れて結局廃車になった!』『次の車検が通るかは運次第』というものが見受けられます。ですが個人的には『販売店が悪質』と思うことはありません。本来はそれなりの値段になる中古車が明らかに安い理由は必ずあることを認識していれば、何もマイナスな感情を抱くことはないはずなのです。ですが、その事実を認識せずに購入することは、すなわち痛い目に遭う・・・ということは間違いない事実と思います。

思い起こせばR52購入の際も、私が思い出す限り『安いなりの理由』の説明を受けた部分は「幌が故障して開かない」ことだけだったと思います。足回りがボロボロで、消耗品も交換されていない。車検に通る最低限のメンテしかしていないのが明らか。唯一、納車前にパワステポンプが死んで→追い金なしで新品ポンプになって納車されたのはすごくラッキーでしたけど(笑

私はR50を所有していたころに散々あちこちの故障を経験してますので、初代BMW MINI定番のウィークポイントを認識した上で購入しています。でも、もしそういったウィークポイントを全く知らずに購入したとしたら『MINIってこんなに走りが頼りないクルマなのか・・・』と思うか、車検時に高額の整備見積が出てきて『どひゃー!』するか、格安中古車店の必要最低限整備を信用し切って故障→廃車にするか。。。どれにせよ、あまり良いことではありません。

どひゃー、の例

格安中古MINIガチ購入記 - 自動車情報誌「ベストカー」

どひゃー!ついでに。

最近、ふと目に入り読んで『うーん』と思った記事をご紹介。某クルマ雑誌のWeb版ですが、格安中古R56 COOPER Sを買っての顛末が掲載されています。むやみに他人様の記事に対し批判的なことを言いたくありませんけど、読めば読むほど酷い内容(笑)

まず初回記事のフックからツッコミどころが満載。少し調べれば車種ごとのウィークポイントはすぐにわかるはずなのですが、このライターさん、格安を人柱的に買うという煽りのくせにあんまり下調べてしてないよね(笑)大物の故障が多いと評判のR56 COOPER Sの前期型を見ずに買っておいて、案の定故障発生率が高いタイミングチェーンの伸びによるガイド破損やバルブシール劣化などの持病を持ち出して『安く買って痛い出費』っていう表現はどういう意図なんでしょうか?「ノートラブルで乗れると思っていたのか?」と突っ込みたくなります。それとも、私が理解できない別の意図でもあるんでしょうか。まぁ、ベ○トカーだから(以下略

じゃあ、説明があったら安心なのか?

話を我が家のR52に戻します。店頭で実車を見た際、誰がどう見てもボロボロでショボい姿で売りに出されていた個体だったわけですが、一方で『これは誰がどう見てもお手入れしていない』個体だということが一目でわかる状態でした。

ナンバーがついていませんでしたので公道試乗が出来ませんでしたが、構内移動レベルの動作確認はOK+好きなだけ眺めていってもらって構わないというある意味放置接客。その言葉どおり、クラッチの状態やパワステの状態を極低速走行で確認したり、ぱっと見でわからない箇所の状態をあちこち30分ほど眺めたり。で、結果『やっぱり結構ボロいですねぇ~』なんて感想に終始するというオチ。でも、個人的にはそういう接客のほうが気が散らないのでありがたかったりします。ボロいクルマにセールスポイントなんて、あるはずないですから(笑

この販売店の話題でもうひとつ。当時、購入したR52の他に数台のR50・R53が陳列されていたのですが、ちょっと離れたところに内外装がとても綺麗なR53 COOPER Sが置かれていました。仕入れたばかりで今後販売予定なのか?と思いスタッフへ聞いてみると、仕入れたものの「明らかにエンジンの様子がおかしい」とのことで、その店では販売せずに『流す』という話でした。「実車、確認します?」と言われエンジンをかけてみましたが、確かに様子が変。おそらく修理不能レベルじゃないけど、直しちゃうとこの店の販売価格帯からオーバーしてしまうんでしょうね。

この時点で、私はこの販売店を『格安AA仕入れ車のうち、重整備が不要で最低限のメンテで車検に通るクルマを格安で販売するところ』と認識。購入後、自分が思うとおりのメンテを実施することを念頭にして買うには悪くない店と考え、R52を購入しました。結果的にはその判断で良かったと思っています。これが仮に、クソほどショボかった内外装を綺麗にして→それっぽく仕上げて価格に転嫁されてしまってはこうも楽しい結果にはならなかったはずですから。

まだまだ現役の初代BMW MINIが鉄屑にされる前に

話は変わって。もしR50系MINIの購入を検討中で当記事を読んで頂いている方がいらっしゃったら、まずハッキリと言いたいことがあります。R50系の格安車は『壊れているから安い』と思ったほうが幸せになれます。じゃあ、高ければ壊れていないのか?と聞かれれば、そうとは言い切れません。それを踏まえ、どういう個体を買えばいいのかという話をしましょう。

個人的な思いとして、R50系を買うにあたって重視すべきは『自分が好きな仕様かどうか』に尽きます。まず3種類あるエンジンのどれが良いかを選び、好きな色を選び、後付けが難しい装備がついているかを重視して選ぶべきだと思います。販売当時、たくさんのオプションの中から好きな仕様を作り上げることの出来るクルマでしたから、同じ仕様のクルマに出会える確率は極めて低いはず。であれば、ボロかろうが好みの仕様であれば、きっちり直す前提で買うに限ります。

私の場合、エンジンパワーは必須ではなかったのでCOOPERで十分。でもMTミッションは必須で、後付けするのが難しいキセノンヘッドライトやシートヒーターがある仕様が欲しかったため、それが揃っていた格安オンボロR52を選びました。ちなみに、購入後も継続的に中古車情報サイトを定点観測し続けていますが、私の希望にマッチする仕様はほとんど登場してきません。

で、安い個体を信頼できる整備工場に任せコンディションを回復させながら楽しむか、自身でDIYしながら仕上げていく。これが一番ベストな方法論に思います。純正部品はスーパー強気プライスなのでオススメできませんが、OEMパーツであれば比較的リーズナブルに調達できますし、DIYerが多い車種なのでネットで整備情報が手に入りやすい点もR50系の良さとして付け加えておきます。

R50系は今が底値だと思います

現在、中古車情報サイトを眺めてみると初代MINI Convertibleの価格帯は車両本体で30〜120万円程度。COOPERとSのグレード違いで大幅に価格が変わることはなく、距離と年式で価格が決まっているように思います。ちなみに私がR52の購入検討をはじめた2年前に比べてもあまり値落ちしていないので、これが底値なのかもしれません。走行距離は7万〜10万キロがメイン。5万キロを下回る個体はほとんど出てきません。基本的にどのタマも見た目が綺麗に仕上がっているものがほとんどで、我が家のR52のように「見た目すらボロボロのまま売られている」個体はあまり存在しません。

でも結局のところ、内外装は簡単に綺麗に出来ますが、ダンパーやブッシュ類などパッと見でわからない部分まで丁寧に整備されていることが明記されている個体はなかなかお目にかかれません。それは7万キロ程度の距離であれば、ほとんど交換されることがない部位ですからさほど驚くことではありません。

言い換えれば、10万キロまでに各種マウントやブッシュ類が交換されている個体だとすれば、それはたまたま前オーナーのMINIに対する愛情がとても深かったか、良識ある販売店に巡り会っただけと考えて間違いはないでしょう。

でも、冷静に考えればもう15年も前のクルマ。同年式の国産車であればとっくに鉄屑になってリサイクル。そんな車齢のクルマです。どう考えても『購入後のメンテは必須』になります。そう思えば、内外装が綺麗に仕上がっているけど内部のメンテ具合がよくわからん高価格な個体を買う必要性は薄いのではと思います。それを避けるためには、BMW MINIに精通した店で仕上がった個体を買うしか方法はありませんし、そういうタマは3ケタ万円になります。

整備ありきで考えても今が最後の買い時と思う

『じゃあ、買いじゃないのか?』という点ですが、初代BMW MINIを中古で買うとしたらいよいよ最後のタイミングなのでは?と考えています。そう考える理由は2点。

まず、初度登録から18年で自動車重量税がさらに増えること。2004年発売のMU後モデルであれば、18年目=2022年より対象となります。増税額は3,600円ではありますが、エコカーの税額と比べるとおおよそ倍以上の負担になります。既に13年目から自動車税・重量税共に重加ですからさらに税負担が大きくなります。まぁ18年前のクルマを買おうとする人が税額を気にすることはないでしょうけど、既オーナーが増税を期に手放す→スクラップ行きが加速するのでは?と憶測しています。劇的に流通量が増えることはもうないでしょうから、欲しい仕様を見つけたら一気に購入検討を進めるのがよろしいかと思います。

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2点目として、いよいよR系MINIの純正パーツに欠品が出てきたこと。少なくとも、かなり前からアクセサリー系のパーツはほとんど販売終了しています。補修パーツについては、今のところ私は純正パーツが生産終了で在庫がないという場面に遭遇していませんが、廃盤パーツが出てきているそうです。今後は早めにパーツを確保しないと困るものが出てくるかもしれません。ちなみに某映画仕様で人気を博したエアロダイナミックPKGはもう新品で手に入らず。JCWキットなども同様です。ですから、こういったパーツが奢られたクルマは間違いなく買いです。

今装着している純正グリルはヤフオク調達。

3点目として、上記に起因して中古純正パーツも減ってきている点です。こちらも定期的にヤフオクで純正パーツを探していますが、状態のよいパーツ出品が減ってきています。例えば、以前からドアミラーカバーのユニオンジャックをやめて黒いカバーか初期のボディ同色カバー(=チリレッド)のものに交換したいと考えていますが、引き合いが多く状態の良いものは確実に落札されてしまいます。既に新品の供給は終了しており中古品しか選択肢がないため、困ってしまうポイントです。その点から言えば、旧車で自分なり仕様を目指したいのであればやはり早いに越したことはありません。

2年間の投下コストを集計だ!

さて、ここからは約2年間の投下コストをまとめてみましたのでご紹介します。

補修とメンテナンスにかかった費用は・・・

まず、オイルやワイパー、各フィルターなどの定期交換部品、またタイヤ購入など一般的なメンテナンスを除き、劣化部分の原状回復やノーマル戻しにかかった総費用から。主として社外品に交換されていた内外装パーツのノーマル中古品への交換がメインで、今回の足回りリフレッシュまで含めると122,617円+246,081円=368,698円となりました。ちなみにパーツ代だけで集計すると281,448円になります。

ダントツで解せない価格・・・

なお、一番高価だったのがダントツでソフトトップロックユニットの36,740円。しかも未だに修理完了していませんから、それを除けばもっと安くなります。まだまだ補修しなければならない箇所はありますが・・・オンボロMINIでもこれぐらいかければ、ある程度のレベルにまで仕上げられます。もっとも、好みじゃないカスタムをノーマル戻しするためだけに投下した費用を削ればもっと安く済んだはずなんですけど(笑

こうして考えると、それなりにお金はかかっていますが車体+補修代合計で約75万円という計算になります。これを『安い』と取るか『高い』と取るか・・・。今、ボンネットのクリアが剥げ、コンバチなのに屋根が開かない状況ですけど、75万円でこの仕上がりの個体を買うのは難しいと考えます。ですから、個人的にはとても満足しています。

また、定期メンテナンス費用については、114,844円でした。うち半分は新品のスタッドレスタイヤですから、そこまでかかっていない計算になります。夏タイヤを状態の良い中古品で済ませたのもコストセーブになりました。次も国産コンパクト新車外し系のタイヤを狙います(笑

コメント

  1. HOPE より:

    とても面白かったです。さすがHokkai_K2Oさん。良い記事を書きます。

    今現在、R50の位置づけはそんな感じだと私も思います。また中古車というものもそんな感じだと私も思います。もっと言えば中古車に限らず、クルマというものすべてがそんな感じのものだと思ったりもします。

    クルマを実用品ではなく趣味としてとらえれば、その浮き沈みこそが間違いなく楽しみの一つだと言えるでしょう。

    • アバター画像 Hokkai_K2O より:

      お褒め頂きありがとうございます。何だか恥ずかしい…

      https://www.motoringfile.com/2021/12/30/the-r50-r53-mini-prices-are-about-to-go-up/
      海外サイトでこんな記事がありました。価格が上がってきたとのことです。
      いよいよR50世代はいわゆる「ヤングタイマー」の部類に入ってきたのかなぁと思っています。
      同年代の輸入コンパクトカーが軒並み街から姿を消しているのに、未だにR50世代は現役で結構見かけること自体、けっこう驚異的なことだと思っています。HOPEさんが仰るとおり、実用品ではないと考えている方が多数いらっしゃる証拠なんでしょうね。

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