2020年に新品タイヤで納車された我が社の社用車1号ですが、シビアコンディション運用のためあっという間にタイヤ残溝が4mm近くに・・・。それに加えて、実はずーっとアライメントが相当狂っていたことがわかり、その結果、短期間で強烈な片減りをさせてしまうという事件?も発生。新品だったはずのBS TURANZAは次シーズンで要履き替え状態に。
そんなこんなで、再びリプレイスタイヤを何にするか?を考えています。前回もOEタイヤと市販適合タイヤの銘柄をまとめてみましたが、その後新たなタイヤが登場したので改めてまとめます。
F60に適合するサマータイヤ2022年バージョン
2022年3月時点で市販されているタイヤのうち、純正OEの非ランフラット仕様と同じロードインデックス(99)を採用する市販リプレイスタイヤの主要モデルは以下のとおり。欧州ラベリングがあるものは騒音スペックも併記しています。
メーカー | 銘柄 | スペック | 転がり抵抗 | ウェット | 騒音 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
MICHELIN | PILOT SPORT 4S | 225/50ZR18 99Y XL | ? | ? | ? | アジア用? |
MICHELIN | PILOT SPORT 4 | 225/50ZR18 99Y XL | C(A) | A(a) | 70db | |
MICHELIN | PRIMACY 4 | 225/50R18 99W XL | B(AA) | A(b) | 68db | カタログ落ち |
MICHELIN | PRIMACY 4+ | 225/50R18 99W XL | B(AA) | A(a) | 70db | 日本未発売 |
MICHELIN | e・PRIMACY | 225/50R18 99H XL | A(AAA) | B(b) | 69db | |
PIRELLI | CINTURATO ROSSO | 225/50R18 99W XL | -(AA) | -(a) | ? | YH専売 |
PIRELLI | POWERGY | 225/50R18 99W XL | B(A) | A(a) | 69db | |
PIRELLI | DRAGON SPORT | 225/50R18 99W XL | ? | ? | ? | |
ヨコハマ | ADVAN FLEVA V701 | 225/50R18 99W XL | -(A) | -(a) | ? | |
Goodyear | EfficientGrip Performance 2 | 225/50R18 99W XL | B(AA) | A(a) | 69db | |
Goodyear | EfficientGrip RVF02 | 225/50R18 99V XL | -(AA) | -(b) | ? | |
Hankook | Ventus V12 evo2 | 225/50ZR18 99Y | -(A?) | -(b?) | ? |
前回調べたときより少しだけ選択肢が増えました。というか増やしました。個人的本命のMICHELINは燃費性能強化型のe・PRIMACYが登場。ラベリング上ではBMW承認のPRIMACY 4(A/B/65db)に似たスコア。一方で、市販リプレイス用のPRIMACY 4がカタログ落ちしてしまいました。ヨーロッパでは既に後継の『PRIMACY 4+』に切り替わっており日本でも順次新タイヤが拡充されることになるでしょうが、現時点では設定なし。そうすると在庫品を調達することになるかもしれません。
一方PIRELLIでは新モデルの「CINTURATO ROSSO」が登場。DRAGON SPORTと同じくアジア専売モデルですがこちらは販路がイエローハット限定の新タイヤ。BMW承認のCINTURATO P7(A/B/70db)よりも転がり抵抗スコアが落ちウェット性能が上がったモデルなので、グリップよりなのでしょうか。また、昨今新モデルへ切り替わったPOWERGYもありますが両者の立ち位置の違いがよくわかりません。
謎:我が社のF60のタイヤ空気圧ラベル
さて、この記事をまとめている時にふと気がついた点があります。上記写真は実車に貼付されているタイヤ空気圧ラベルなのですが、新車装備されていた(はず)の225/50R18 99W XLの空気圧表記が記載されていないのです。その上、225/50R18 95Wのフル乗車時における後輪指定圧が260kPa指定。その点で(今更ですが)2つの疑問にぶつかります。
- 貼付すべき空気圧ラベルが違う?
- ランフラットはXL規格ではないが250kPa以上入れるの?
まず、1点目の疑問については当社の個体はプレス用スペシャル車両のオプションコードが付与されており日本販売仕様と細部が異なるのかもしれません。念のため空気圧ラベルに記載されているパーツナンバーを調べてみると、日本仕向用ラベルではないものが貼付されていることが判明。99W XLの指定空気圧を知りたければ同グレードの他の個体のラベルを参照する他ありませんね…。
ランフラットの指定空気圧については謎のまま。ETRTO STD規格において、250kPaは負荷能力が上がらないとされていますが、260kPaが指定される理由は何なのでしょうか。もっとも、その上に記載されている225/45R19 92Wにおいてもフル乗車で3.1kPaが規定値とされています。
参考までに、F60の兄弟車であるF39タイヤ空気圧ラベル。225/50R18については95Wと99W XL共に同じ数値が指定されており、やはり250kPaを超える圧が指定されています。こうしてみると、ETRTO荷重能力表上では規定されていないもののそれ以上の圧を指定するのは理由があるんでしょうね。ゆえに「承認タイヤ」なんでしょうか。この辺は詳しい方の見解をお伺いしてみたいものです。
1年で履きつぶしちゃうなら新品いらなくないか?
さて、改めて過去の運行記録を遡ってみると、BS TURANZA T001はわずか15,000kmで残溝4mmに到達してしまったという結果に改めて気がつかされます。ローテーションも残溝管理もほったらかしした結果、猛烈な片減りを起こしたとは言えどもいくぶん消耗が早すぎるように思います。グリップや静粛性などの性能は悪くなかったのですが、これでは経済的ではありませんね。
社内でもダントツに長距離移動が多い私が乗らなくなったことで積算走行ペースが低下したとは言えど、計算上は1年に1セットを消費してしまう結果に。そうなると、安物タイヤに手を出したくなる(むしろ、出さざるを得なくなる)ところですが、この手のタイヤはレンタカー乗り回し時代に『安物は安物でしかない!』と大いに学ばされました。静粛性に対しては我慢するにせよ、高速道路+山道走行がメインとなる当社のクルマにチョイスすべきタイヤではありません。
『ケチりつつも安心できるタイヤを・・・』と思ったときには、新車外しのOEタイヤを買うという選択肢があります。
F60のタイヤサイズは225/50R18。このサイズは国産SUV車も採用するサイズです。特に、最近デビューした国産SUVの中にはMICHELIN純正採用が増えてきたことも注目ポイント。PRIMACY 4はトヨタ・カローラクロス、ホンダ・2代目ヴェゼルが純正採用しています。旧品のPRIMACY 3であれば、トヨタ・C-HRが採用。
ただし留意すべき点として、どのOEタイヤも市販リプレイスタイヤとスペックが異なっています。それぞれロードインデックスが「95」となっており、BMW承認タイヤ・市販リプレイスタイヤと異なります。日本国内のスピードレンジを考慮すれば、わざわざXL規格にする必要がないという判断なのかもしれません。また、カローラクロス用(DT)とヴェゼル用(DT1)がカタログ上でも別品番。かつタイヤラベリングも公表されていないため、それぞれどんな性能なのかは『履かせてみないとわからない』というもの。推測ですが、どちらもBMW承認タイヤと同じく、市販リプレイス用よりも転がり抵抗性能が引き上げられた性能になっている気がします。
なお、ロードインデックスの低下(XL99→STD95)に関しては、ETRTO負荷能力表から換算すると以下のとおり。この数値であれば特段の問題はないだろうと考えます。
LI\空気圧 | 220kPa | 250kPa | 260kPa |
---|---|---|---|
ETRTO STD規格 95 | 625kg | 690kg | – |
ETRTO XL規格 99 | 620kg | 690kg | 710kg |
気になるのは価格ですが、市販版の99Wが某倉庫店価格で1本2.8万円前後。一方で新車外しの95Wであれば4本で6〜7万円弱から購入可能。完全な新品ではありませんが、B社の「N」の新品とそう変わらない価格で高性能なタイヤを手に入れられるので個人的にはかなり狙い目かなぁと思っています。
オマケ:F39 20インチのリプレイス品が登場!
ちょっと脇道。F60に履かせるサマータイヤの情報を探していたところ、思わぬ収穫が。今春より、MICHELIN Pilot Sport 4 SUVに新サイズ「225/40R20」が追加されました。個人的には『ようやく!しかも!』と思えるタイヤが登場です。
この225/40R20というサイズは、私が知る限りBMW X1/X2しか純正採用していない特殊サイズ。そのため今までは交換しようにもBMW承認タイヤしか選択肢しかありませんでした。承認タイヤとして設定されているのは以下の3種類。
メーカー | 銘柄 | スペック | 転がり抵抗 | ウエット | 騒音 |
---|---|---|---|---|---|
Pirelli | P-Zero r-f(PZ4) | 225/40R20 94Y XL | B | A | 69db |
Goodyear | Eagle F1 Asymmetric 3 ROF | 225/40R20 94Y XL | B | B | 70db |
Continental | Continental PremiumContact 6 SSR | 225/40R20 94Y XL | A | C | 72db |
あちこちのX1/X2試乗レビューやみんカラのパーツレビューを見る限りでは、日本仕様はPirelli P-Zeroしか装着されていないように思います。このタイヤ、ハンドリング性能はそこそこ良好でペースを上げて走ってもグリップ不足を感じる場面はほとんどありません。一方、気になるのは路面によっては相当耳障りなボリュームでロードノイズが発生する点。車内での会話がかき消されてしまうところの音がけっこう目立ちます。
ちなみに、PZeroのラベリングはB/A/69db。ここだけみると、結構良くできたタイヤなんですよね。参考比較としてX2 20iXの標準サイズ(225/45R19)にOE設定されているPirelli Cinturato P7 r-fのラベリングはC/B/71db。20インチの方がスコアが良いのは意外に感じます。
話をPS4SUVに戻す。今回登場した225/50R18ですが、スペックも見てもX1/X2用リプレイス品として設定したのか?と思うもの。『94Yのランフラット仕様』というのはOEタイヤと全く同じスペックなのです。であれば「コレはBMW承認タイヤとして追加されたのか?」と思いましたが、そうではありませんでした。なお、現在のところ欧州エリアでは販売されておらずEUラベリング情報が存在せず。もしかして、アジア専用モデル?
まだ発売直後で実勢価格が出揃っていませんが、OEタイヤよりはお安い価格であることを期待。我が家のX2に履かせるとしたら1年後でしょうか。
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