3号の新スタッドレスはすんなり決まる

オーリス
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昨シーズンは経費節減のため6シーズン目のVRX2を履かせていた社用車3号オーリス。その結果は多少の性能落ちを感じるものの、大きなマイナス要素もなく無事にシーズンを走りきりました。保存状態が良く残溝がかなりあったから大丈夫でしたが、さすがに7シーズン目突入はちと厳しいかな?という印象。そこで次シーズンは新タイヤに交換することにしました。

やっぱり王者は(老いぼれでも)凄いと感じられる

新品状態ではないVRX2のレビューは誰の役にも立たないと思いますが・・・相変わらずどんな路面でもそつなく走り切るという点ではとても良いタイヤでした。縦方向のグリップは相変わらずで、6シーズン目でもしっかり狙ったとおりに止まり、再び難なく前進できる状態は驚きでした。

横方向のグリップもそれなりに発揮されますが、滑り出しは極端な印象。舵角を増やすにつれズルズル〜っと滑り出すのではなく、ある許容量を超えるとスパッと滑る印象があります。仮に滑ってもグリップは完全に失われないので、車速を落とすか舵角を減らすことで事なきを得ます。この性質が表れるときは単にオーバースピード状態なのですが、もともとのグリップ性能が高いことが頭にインプットされている=これでもイケると思い込んでしまうことも要因です。

トラクション能力が弱いR52にはX-ICEよりVRXのほうが良いかも

これがX-ICE SNOWの場合、VRX2よりももっと早い段階から滑り出しますが、その変化がとてもわかりやすいという性質を持っています。縦方向のグリップはVRX2に遜色のないものを有していますが、一方で横方向のグリップはあまり強くありません。ですが、VRX2よりも早い段階で『あ、これは曲がれないな・・・』という兆候を見せ始めます。

で、この性格の違いが何に影響するかというと・・・クルマの乗り方によって評価が大きく変わってしまうという点です。個人的に、X-ICE SNOWのグリップ変化のわかりやすさは、タイヤのグリップ感に対して車速や舵角をコントロールしながら走ることができる人であればあまり気にならないはずです。一方、サマータイヤと同じような運転をする人であれば『やたらと滑る、グリップが足りない』という評価に繋がるでしょうから、VRX2のほうが良いと感じるでしょう。

もっとも、コントローラブルな状況の下ではこの話が成り立ちますが、道路に出れば突発的な事象が山ほどありますから・・・『ブリザック履いておけば間違いない』という話には納得感しかありません。

皆が乗る3号にハマる銘柄は何か?

個人的にはアリですが、他のスタッフからは『滑る』の評なX-ICE SNOW

さて、昨年は装着タイヤが古かったこともあり3号は私が専属で運用していましたが、今シーズンについては当社メンバーに乗ってもらう予定。そうなると銘柄選びは『個人的趣味趣向』よりも『安心感のあるもの』をメインに考えなくてはなりません。

候補1:ブリヂストン VRX3

Amazon.co.jp: ブリヂストン(BRIDGESTONE) スタッドレスタイヤ BLIZZAK(ブリザック) VRX3 195/65R15 91Q【4本セット】 : 車&バイク
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絶対王者ですからコレを履いておけば間違いないのは確実。VRX2よりも性能が向上しているとのことで鬼に金棒状態ではあるでしょうが、言い換えると強力なグリップ感に任せてすっ飛ばしかねないなぁと不安になる面も・・・(笑

ブリザック全体の傾向として他メーカーのスタッドレスよりゴムが柔らかい性質があります。新品を硬度計でチェックすると、ライバルよりとても柔らかい40程度を示します。雪上や氷上性能は抜群ですが、路面が露出した状況での消耗具合が気になるところです。

デビューから2年経ったことで価格もだいぶ下落。旧モデルのVRX2もまだ販売されていますのでそちらを選ぶのも手かもしれません。

候補2:PIRELLI ICE ZERO ASYMMETRICO

【交換サービス対象】 PIRELLI(ピレリ) スタッドレス 195/65R15 WINTER ICE ZERO ASIMMETRICO 91T タイヤのみ・ホイールなし 1本 4071500
アイス・ゼロ・アシンメトリコは、乗用車/SUV専用の新しいピレリウインターラインであり、日本の非常に厳しい冬のニーズに対応するように特別に開発されました。 最新の技術開発により、さまざまな冬の条件下で高いレベルの安全性と快適性を提供すること...

これはどちらかと言えば個人的趣味に近いチョイス。PIRELLIスタッドレスは以前からアジアンタイヤ並に安いという利点がありましたが、肝心の性能は全体的にまずまずという印象。ブランドイメージ的にはMICHELINと同じ方向性を期待してしまいますが、高速走行性能もあんまり得意じゃない気がします。

そんな中で2022年に登場したICE ZERO ASYMMETRICOは一度トライしてみたい銘柄。これまでの製品はスピードレンジが国産メーカー製スタッドレスと同じ「Q」でしたが、新型は「HまたはT」となっており、高速走行性能が向上していると見て間違いないでしょう。価格は少し高くなりましたが、それでも国産メーカー製タイヤよりは安いプライスなのも注目です。

候補3:ヨコハマタイヤ iceGUARD 7 iG70

Amazon.co.jp: ヨコハマ アイスガード IG70 195/65R15 91Q スタッドレスタイヤ単品 : 車&バイク
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最後は『今まで履いたことのない銘柄』という理由でiceGUARDの最新モデルiG70も検討。今まで国産スタッドレス購入時はBS一択でしたが、YHの評判もなかなか良いので「そのうち・・・」と思っていましたのでこの機会にチャレンジしてみようかと・・・。

驚くのが、絶対王者VRX3よりも市販価格が高いこと。どちらも2021年に登場したモデルですが、現在はiG70のほうが高いという現象。デビュー直後で品薄ならわかりますが、2年経ってこれはちょっと(というかかなり)驚きです。それだけ売れているんでしょうか?はたまたBSが安く出している??

Amazon.co.jp: ナンカン(NANKANG) スタッドレス タイヤ 1本 AW-1スタッドレス 195/65R15 91Q 15インチ【2024年製】 : 車&バイク
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他にも気になる銘柄はいくつか。特に以前記事で推薦コメントのあったNANKANG AW-1が気になっているのですが、実際に試すのは私専属で乗るクルマ=R52でいいかな?と思ったので、今回は除外して上の3銘柄から選ぶことにしました。ちなみにF60に履いている個人的推し銘柄のX-ICEはスタッフ評判がイマイチなので除外しています。

購入したのは人生初のヨコハマタイヤ製スタッドレス

悩むこと数日。今回はiceGUARD iG70をチョイスしました。決め手は各レビューの評判がけっこうよく、扱いやすい性質を持っているとの声が多かったことです。それに加えて、少しでも安く購入したいなぁ・・・と思っていたところ、2021年製造ながらほぼ新品に近い残溝でゴムの硬さもそこまで劣化していない中古品を発見したため。1本分ぐらいお安く購入できました。

左:iG70、向かって右側がOUTSIDE 右:iG60、向かって左側がOUTSIDE ちなみにこの写真のiG70は購入した個体とは別モノ

店頭でiG70と旧モデルiG60と並んで陳列されていたの図。陳列の仕方が左右対称(画像中央側がOUTSIDE)になっています。iG70のほうが複雑なサイプが刻まれているのがわかります。表面積を増やしブロック剛性を高めたとのこと。・・・って見てわかるものではないですね(笑

製造年月は古めだけど状態はかなり良し

購入した個体のパターン部はこんな感じ。トレッド表面はイボとリブレットがまだ残った状態。同銘柄・同サイズ・同製造年の中古品は他にもありましたが、既にリブレットは消えてゴム硬度も少し硬い状態でした。恐らくは2年落ちタイヤですが1シーズンしか履いていない(しかもほとんど乗っていない)状態なのでは?と推察されます。

数値でも確認。ゴム硬度は55前後を示しています。新品のiG70は(ホイール未装着状態で)50〜53程度でしたので、ほとんど劣化していないとみて良さそう。残溝も8.4mm前後と新品にほぼ近い状態。劣化についてもモニタリングしていきます。

早速装着してみました

ホイールの錆が目立つ・・・これは後日錆落とし+つや消し塗装してメンテナンスしましょう

10月後半になり北海道の山間部では積雪の日もちらほら。札幌近郊は11月後半になってようやくスタッドレスが必要な頃合いになりますが、地方巡業がメインの社用車ですから安全を考慮し早速装着です。装着翌日がたまたま気温10度を下回る雨降り日。スタッドレスがあまり得意としない天候でしたので簡単にレビュー。

まず乗った感じとしては、極めて普通です。VRXのようなスポンジ感でもなく、X-ICEのような剛性感でもなく、至って「普通」な感覚。言い換えればタイヤの特性や性格を感じさせない乗り味で、無味無臭な感覚です。エコタイヤみたいな乗り味とでも言うべきでしょうか?

一方でわだち掘れの激しい道路を走行した際にある程度深めの水たまりが出来ていましたが、排水性は悪くありません。モノによってはグリップが弱る瞬間があるのですが、iG70は問題ありませんでした。

オマケ:2シーズン履いたPRIMACY 4はどうなったか?

さて、中古良品を購入し2シーズン履いたMICHELIN PRIMACY4の具合はどうなったかを検証してみます。今シーズンはほぼスタッフ専属車として使用し、昨年と同じ10,000kmほど走行しています。

まずは全体的な摩耗状態。タイヤローテーションもせず乗りっぱなしになってしまいましたが、偏摩耗はあまり起きていません。F60に履かせた個体は適正空気圧を保つようにしていたのにセンター摩耗が激しかったのですが、こちらはそうでもありません。車重の問題なのか・・・?

タイヤゲージで計測してみたところ、フロント側4.5〜4.8mm、リア側が5〜5.3mmでした。シーズンイン時は6.5〜7mmほどあったので、5,000kmで1mm減る計算になります。減り方としてはF60に履かせていた個体より少しマシ。このペースで行けば来シーズンもこのタイヤで行けそうです。

ただ、少しバタバタとしたロードノイズが聞こえてくるようになりました。本当は何度かタイヤローテーションを実施すべきだったのですが・・・忙しくて放置していたため段減りが発生しているようです。しかもスタッフは空気圧チェックもあまりしてくれない(ホントに困ってる 笑)ので空気圧が規定値よりも不足気味で走るのも問題なのですが、高速移動が多く内圧が上がるので何とかこの程度で済んでいるのかもしれません。

2台に履かせた結果から見ると、PRIMACY4の新品→残2mmまでの生涯走行距離は40,000〜50,000km前後。平均値と言われる消耗具合とみて良いでしょう。

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