【2023年追記】度々直面するふらつき問題
2022年7月に車検整備を実施し、足回り含めて問題なしと判断された社用車F60。実に快調と思っていたのも束の間、当社スタッフ2名から『以前よりもステアリングが安定せずふらつく』という申し出がありました。
長距離ランナーのF60にとってふらつきは大きな問題。以前もふらつきの申し出があった際はアライメントの不整によるタイヤの大幅な片減りが原因ということがわかりましたが、今回はタイヤの片減りも発生しておらず、アライメントも狂っている様子もありません。前述のとおり、ディーラー側も問題なしという判断もされています。
では、何が悪いのか。そして何を対処すれば良いのか。さっぱり糸口が見えず数ヶ月悩むことになりました。そして、そのオチは驚くものでした(※当記事の最後で触れています)
その前段として、一度新車の足回りがどんな状態だったかを知っておこうと思い試乗会へ参加してきた内容を再構成しました。以下、2022年当時の記事です。
【当時記事】新車の乗り味はどうだったか?
対処の方向性を検討していた矢先、懇意にしている正規ディーラーが札幌市内の商業施設でMINI試乗イベントを実施するとのお知らせ。買い替え予定がないのにディーラーへ出向き試乗を願い出るのも気が引けるなぁと思っていたところ、こういうイベントであれば後ろめたい気持ちが少しだけ低減…(笑)ということで参加してきました。
今回の試乗車ラインナップはF56(CPS)・F55(CPD、SD)・F57(JCW)・F60(SE、JCW)の6種類。そのうちF60は最近発売されたばかりの特別仕様車のSE仕様に加え、滅多に試乗が出来ないJCW仕様もあり。これはサンプル取りに良い機会です。
初期型と最新型は何が違うか?
まずは6月にデビューしたばかりの特別仕様車『アンテイムド・エディション』のCOOPER SEに試乗してみました。今回の個体はBMW Japan所有の卸し立て新車デモカーです。試乗時点でオドメーターが130kmという状態。まだ慣らしも済んでいない頃合いですが、比較サンプルとしては持ってこいの1台でしょう。
内外装は2020年9月のLCIモデルに準じていますが、専用装備としてオリジナルデザインの18インチホイール加え、ボディ同色に仕上げられたエンブレムやエアインテークを装備しています。ボディサイドにも専用のストライプが貼られており、モノトーン調に仕上げられているのが特徴。内装もフローズンブルーのインテリアサーフェスにハイランドグリーン色のレザーシートを装備。この色合い、個人的にはかなり好みです。
スペックは初期型・後期型の違いは(電池以外)ほぼ一緒
機構的には2019年9月以降モデルと同じくリチウムイオンバッテリー容量が増加したモデル。スペックの違いを示すと↓こんな感じです。
2017年型 SE ALL4 | 2022年型 SE ALL4 | |
---|---|---|
型式 | CLA-YU15 | 3LA-22BS15 |
エンジン型式 | B38A15A-P160 | ← |
エンジン最高出力 | 100kW/136ps/4,400rpm | ← |
エンジン最大トルク | 220Nm/1,400-4,300rpm | 220Nm/1,300-4,300rpm |
モーター最高出力 | 65kW/88ps | ← |
モーター最大トルク | 165Nm | ← |
システム最高出力 | 165kW/224ps | ← |
システム最大トルク | 385Nm | ← |
総電力量 | 7.6kWh | 10.0kWh |
車両重量 | 1,770kg | ← |
JC08ハイブリッド燃費 | 17.3km/L | 17.6km/L |
JC08プラグインレンジ | 42.4km | 58km |
こうしてみると、エンジン・モーター共に初期型と現行型はほとんど差がないことがわかります。一方バッテリーについては1.3倍の容量になったことで、それまでよりプラグインレンジが延びていることがわかります。スペックに現れない違いはあると思いますが、ほとんど変わりがないと言っても良いと思われます。
細かな違いは感じられたけど
さて、純粋に「8万キロ乗った初期型」と「最新型」の違いはどうだったか。結論から言うと・・・ほとんど差がありませんでした(笑)ですが些細な違いをいくつか感じ取りました。
一番明確に感じられたのが、減速時の挙動です。これは最新型のほうが『扱いやすい』印象を受けました。初期型は回生ブレーキの効き方に多少の違和感があり、一定のGで減速していくのが苦手で、多少のG変化があるのですが、同じ乗り方をしても最新型は違和感が少なく感じます。また、試乗時点ではバッテリー残量5%=無充電状態でしたが、モーターアシストする時間が心なしか多い印象を受けます。これはバッテリー容量の大型化効果なのかもしれません。
肝心の足回りは、新車なだけあってシッカリ感を強く感じます。乗り心地はフラット感があり街乗りでの不満はほとんどない状態に仕上がっています。で、ステアリングの安定性については…実はほとんど差を意識することができませんでした。というのも試乗コースが市街地中心部、スピードを出す場面がほとんどありませんでしたので(笑
クルマそのものの違いはそこまで強く感じられない=LCI前後で大差がないという印象でしたが、新車状態の足回りの方が(当然ながら)ガッチリと精度を感じる部分が多く快適性も高く感じるという感想です。
【当時記事】オマケ:CROSSOVER JCWに乗ってみる
このイベントでは1名につき2台まで試乗が可能ということで、価格面でなかなか(というかかなり)手の出ないF60 JCWも試してみることに。
注目すべきは2点。まず『306ps/450Nmの強心臓はどんなもんか?』という点と『F56 JCWと同じく、乗り味が意外とコンフォートに仕上がっているのか』という点です。
で、乗ってみた第一印象は『あれ、思ったほど速さやパワーを感じないぞ…』という感想。スペック上は出力・トルク共にCOOPER SEよりも高いはずなのですが、街乗りレベルではバッテリーアシストがあるSEのほうがスイスイと加速していく印象にあります。これはちょっと意外。あれ?と思ってSPORTモードに切り替えてみましたが、その印象は大きく変わることはありませんでした。
これは『遅い』のではなくあえて『緩やかに』しているだけ、と思います。むしろSEのほうがモーター車らしい出足感にしているのかもしれません。踏み込めば…速いはずなんですけど…市街地で試すわけにも行かず・・・。
SPORTモードついでに言うと、かつて所有していたF56 JCWはダウンシフト時にバブリングがバンバン鳴る味付けでしたが、現行モデルはバブリングしない味付けに変更されていました。諸規制の関係でこうなったようですが、少し寂しいですね・・・。
久々に乗るJCWスポーツシートの出来は悪くないのですが、電動調整式スポーツシートに慣れてしまうと・・・普段乗りなら非JCWが向いている気がします。ホールド感が高いのがJCWシートの特徴ですが、細かな調整が可能な電動調整式の方が自由度が高いですし、快適性とホールド感のバランスが適切に思います。着座位置の低い+電動調整シートの設定がないF56であれば、JCWシートが向いていると思いますが。
乗り味はJCWだけにハードに…と思いきや、思ったよりも乗り心地は良し。やはりJCWの足回りは良く仕立てられていますね。装着されているPirelli PZero PZ4は225/45R19 96Yで非ランフラット物件。20インチを履く(劣悪)な我が家のX2と同じく、不正路のドスンと大きな衝撃は否応なく車体に伝わってきますが、総じてよく履きこなしている足回りに思います。JCWトリムを選ぶと自動的に19インチになってしまうようですが、個人的には18インチで十分かなぁ。
【2023年追記】その後わかったこと
確かに新車に比べれば少しユルさを感じる足回りでしたが、大幅に劣化している様子もなさそう。困った結果、新車試乗後に以前R52の足回りリフレッシュを依頼した整備工場へ入庫して改めて第三者意見をもらうことにしました。その結果、もし対処が必要な箇所があればそのまま実施してもらおうと考えていました。
その点検結果は「まだ交換はもったいない、普通に走る」というものでした。むしろ何故この状態で「ふらつく」という印象を抱くのかが判らないという回答で双方困惑することになります(笑)当然、何もやらないという方針に。その後、車両を受け取る際の雑談の中で思わぬことに気がつきます。
もしかして、その方々が普段乗ってるクルマって国産車ですか?
運転ポジション・ハンドルの握り方ではふらつく印象持つかもしれませんね
それを聞いてハッとします。と、いうかそれが正解かも・・・。
翌日、スタッフに改めて運転時のポジションについてヒアリングしてみたら、完全にそのとおり。シート下げすぎ・リクライニング強すぎなんですね。ハンドルの握りが弱いので、少しのキックバックでハンドルが持って行かれる=ふらつきを感じるというのが結論でした。
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