オンボロ状態の中古R52を格安で購入して3年余り。少ない予算の中で地道に原状回復を続け、ようやくまともな状態を取り戻してきました。一方、R52の目玉装備であるソフトトップは購入時から開閉できない状況のまま。あれこれ対処を施してみましたが、さらに状況を悪化させるという悪循環に陥ってしまいました。『屋根が開くクルマで子供を喜ばせたい!』という理由でR52を購入したのに、これじゃあハッチバック買えば良かったよ・・・と幾度となく思ったものです。
一念発起し、R52購入翌年2021年9月にヤフオクで中古ソフトトップ一式を落札。ASSY交換を決意したものの・・・同じ時期から仕事が多忙を極める日々が続いてしまい、いつの間にか2年の歳月経過してしまいました。
そして2023年夏、ようやくまとまった作業時間が確保できるチャンスが到来。ようやく最大難度のミッションにチャレンジします。
作業計画と準備
何度も以前記事で触れているとおり、ソフトトップにまつわる作業は脱着パーツが多い大工事です。この機会に後部周りや室内関係など、やりたいことを一気に実行していきます。タスクリストは以下の通り。
- LH側Rrウィンドウレギュレータの修理
- RH側Frシートベルトの交換
- 前オーナー?の遺物(オーディオ関係)の撤去
- ソフトトップ一式の交換
メインはソフトトップ交換ですが、以前から気になっていた箇所の調査と対処も盛り込んでいます。特に、よくわからない状況(※詳細は後述)で残っているオーディオ関係はいい加減撤去してスッキリさせたいという気持ちです。
ソフトトップユニット保管場所=実家で作業
今回は自宅駐車場ではなく、実家に帰省し一軒家軒先で作業です。ヤフオクで購入したソフトトップはパレット積みが必須なサイズと重量。いちおう我が家にも物置はありますが、さすがにパレット積みの荷物がラクに保管できる大きさではありません。
そこで、落札後はそのまま実家へ直送→保管をお願いしたのですが、問題はそこから2年に渡って置きっぱなしになってしまったこと。我が家より収納スペースに余裕があるとはいえ、重くてデカい荷物をずっと置いておくわけにはいきません。しかもモノの置き場所の関係で年に数回移動しなくてはならず、都度呼ばれてはもの凄く重たいソフトトップを右へ左へ・・・。
話を戻して、今回の作業環境は↑写真のとおり。床面がウッド敷でジャッキアップやウマ掛けはできませんが、丈夫な屋根とビニール横幕が施され、天井には夜間作業に貢献する明るいLED作業灯があるので、今回の作業にはうってつけ。早く我が家もこういう環境にしたいものです・・・。
改めて純正診断システム「ISTA」を準備
必要となる工具や部品を揃えるとともに、ソフトトップ交換作業には欠かせない純正診断機の準備も行いました。2年前は動作不良箇所を特定しきれないまま作業を進めた結果、本来動作していた部分も壊すという大失態を犯すオチ。整備手順の習熟はもちろんのこと、診断機で各コンポーネントの動作チェックを行いながら進めなければいけないということを正しく理解していませんでした。
ここで必要となるのが、BMW純正診断システム「ISTA」です。旧世代向けのINPAも存在しますが、ISTAは整備手順書の閲覧も可能で使い勝手が上。その上、メリットとなるのが日本語版も用意されていることです。
以前、F39/F60コーディング用に導入したISTAは英語版。ディフェクトメモリーの消去程度の作業であれば問題ありませんが、英語で記載された整備手順書は細かなニュアンスが読み取れず大苦戦。ネット上に存在する(※非公式な)英語版手順書を翻訳機能することである程度内容は理解できるものの、誤訳もあるためやはり日本語版があったほうが間違いありません。
日本語版の調達は簡単ではありませんでしたが、2年の歳月を経て導入完了。日本語の請求書これでようやく作業全容をしっかりと理解することができます。
R系MINI用接続ケーブルも準備必須
INPA/ISTAどちらも、接続ケーブルはF系車種とは異なるものが必要です。純正診断機はICOMを接続して実施するのが鉄則ですが、6ケタ万円する正規品はお小遣いレベルで買える代物ではありません。廉価なコピー品が多く流通していますが、正常動作しないリスクを考えるとあまり手出ししたくないところ。
それ以外のパータンとして、PCと車両を直接接続するケーブルを用いることもできます。F系車種はENETケーブルで接続しますが、E系とR系についてはKCAN/DCANケーブルで接続することになります。R50系はOBDII側ピン短絡が必要となるため、切り替えスイッチ付のものを導入するか自身でコネクタ部を加工する必要があります。Amazon等で販売されている切替スイッチ付K+DCANケーブルはモノによっては正常に動作しない個体が紛れているため、注意が必要です。
ケーブル入手後は必要なドライバの導入やポート設定などの事前準備も必須。このへんの作業が非常に面倒です。ソフトウェア入手も大変ですけど・・・(笑
今回作業のフロー概要
今回のタスクを細かい手順にしていくと、こんな感じです。
- リアシート(座面・背もたれ)の取り外し
- リアシート左右の内装トリム取り外し
- LH側Rrウィンドウレギュレーターの修理+ガラス交換
- 燃料フィルター交換
- 左右ドア下エントランスカバーの取り外し
- 左右フロントシートの取り外し
- 使用していないオーディオ機器の撤去
- 左右ドアトリム取り外し+スピーカー交換・配線引き直し
- トランクルーム内内装トリムの取り外し
- ソフトトップの取り外し
- 交換ソフトトップの装着、以降は逆手順で各パーツを装着
- 診断機で作動チェック、最終確認
こうやって書き出すと、けっこうな作業ボリューム。これ、お盆の3日間で終わるかなぁ・・・?と思いつつ、作業開始です。
作業その1:LH側Rrウィンドウレギュレータの修理
まず最初に着手するのは、助手席側Rrウィンドウレギュレーターの修理です。
先日記事のとおり、修理にあたりリペアキットを購入していましたが、追加で中古レギュレーターを入手。中古レギュレーターをそのままポン付けしてさっさと終わらせようと目論んだものの、作業直前になって樹脂パーツが破損。結局、リペアキットを用いた修理となりました。無駄金・・・。
整備手順書に沿って作業を進めます。リアシートとシート横の内装トリムを取り外すことで、レギュレーターを取り外せるようになります。
リアシートを外して気がつくことは、車齢18年なだけあってゴミや汚れが凄いこと(笑)めったに外すものではないですから仕方ないんですが、あまりに汚くてビックリ。そしてシート下には何やら得体の知れないケーブルが見えています・・・。
想像よりも激しく壊れていたレギュレーター
いよいよウィンドウレギュレーターとご対面。本来、レギュレーター内部にあるはずのワイヤーが飛び出しておりけっこうな壊れっぷりが伺い知れます。
レギュレーター本体の取り外しに際しては、ウィンドウを少し上げる必要があるのですが、ワイヤーに付属する樹脂パーツがバラバラになった挙げ句ワイヤーごと内部構造に引っかかってしまい、落ちてしまった窓がなかなか持ち上げられません。試行錯誤してようやく窓を持ち上げ→レギュレーターを外してみると、案の定ボロボロ状態でした。
手順解説書が付属しないリペアキットだけで解決するか不安でしたが、何も問題なく解決できました。外れてぐにゃぐにゃになったガイド付きのワイヤーを新しいものに引き直すだけであっさり修理完了です。予備用に購入したレギュレーターを横に置き、引き回し方を参考にしながら作業を行いました。修理にあたっては新品レギュレーターの高解像度写真をチェックし樹脂パーツやケーブルの取り回しを確認しておくと良いでしょう。
レギュレーター交換ついでに、外れたワイヤーが擦れてスリ傷が入ってしまったウィンドウガラスも交す。こちらはレギュレーターごと買ったものに付属していたガラスが綺麗な状態でしたので有効利用しました。
バッチリ綺麗に直りました、けど実は・・・
レギュレーターと配線を元に戻し、さっそく作動チェック。無事昇降しようやく窓落ち状態が解消されました。目障りな固定金具が見えなくなっただけでもかなり満足です。
ただ、改めて動作状態を見ていると・・・運転席側と助手席側の昇降スピードがけっこう違うことに気がつきます(笑)助手席側のほうが開・閉共に1拍遅いという状態。モーターが劣化しているのでしょうか。普段使用に支障はないはずなので・・・今回は交換せずそのまま様子を見ることにします。
こんな感じならさっさとやればよかった
大きく気落ちする窓落ち・・・やってみて思うことはただひとつ。これぐらいならさっさとやればよかったということです。リアシート外しと内装トリム外しは確かに少し面倒ですが、やってやれなくないレベル。作業難易度はそこまで高くなく、半日あれば十分に作業できるレベルでした。
むしろ、応急処置で何度もあれこれやったことのほうがよっぽど時間がかかっていたかもしれません(笑)
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