R52復活計画|最大難度のミッションへ挑む【中篇】

MINI R52
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作業その2:前オーナー?の遺物を撤去する

次の作業は前オーナーが残したオーディオコンポーネントの撤去。

実はコレ、R52納車後しばらく存在に気がつかなかったのですが、数ヶ月後に室内清掃をしていた際に存在を知ります。しかも配線はフロアカーペット下に埋め込み。撤去するにはフロントシートを取り外し、カーペットをめくらなければなりません。そして配線がどこから来てどこへ行っているのかも不明です。

もっとも、ヘッドユニットもスピーカーも純正コネクタに接続されていることから、これらは何も機能していない可能性が濃厚。おそらくは「ただの残骸」なはずですが、配線が不可視なのでちゃんと調べなくてはならず、時間ができたらやろうとずっと放置していました。

今回、バラしついでにフロントシートやその周りのパーツも外し、これらを一気に撤去してしまおうという算段です。

白蛇のような極太ケーブルは何者だ?

まずは長らく謎だった配線の行方を追います。事前に認識していたのはフロントシート下の機器と配線のみ。いったいこのクルマには何が埋まっているのか・・・。そう思っていた矢先、リアシートを取り外した際に現れたのが白蛇のような極太ケーブルです。このケーブル、どっかで見たなぁ。

リアシート部下部から現れた2本は両方とも接続が切れています。うち1本はISOFIXアンカーに接続されていることから、ボディアースとして使われていたのでしょう。そしてもう1本は内装トリム内部を経て車両前方のほうに向かっています。

さて、このケーブルはいったいどこから来ているのか。その答えはエンジンルーム内にありました。バッテリーから直接電源供給するためのケーブルだったようで、ターミナル部に接続されていました。いわゆるバッ直用ケーブルだったんでしょうけど、この太さから見ると相当な電力供給量ですから、幌車でどんだけ爆音流してたんだと・・・。

ターミナルからケーブルを縁切りし、力任せにエンジンルーム側から引っ張り抜いてみると・・・それはそれはゴツいケーブルがズルズルと引きずり出されました。ケーブルだけでも相当な重量感。すごいな、これ・・・。そしてファイヤーウォールには配線を通すための大穴がぽっかり。あとでアルミテープで塞いでおきましょう。

クロスオーバーネットワークと接続配線を撤去

寄りの画はとてもじゃないけど見せられません(笑)クルマの車内って本当に汚いのね・・・

お次はフロントシート下のケーブルと機器類。作業のためにフロントシートを取り外します。サイドエアバッグ付シートを取り外すので、バッテリー端子を外しての作業が必須。外したままの状態でイグニッションオンにすると、エアバッグ警告灯が点灯してしまい診断機でエラー消去するしかなくなるのでご注意を。

リアシート下と同じく、こちらもシートを取り外すと長年蓄積された汚れがたんまり。特に掃除しづらいセンターコンソールとシートの間はかなり汚い状態でした。ちょっとゾッとするレベルの汚れ方・・・。掃除できたと思えばシート外しもなんのその。

サイドシルを這っていく白蛇
※コネクタ付配線はシート用配線です

助手席床下の機器はクロスオーバーネットワークでした。ここから左右ドアにスピーカー配線がされている「はず」なのですが、現状のスピーカーは純正配線接続。そしてドア内にはクロスオーバーから繋がるはずのケーブルが見当たらず。いったい、どこに行っているのか・・・。運転席側に残った配線はアースケーブルとクロスオーバー接続配線。ここにはアンプが設置されていたのでしょうか?

そして、シート下設置機器を保護するためか、左右シート下部にあるエアコン吹き出し口はアルミテープでしっかり目張りされていました。後部座席に座る子供が空調が弱いとよく言って来たのは幌車だったからだけではなく、単純に送風が足りなかったからという事実を今さら知りました(笑

スピーカーケーブルはいずこへ

※資料画像

床下ケーブルをさくさく撤去して行きますが、それでも行き先が追えないスピーカーケーブルが残ったまま。ケーブルを引っ張りながら探してみると、どうやら先端は左右ドアの蛇腹まで辿り着いている様子。そこで本来作業予定に含んでいなかった左右ドア内装も取り外し、サービスホールから手を突っ込んでみました。その結果、蛇腹部すぐのところに切断されたスピーカー配線の先端を発見。以前ドアストッパー交換時にはさっぱり気がつかなかった。

行き先がわかったので、ゆっくりとケーブルを引っ張り出して撤去完了。当初の想定どおり、オーディオの残骸は何も機能していなかったことがわかりました。

プロショップ仕事だったものが、粗末な状態に

記事では触れていませんが、簡易的なデッドニングも施されていました。

ドア内装を外したついでに、以前からうっすら思っていた疑問の答えを探ります。その疑問というのが、ドアハンドル部にマウントされているツイーターがフルレンジで鳴っていることです。

クロスオーバーが機能していないことから何となく察しはつきましたが、ツイーターは案の定、ドアスピーカー配線をエレクトロタップで分岐しただけという粗末な配線でした。これじゃあツイーター壊れちゃいます。さらに驚いたのが、助手席側ツイーターは配線接続がされていません。フルレンジで鳴らされたことで壊れていたのかと思ったら、そういうオチだったのね・・・。

これらの様子から想像するに、我が家のR52はかつてオーディオプロショップで一式をインストールした後、車体が人の手に渡ったどこかのタイミングで一部機器を取り外し、残したもので「とりあえず音が鳴るように」と雑に処理されたのでしょう。誰のしわざか知る由もありませんが、ずいぶんな作業です。

MADE IN GERMANY。このスピーカーの価値知ってる方、どんなもんなのか教えてほしいです。

改めてスピーカーを観察すると、知らないブランドです。ネット調べてみると、ドイツメーカーの製品でした。ウーファーサイズや付属のクロスオーバーから見る限り、AUDIO SYSTEM社製HX130 Phaseと思われます。ミッドウーファー・ツイーター・クロスオーバーがセットになった商品です。細かなスペックはわかりませんが、音は良好。古いモデルと思いますが、同シリーズの現行モデルは10万円程度で販売されていることから、当時もそれなりの値段だったのではと思います。

ツイーターはドア側のインナーハンドル側(内部側)ではなくドアインナーハンドルカバー側にワンオフ加工取付されており、グルーガンでガッチリと固定されていました。ノーマルのカバーを切断して取付していますが、加工は綺麗に行われています。

スピーカー取付のバッフルはこんな感じ。市販品ではないですね。ちゃんとした素材が使用されていることからも、もともとの仕様はかなり凝った仕様だったのかもしれません。ただ、長年の使用でバッフルも劣化の様子が見えますし、スピーカー自体も端子の錆びが目立ちます。

作業その2追加:スピーカー交換作業

決して貧素なスピーカーではないと思いますが、再び正しく動作させるためには配線の引き直しが必須。ヘッドユニットにもアクセスしなければならないためますます作業が増えてしまいます。さすがに幌車にそこまで力を入れても仕方がないだろうと思い、少しもったいないですがスピーカーを交換することにしました。

調達した追加パーツ

今回チョイスしたのはパイオニア製の2Wayスピーカーです。社用車3号にも同社製スピーカーを搭載しましたが、今回はそれよりもハイグレードなTS-C1730Sをの中古品を購入しました。近所のアップガレージ店頭でチョイス。

なお、現行品は型番末尾に「II」がつくモデルに切り替わっています。調べた限り、パッシブネットワークの電子パーツが変わった程度で大差がないとのこと。中古品は現行新品の半額程度でしたのでそちらを購入しました。

バッフルは旧品をそのまま流用しようと思ったのですが、17cmスピーカーが入らない形状で断念。新たにアルパイン製バッフルを購入しました。2000年頃のホンダ車に適合するバッフルがR50系にも装着できます。現行品ですがカー用品店店頭では入手できず、Amazonで購入しました。

バッフルは価格相応の印象。社用車3号に装着したパイオニア製のもののほうがしっかりとした印象です。選択肢がないので仕方ありません。

スピーカーの純正配線は一般的なT型汎用形状。配線を自作するのも面倒だったので、バッフルと一緒にエーモン製のスピーカー変換ハーネス(T型汎用)を購入しました。

バッフルには取付ネジしか付属していませんでしたので、別途バッフルとウーファー、ドアパネルの隙間をしっかり埋めるべくエプトシーラーを購入しました。これがなくても装着可能ですが、少しでも音質向上に貢献すればと装着します。実はこれ以外にウーファー周り(ドア内張り方向)に貼り付ける防音テープも購入しましたが、分厚すぎてドア内張りが収まらないという初歩的なミスを犯します(笑)これは後日、もう少し薄いエプトシーラーを購入して対処します。

ドアインナーハンドルカバーは旧ツイーターがガッチリと固定されて再使用ができないため、ヤフオクで中古の純正カバーを調達しました。ツイーター側にもグリルがあるため、二重グリルになってしまいますがそこはご愛嬌ということで・・・。

純正位置にツイーターを設置する

まずはツイーターの設置から。TS-C1730Sに付属するダッシュボード設置用台座は使用せず、ツイーター部のみを取り外して純正ツイーター設置位置に装着しました。インナーハンドルのフレーム部と径が合わない分は制振テープをぐるぐる巻きにしてはめ込んでいます。

ツイーター側を分解してグリルを外すことも思い浮かぶものの、今回はそのまま。いつか時間があったらチャレンジしてみようかな。

ウーファー部とクロスオーバーの設置

仮設置の図。ここなら内張りにも干渉しません

スピーカーに付属するクロスオーバーネットワークはやや大きめのサイズ。防水仕様ではありません。ドア内張りの形状を眺めながら干渉しない位置を探して設置します。純正配線(ドアカーテシランプ)が通る場所ですが、ここであれば何とか設置可能。本来ならば車内側に設置するのがセオリーだと思いますが、配線作業の都合上やむなくドアに装着しています。

エプトシーラーはこんな感じで貼り付け。バッフル側にはドアパネルとの間を埋めるため、ウーファー側はバッフルとの間を埋めるために貼り付けしています。クロスオーバーネットワークの位置をドア内側にしたため、車体側配線からクロスオーバーに接続する配線と、クロスオーバーからウーファーに接続する配線2本をどうしてもスピーカーホールから通したかったため、少し空いてしまう隙間を埋める意味でこうしました。素人雑作業ですけど・・・(笑

最終的にはこんな感じで仕上げました。もう少しちゃんとやればもっとよくなりそうですが、今回はこれぐらいにしておきます。

装着後、イコライザーを調整して早速試聴。・・・元のシステムより遙かに良い音が出ています(笑)以前のシステムはサブウーファーと組み合わせて成り立つシステムだったのかもしれません。単体で鳴らすとするなら今回購入したTS-C1730Sのほうが優れていました。これは予想外の結果です。

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