日本仕様X2では何故か装備されず、プレパレーションオプション(6CP)も展開されないApple CarPlay。兄弟車であるF45/F48もLCIを経て後期モデルになりましたが、未だに設定がありません。にも関わらずConnectedDrive Storeには表示される不思議。あちこち問い合わせ来ないんだろうか?と不思議に思いますが、この状況が変わる様子は全くありません。
※訂正:X1のLCIモデルでは3年38,000円でCarPlayが使用可能とのこと。プレパレーションが標準装備されているようです。
私の場合、JCWに搭載されていたナビ(ID4)に特に不満もなかったので(というか、そもそもあまりナビ使ってないかも)CarPlayが使えなくて困ることはあまりないのですが、使える『前段』まで来ているのであれば、せっかくだしやっぱり使ってみたい!と思うところ。 (それを世の中ではただの好奇心という)
調べてみた
なぜ、使えないのかを色々と調べてみました。
- ヨーロッパやアメリカのX2に搭載されているヘッドユニットと、日本や韓国(2バイト文字圏?)のX2に搭載されているヘッドユニットは全くの別モノ。日本向けモデルはALPINE製のHEADUNIT High2が搭載されている。ただし、画面や操作性などの見た目は一緒。
- 日本向けX2に搭載されているヘッドユニットは仕様的にCarPlayに対応している。ただし機能を利用するにはWiFiアンテナが搭載されていることが条件となる(理由は後述)
- ただしConnectedDrive StoreでCarPlay有効化ができる場合、サブスクリプション制となっており、永久利用はできない(←甚だ謎。なんでこんなボッタクリ以下略)
- ConnectedDrive Storeで有効化が利用ができない場合、何らかの方法でFSCコード取得+コーディングが必要。
ということだそうです。つまりは、ConnectedDrive Storeで購入できないX2オーナーは、WiFiの有効化をした上でFSCをごにょごにょすればCarPlayが利用可能となる、ということがわかりました。
ハードル1:WiFiアンテナが存在するのか?
で、装備されているのか否か調べてみるために・・・さっそくX2をバラしてみました。TISによると、WiFiアンテナはHU裏面の9番に接続されているとのこと。ここにアンテナが接続されていない場合、別途アンテナを調達する必要があります。と、いうことで、早速バラシスタート。
あれ?装備されている・・・。と、いうことで第1のハードルはクリアでした。(実はろくに確認もせず、先立ってアンテナを購入してしまいました。無駄遣い。)
ハードル2:ENETケーブルの調達
次に、FSCコードを有効化するために、PCと車体を接続するための『ENETケーブル』と呼ばれるものです。Amazonで探せばさまざまなものが出品されています。仕様はネット上に落ちていますので、部品と電子工作に覚えがあれば自作すること可能。私は面倒なので、Amazonで完成品を購入しました。
なお、これがあればE-Sysを使用したコーディングも可能となりますが、それはそれである程度の難易度があるのでココでは触れません。
ハードル3:コーディング+FSCコードを取得
今回はFSC Mapというサイトで提供されているサービス?を利用します。
利用方法↓
- 上記サイトにて『CarPlay Activation』を注文。(私はフルスクリーン+Video in motionにしました)
- PCと車体をENETケーブルで接続
- 上記サイトで配布されているFemtoEVOアプリケーションを実行
- ECUデータを読み込み、作成されるDATファイルを保存
- (1)で注文後、サイトに表記があるメールアドレスへターゲットVIN(自車のVIN下7桁)と注文内容を記載し、上記DATファイルを添付したメールを送信する
- 1~2時間程度で、代金支払用メールが届くので、PayPalで支払い。(今回は$80)
- 支払確認後、CarPlayが有効化された状態のECUデータが添付されたメール返信されてくる
- もう一度FemtoEVOにて、上記データを書き込み。5分ほど時間がかかる。途中、iDriveモニターに見慣れない画面が出るが焦らない。No Signalも出ます。
- 全て終わるとメッセージが出るので、終了
※ただし、場合によってはiDriveのナビ機能が『ナビゲーション読み込み中』のまま動作しないことがあります。その場合は、『メールに添付された起動用データを入れたUSBを車体に刺す』か『FemtoEVOのStore FSCボタンを押し指示どおりファイルを指定して実行』のどちらかひとつを行うことにより、ナビゲーションが再度動作するようになります。
iDrive上の設定
上記が終わったのち、iDriveメニューから「車両情報設定」→「iDrive設定」→「携帯機器」→「設定」から接続するiPhoneを指定して設定するだけとなります。もしCarPlay有効前にペアリングしたiPhoneがあった場合は、一度ペアリングを削除した上で再度設定すると、無事CarPlayが使用することができるようになります。
※この方法はあくまでアンオフィシャルな方法です。将来的に使用出来なくなる可能性もあります。また、この作業に起因する不具合、故障はサポートされませんので、あくまで自己責任でお願い致します。
Apple CarPlayが使えるようになった!
夢にまで見ていた?Apple CarPlayが目の前に!
まず気がつくポイントとして、BluetoothとWiFi、両方を使用して車両と接続されています。そのため、USBケーブル等で接続しなくてもCarPlayが動作します。だからWiFiアンテナが必要なんですね。また、使ってみた感想ですが、想像していたよりも使えます。特に『ミュージック』アプリについては、ほぼiPhoneの操作性と同じように使えるのは非常に良いです。ただ、ナビ機能については、標準のマップアプリのイマイチぶりがそのまんま反映されているといったところ。Google MapやYahoo!カーナビもCarPlayに対応しましたので、ナビ機能がメインで考えている方については、そちらを使った方が良いかと思います。(私はiDriveナビで十分)
ひとつだけ個人的に残念なのが、CarPlayにradikoが対応していないこと。個人的には、運転=ラジオを聞く、という習慣があるため、出来れば対応して欲しいところ。
※2019年11月現在、iOS最新版でCarPlay使用中にradikoを再生しても車両側から音声が流れないという不具合も発生中。そのため、radiko使用時にはiDrive側からCarPlayの接続を切り、iDrive Bluetooth接続に切り替える必要があります。(面倒くさい・・・)
また、車載が前提の機能であるため、例えばYouTubeやAmazon Prime Video等は当然ながら使用できません。これらを使うためには、iPhoneを脱獄させて・・・(以下略)
喜びも束の間、今度はConnectedDriveが・・・
と、CarPlayが使用可能になって喜んでいた翌日、よーく見ると、iDriveの通信機能が死んでいることに気がつきました。天気予報が表示されず、他の通信利用機能も不動作、Appサポートで通信状況を確認しても『通信不可』メッセージが。
これの解決法としては、Connected Driveメニューが表示された状態でコントローラーの『OPTION』ボタンを押すと出てくるメニューの中に『サービス更新』があります。これを実行した上で、iDriveを再起動すると正常な動作に戻りました。一安心だけど、ちょっとあせった。
コメント
非常に興味のある内容ですが、BMWで提供しているアップデート関係(システムアップデート・地図無料アップデート)は、効かなくなりましたか?
FemtoEVOのページを見るとTool32を利用しマップを削除→新しいマップをインストール→地図用のFSCコードを作成・入力と出ていたのでその辺りが気になりました。
>ふじふじさん
参考になるかどうかはわかりませんが…
先日ちょっとした車両の不具合ディーラーへ入庫した際、ひとまずの対処策でi-levelがアップデート(18-07→19-11)されてしまいました。CarPlay無効状態になって帰って来たのですが、同時にナビが読み込み中状態でストップ。FemtoEVOアプリケーションから再度FSCストアを試したのですが、エラーで撥ねられてしまい、ナビが不動状態に。
よくよく画面を見てみると、012F(日本地図データ)がRejectedとなっていました。そこで、BMW Download Managerから更新用データをダウンロードし、それに付属しているFSCコードをFemtoEVOアプリケーションからストアしたところ、012FがAcceptedとなり無事ナビが動作するようになったことから、アップデートが不可になることはないと思われます。(既に最新版の地図データに更新済みだったため実行していませんが、更新データを入れたUSBを差し込んでみても再度インストールするか?と聞かれます)
ただ、地図データに付属しているFSCコードを読み込ませることでCarPlay FSCがRejectedされるかどうかは試せていないのでわかりません…