社用車F60の走行ペースが順調であれこれ言いたい

MINI F60
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納車から3ヶ月余り。年末から忙しくなる我々のアシとして大活躍のF60 Crossover SE。納車後から既に1万キロを走破しました。毎日長時間乗るが故に見えてきたポイントがいろいろありましたのでご報告。

ACCの性能が悪い??

今まで散々乗り回してきたスバル勢が搭載するEyeSightほどの性能は期待していませんでしたが、F60に搭載されているACC、残念ながら使い物になりません。

具体的には、フロントガラスが汚れていないにも関わらず動作ストップが頻発します。また、何度か前走車がいるのに加速し始める場面も。前者はまぁ我慢できるのですが、後者はさすがにヒヤっとします。X2の場合、強烈な西日が差すときに動作ストップする場面があるものの、普段はほとんど動作が止まることがありませんので、もしかすると「個体差」なのかも。内部ソフトウェアの更新で何とかなるのかなぁ。なお、自動ブレーキの誤警告は何度か発生していますが、誤作動は1度も発生していません。

ただ、冬場の高速道路はたいてい凍結防止剤が大量に散布されている「おかげ」で、フロントガラスがすぐに真っ白になってしまいますから、作動停止が頻発。これはEyeSightも同様、カメラ式の限界ですね。ちなみにレーダー式であればOKなのかというと実はそうでもなく、悪天候時はレーダー部に氷雪がこびりついて動作停止してしまうこともあります。

ワイパーが…

さて、冬タイヤに並んで『冬の重要装備』といえば、ウィンターワイパーブレードがあります。で、F60にはビジビリティPKG(ヒーテッドフロントスクリーン)が装備されているので「まぁそのうち」と思いワイパーを購入していなかったのですが、先日前走車が全く見えなくなるほどのホワイトアウトに遭遇した際、流石に熱線だけでは太刀打ち出来ず酷い目に。

地方出張の最中だったため、とりあえずオートバックスに駆け込みウィンターブレードを買おうと思いましたが…残念ながら、F60に適合したブレードがありません。で、『まぁ兄弟車だから』なんて雑に考えてF54 Clubmanで適合のあるブレードを購入→装着をたくらみ行動したのですが、結果まさかの『アームから別モノ』でした。。。

すなわち『純正品しか選択肢がない』ということですね。結果、1万円をドブ銭。あぁ。。。

冬場のエアコンタイマーは極楽!

以前の記事でエアコンタイマーについて触れましたが、本来は充電器に接続した状態で作動させるのが正しい使い方と思われます。で、出張先のホテルに200V普通充電器が設置されているときには、同時に出発タイマーをセットしておくとすこぶる快適な朝を迎えることができます。

これが国産車であれば、エンジンスターターを装備しておけば出発前にヒーターを作動させておくことも可能ですが、エンジンスターターの装着が容易ではない輸入車において、この機能は重宝以外の何者でもありません。電気ヒーターですが、十分暖かくなります。

ただし使い方にはちょっとコツが必要かも。と、いうのも、出発時間ピッタリにタイマーをセットしておくと、乗車時のバッテリー残量が100%にはならず、少し減った状態からスタートしてしまいます。外気温によって変わるかもしれませんが、充電器の電源供給以上の電力消費があるためかバッテリーからも電力を消費しているようです。もし100%にしておきたいのであれば、多少室内のホカホカ具合は低下してしまいますが、出発タイマーを実際の予定時間よりも早めておくと、バッテリーも再度フル充電状態まで戻すことができます。

ちなみに、前述のとおりですがヒーター動作時の電力消費はそれなりに多いようで、フル充電状態からの電気走行の距離はあまり伸びません。また、電池自体も寒さには強くないため、外気温が著しく低いときには電気走行可能距離表示がされず、MAX eDriveモードも動作しなくなります。

思っていたよりもちゃんと仕事する電動ALL4

除雪がイマイチだと都市部の路面はこんなんになります

F60 SEは『ALL4』を名乗っていますが、以前も記事にしたとおり、前輪がエンジン、後輪がモーターで駆動する仕組みのため、通常走行時に4輪駆動する場面はほとんどありません。そのため、冬場の走破性に少しばかり不安があったのですが、結論から言えば、その不安は杞憂に終わりました。

まず、外気温が低いときの静止状態からの発進時についてですが、積極的にエンジン・モーターが同時駆動します。また、その際にいずれかのタイヤがスリップした場合は、いつもより長く後輪のモーター駆動が動作します。それに加え、直前の制動時にスリップを検知した場合も、停車時にエンジンが始動→ゼロ発進から4輪駆動になります。その介入ぶりが実に自然で『そうそう、今は4輪駆動して欲しかったのよ!』と実感できる場面が多く、実に安心感があります。

もっと言うと、その切り替わりの早さは一昔前の『オンデマンドAWD車』よりも迅速。モーター駆動ゆえの効果なんでしょうか。ちょっとでも『あ、進まないかも』と判断すると、すぐに後輪が駆動してくれます。で、じゃあ外音が寒ければ常にそういう動作になるのか?と思いきや、不必要と判断したときにはいつもどおりエンジンが稼働しません。

凍結防止剤のおかげで積雪が凍らずシャーベット状に。うかつに走るとハイドロ現象に似たことに。

一番感心したのが、除雪が不十分な上に凍結防止剤散布のおかげでグシャグシャのシャーベット状の雪が路上に散乱した高速道路での走行時です。こういう難しい路面コンディションのとき、単一車線を直進する分には轍ができているためさほど問題ないのですが、車線変更時(=轍を超える際)はタイヤが確実にスリップすることから、ヘタするとステアリングを取られてしまい、最悪、スピンアウトしてしまうこともあります。この轍を無事に越すためには、ひるまずに『アクセルを踏む』のが正しい乗り方なのですが、この難しいシチュエーションのとき、SEはしっかり4輪駆動に切り替わってくれるのです。これについては、かなり『出来るヤツ!』と言えます。

総じて、冬道での所作に不自然さや違和感を一切感じませんから、極めて優秀と言えます。さらに驚きなのが、エンジン・モーターの協調制御が優秀なおかげで、冬道走行でも燃費が著しく悪化するということがないこと。こればっかりは本当に感心しかありません。

なぜか内燃機関車と異なる給油口操作

何気に戸惑うのが、他のMINIやBMWがドアロック連動+リッドを押すことで給油口が開く仕組みなのに対し、SEのみ給油口専用の操作スイッチが装備されていることです。SEはバッテリー搭載によりガソリンタンク容量が縮小されていることもあって給油頻度が高いのですが、未だに給油時に『あ、開けてなかった…』と慌てることが。なぜだろう?と思い取扱説明書を確認すると、以下のように記載されていました。

タンク ベンチレーション
この車両には専用の燃料タンクが装備されています。燃料タンクは、車両のハイブリッドモード(中略)のための特別な要求を満たすように設計されています。燃料タンク内にはガソリン蒸気により超過圧力が形成されることがあり、これはフューエルリッドを開く前に逃がされます。

なるほど。そういえばこんな記事があったな。

(2ページ目)BMW 225xeアクティブ・ツアラー - AUTOCAR JAPAN
結果的にガソリン・タンクのキャパシティは15ℓ減の36ℓとなる。電気モードを備えることで、給油のインターバルが長くなることを見越して、タンクの材質をプラスティックからスチール製に変えてある。 バッテリーの影響でリア・シー

EV走行が多いとガソリン消費が減るため、タンク自体を樹脂から金属へ変更したとありますが、その上で気化したガソリンが給油口から一気に放出しないようにする仕組みが備わっているため、他のモデルから一手間備わっているわけですね。

なかなか難しい充電事情

さて、SEを語る上でいちばん外せないのが『PHEV』の部分。特に、その要である充電事情について記してみたいと思います。

以前も記事にしましたが、我が家は自宅充電環境が用意できません。そのため、PHEV車として活用したければ公共充電スポットを利用することとなるわけですが、3ヶ月乗ってみて思うこととしては『煩わしい上にさほど効果がない』というもの。

都市部の充電スポットは争奪戦

一番活用しているのが、某ショッピングモールに設置されている充電器です。1時間弱の買い物タイムついで充電すれば30%程度充電出来るうえに、充電料金が1時間まで無料というスポットが多いため重宝しています(セコい話 笑)ですが、無料のため、時間帯によっては先客がいることも多数。2回に1回は先客がいるといった状況だったりします。

で、止まっているクルマを見てみると実にさまざまな車種が止まっているのですが、一番多く見かけるのが日産リーフ。次いで三菱アウトランダーPHEVやトヨタプリウスPHEVでしょうか。これらの車種は全て急速充電器も利用可能なはずなのですが、普通充電が無料のため、チョイ足し利用する人が多い気がします。

で、大抵のスポットは、急速充電・普通充電それぞれ1基しか用意されていないことがほとんど。タイミングによっては、充電器のまわりに「充電しようと思ってやって来た」と思わしきリーフやプリウスPHEVが複数台止まってることも。(みんな考えることは一緒だよな、と思いながら私も充電器のそばに駐車する 笑)で、急速充電は30分の利用制限があるため譲り合いが可能と思いますが、普通充電は最大1時間利用可能のため、譲り合うのがなかなか難しい部分があります。

もうひとつの問題として、普通充電スポットに非電化車が駐車されていることが多々あることです。事業者によってはカラーコーンを設置してあり、充電利用する人が停められるように配慮されているところもあるのですが、そういった配慮がされていないところもある程度存在します。

地方は絶望的

さらに言うと、我々の主戦場である北海道の片田舎では、そもそも充電スポットが存在しないことのほうが多く、まだまだインフラ整備が整っていない感があります。以前も記事にしたとおり、新設されるスポットはほぼ急速充電のみ。F60が急速充電できるのであれば良かったんですが。

実は地方でも、トヨタディーラーには比較的多く充電器が設置されています。ですが、未だに利用したことはありません。ディーラーで充電出来たとしても、地方のカーディーラーは市街中心部に存在することは少なく、大抵市街地郊外に存在することが多いため、時間の潰し方が見出せないからです。クルマ買うつもりもないのにディーラーで1時間過ごすのは億劫すぎます。

一番ありがたみのあるスポットは宿泊施設に設置されている普通充電器。F60に乗るようになってからは、充電器が設置されているかどうかでホテルを選ぶようにしています。ですが、こちらも大抵1基しか用意されていませんので、純EV車とバッティングしてしまったら、PHEV車は譲ってあげるべき立場なんだろうなぁと思いつつ。今のところそういったシチュエーションはありませんが、ほとんどが先着順利用ですので、チェックイン時に停めたあとで移動をお願いされても動かせないこともあるしなぁ、と思うと何となく気が引けます。

こんな気を遣うんであれば、いっそ…

で、結論じみた話。こんなアレコレ考える割に、EV走行が30km程度しか出来ないことを考えると、いちいち充電するのが億劫になってきます。ハイブリッド走行でも10~15km/L程度の燃費性能を有していますので、たった数Lのガソリン代と充電ストレスを天秤にかけると『何がなんでも充電しなきゃ!』とは思わなくなってきました。現状は、出来ればラッキー!ぐらいの感覚で乗り回すのが良いです。

で、我々のクライアントとEV・PHEV車の話になったときには、こう伝えています。

『今はまだ、電動車買うタイミングじゃないですよ』

2030年代には内燃機関禁止となる動き。これ自体はよろしいことと思いますが、増え続ける電動車の充電ニーズをカバーして余りあるぐらいのインフラの整備が必要に思います。そのためには事業者に補助金を与えて充電スポットを増やすのではなく、ヨーロッパ各国のように路上のあちこちに充電スタンドがあるぐらいの普及度合いで無ければ意味がありません。

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