楽しみにしていた新型スバル・レヴォーグ【後編】

レンタカー
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前回に引き続き、新型スバル・レヴォーグの雑感を。

インフォテインメント

表示が綺麗な液晶メーター、良好なオーディオ性能

UIとメニュー構成がチグハグで残念なセンターディスプレイ

さて、前述のとおり室内の目玉は11.6インチの大型センターディスプレイ。EyeSight X搭載車に標準装備・非搭載車はOP装備です。先に搭載された新型レガシィ(※日本では現状未発売)に引き続きレヴォーグにも採用されました。上部には外気温と時計が、下部にはエアコン操作部が固定表示される仕組みで、上部2段目エリアにはオーディオ情報・ナビ案内・アクセル開度や燃費等の走行情報ウィジェットを表示することができます。

操作性はタブレットライクなものとなっており、iDriveのような操作コマンダーは存在していません。画面の外周にはエアコンの左右温度調整・オーディオボリューム調整などのボタンがあります。なお、ナビゲーションはデンソー製、マップはトヨタマップマスターを採用していることもあり見た目がトヨタ車っぽい雰囲気(笑)で、肝心の操作性ですがタッチパネルの応答性はあともう一歩というところ。また、メニュー体系もトップメニューから設定するものと、ナビ画面から設定するものが別れていたりとまとめ切れていない印象。UIも一貫しておらず、ちぐはぐ感があって洗練さがイマイチ。

また、車載通信機が搭載されておりコネクティッドサービス(SUBARU STARLINK)が国内販売車で初採用されたのですが、現状はリコール通知や緊急通報機能のみ。せっかく大画面ディスプレイがあるのですから、もっといろいろな情報を得られるようであればいいなぁと。今後、進展していくのでしょうかね?

Apple CarPlay/Android Auto対応

最新のクルマなだけあって、Apple CarPlayとAndroid Autoが標準装備されています。CarPlayを試してみましたが、縦長画面サイズに合わせてCarPlayも縦長に表示できるんですね。なお、接続はUSBのみ。ちなみにセンターディスプレイ自体にはカーナビ地図更新用にWi-Fi接続機能が存在していますので、後にワイヤレスCarPlayに対応するんでしょうか?

ついにメーターもフル液晶

いよいよスバル車にもフル液晶メーターが搭載。EyeSight X搭載車に標準装備されます。12.3インチの大画面で、アナログメーター表示の他、VWやAudiでお馴染みのマップ表示、EyeSightの動作状況を大きく表示する3つのモードから選択することが可能です。どのモードも、ステアリング左下にあるスイッチにより、オーディオ情報や燃費計、始動後走行時間+距離などの表示を切り替えて表示することができます。写真写りが悪いですが・・・液晶は高精細で表示がとても綺麗です。

意外と良い音を鳴らす純正オーディオ

先代レヴォーグや現行インプレッサ・フォレスターについては社外2DINナビやディーラーOPの社外ナビが選択できますが、新型は前述のとおりEyeSight X装備グレードを選ぶと社外ナビは装備できなくなってしまいました。そのためオーディオ系を入れ替えることが不可能になったわけですが、純正オーディオの音がそれなりに良くて個人的にはコレで十分かな?というデキ。イコライザは低音・中音・高音の3区分でしか調整できませんが、初期状態でもさほど不満ありません。スピーカーは各ドアに1個+ダッシュボード左右に1個ずつで計6個装備。タイムアライメント機能はありませんが、ボーカルイメージコントロールがあり、音域位置の調整が可能です。

まぁ、コレで十分だよなぁなんて思っていたら、ダッシュボード上部中央に謎のグリル発見。もしかして改良でセンタースピーカーを装備するつもりか?というか、一昔前のレガシィのようにHarman/Kardonでも搭載か?と思ったのですが、ここには既にSTARLINKでオペレーター通話する際のスピーカーが装備されているとのこと。

安全性

ようやく(再び)まともになったEyeSight制御

特に目立った欠点なし!

アイサイトX | SUBARUの総合安全 | SUBARU
究極のぶつからないクルマを目指して。衛星の目とクルマの目で全方位をカバーする、新次元の先進安全技術が死亡交通事故ゼロの未来を実現します。まずは、新型レヴォーグから搭載。

新世代に切り替わったEyeSightですが、今までの日立AMS製カメラからスウェーデンのヴィオニア製カメラに切り替わりました。その理由はいろいろあるようですが、広角化と高画素化が主立ったテーマだったようです。また、ステレオカメラに加え前後4箇所にミリ波レーダー(旧型はリアのみ2箇所)を装備したことで、出会い頭事故や飛び出しに対する支援が追加・強化されました。旧世代の「ツーリングアシスト」に搭載されていた操舵支援、歴代EyeSightに搭載されていたACCや自動ブレーキ機能も性能が向上しているとのこと。

また、準天頂衛星システムによる位置情報と3D高精度地図データを組み合わせた運転支援が「EyeSight X」という名称で新搭載。これにより、レーンチェンジ支援やカーブ・料金所における速度制御のほか、渋滞時のハンズオフ自動運転が実現したそうです。

制御がようやくまともに

以前の記事で、インプレッサ・XVに搭載されている支援システムが制御過多で逆に使いづらいという話題を書きました。改めて振り返ると、車線中央維持機能の制御が唐突かつ強力すぎてスムーズさに欠け、結局制御をOFFにしたほうがスムーズに走れるというもの。実はこの件、同じインプレッサ・XVに乗る機会のあるスタッフ達も同様の意見だったようで、ほとんどOFFにしているという話。北海道ならではの理由(冬場の頻繁な除雪により道路の車線が消えてしまい、結果クルマ側が車線認識しづらい)も十分あると思うのですが、せっかくの安全デバイスがまともに動かず、かつ使ったら使ったでヒヤっとするというのはあまり良いことではありません。

その点、新型レヴォーグのEyeSight性能は期待にしっかりと応えてくれる内容に仕上がっていました。明らかに旧世代のものより車線認識が上手になり、かつ制御も自然で柔軟に介入してくるようになりました。ACC使用時に先行車がいる場合の減速も唐突さが消え、安心して任せていられる状態まで向上。メーター内の動作状況を見る限り、以前よりも早めにブレーキランプを点灯させている=後続車に対する安全性も高まっている印象。この点は非常に満足できる結果に。

EyeSight Xの実力

さて、新技術のEyeSight Xの実力についてですが・・・残念ながら高速道路でほとんど渋滞が起こらない北海道内では自動運転を試せる場所がありません(笑)せいぜい使えるのがアクティブレーンチェンジ支援と料金所前の速度制御ぐらい。EyeSight Xが動作するのは高速道路上のみとなるため、一般道ではボタンを押しても起動しません。高速道路走行が始まるとメーター上で動作可能表示が表示されるので、ステアリング上のボタンを押すことで起動します。

レーンチェンジはワンタッチウィンカーでは機能せず、左右ウィンカーを発動することで機能します。時間としては5秒ぐらい(点滅で言えば7〜8回程度)で車線変更するためかなりゆっくり変更する印象です。なお、ウィンカー・ハイビーム切替レバーはBMWと同じく操作してもセンター位置に戻る電子式になりました。以前は機構式だったためオートハイビームを設定する際はハイビーム位置にウィンカーレバーが行ってしまう=ウィンカーレバーがステアリングから遠くなる煩わしさがあったのですが、これで解消されました。

ドライバーモニタリングシステム

現行フォレスターから採用されたドライバーモニタリングシステムが新型レヴォーグにも採用。フォレスターのときは居眠り・脇見警告と、顔認識プロファイル機能(シートメモリーや設定など)が装備されていましたが、レヴォーグの場合、その機能が持つ意味合いが変わります。と、いうのも、EyeSight Xによる自動運転機能については、ドライバーの状態をカメラで確認するようになっており、それによってハンズオフアシストなどの先進機能が動作する仕組みになっています。

で、この顔認識機能。認識能力自体は劣っていないと思われるのですが、昨今のコロナ禍によるマスク着用によって、カメラが顔を認識できないという弊害があります。これはiPhoneのFace IDなども同様なのですが、あくまで顔認識機能は目線だけでなくいろいろな顔のパーツを認識しているようなのです。

顔認識によるプロファイル機能は、基本的に乗車時に認識アクションがあります。そのため、マスクをした状態でクルマに乗り込んだ場合、すぐにマスクを外さないと認識失敗となってしまいます。ちなみに再度認識プロセスを実行するためには、センターディスプレイからメニューを辿って・・・と面倒な作業となってしまいます。

なお、よそ見・脇見に関しての警告、また目を閉じた状態での居眠り警告発出はかなり頻繁かつ正確に行われます。警告を発してもなお状態が変わらない場合、自動で減速→停止やハザード・ホーン発出が行われます。

もはや死角なし・・・?

前述のとおり、車両前方・後方に2個ずつミリ波レーダーセンサーが搭載されているのですが、その上でフロント中央・助手席側前方・リアの3箇所にカメラが設置されています。これ自体は今までのスバル車でも採用されているものですが、センサーとの組み合わせでますます死角がなくなったように思います。実際、ここまで周囲を監視している状態ですから、事故が起きる確率はかなり減少しているのでは?と思います。

ちなみに先代レヴォーグに引き続き、新型にもEyeSightの動作状況をフロントガラスに投影するモニターも装備。あえてヘッドアップディスプレイを採用しない理由はわかりませんが、インプレッサやフォレスターにはない装備で、シンプルながら安心感があります。

2点ほど注文を付けるとすれば、せっかく縦長ディスプレイを採用しているんですから、カメラ画像の写し方を工夫してくれればよかったのに、と思います(写真にあるとおり、縮小して表示していて見づらいのです)

また、引き続き電気式サイドブレーキが装備されていますが、オートビークルホールドの物理スイッチがセンターコンソールからなくなり、ディスプレイから操作しなくてはならなくなりました。更に言うと、AVHはエンジンを切ると毎回OFFになってしまうため、できれば設定を保存してくれればと思うのですが。

まとめ

期待していた新型レヴォーグは、思っていた期待どおりの良く出来た1台でした。特にここ最近のスバルのコアであるEyeSightが着実に進化し、再びライバルを大きく引き離した結果となったことは素直に賞賛すべきことだと思います。2020年のカーオブザイヤーグランプリを受賞したそうですが、その理由がよーくわかります。少なくとも、運転に自信のない人であっても、現状はこのレヴォーグを選んでおけば間違いないですよ!と間違い無く言えます。あと、久々に(そんなに運転が好きじゃない)ヨメ氏に運転してもらい助手席に乗ってみましたが、この鉄壁感は何事にも代えがたいぐらい安心感があって凄く良かったです。

ですが、個人的には『良く出来たクルマなのに、何故かときめかない』1台に思ってしまいました。

乗り心地が良く、安全デバイスを含めた装備もコレ以上ないぐらい充実しているのですが、その反面、どことなく無味無臭なクルマになってしまったような気がするのです。よく言えば、気張らずとも等身大で付き合えるクルマになったのでしょうけど、私がクルマに求めるイメージからはちょっと外れているのです。言い換えれば、『運転をしている』のではなく『機械の動作を常時監視し適切にオペレートしている』感覚が強く、ふと『・・・あれ、俺今何してんだ?』と思ってしまうぐらいの無味無臭感。これでは、ドライビングとは言わず、オペレーションと言った方が良いのか。

じゃあEyeSight使わず走れば済む話じゃないの!という話になるわけですが、その点で言えばこのエンジンはちょっと物足りない印象。やはりハイパワー版が欲しいなぁと思ってしまうところ。

で、もしこのレヴォーグが電動車だったとしたら・・・それはそれでもの凄く私にブッ刺さるクルマに成り得ると思います。先進性の塊であったとしたら、旧来の『運転を楽しめるクルマ』ではなく『新しい時代にふさわしい移動体』として認識できれば、見方も大きく変わるでしょう。

でもこのクルマには(新設計と言えど)旧来のエンジンが載っかっています。そして、旧来のクルマのように、多少なりともハンドリングを詰めて開発した形跡を感じます。なのに無味無臭なので、どことなくトヨタのクルマに乗っているような気分になってしまうのです。

そう思いながら、レヴォーグをニッポンレンタカーに返却し、車検が終わったばかりのX2に乗った瞬間・・・『ああ、私が好きなクルマって、こういうことなんだよなぁ』と思ってしまうという。贅沢というか、何というか。。。

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