タイヤ選びは計画的に…?

MINI F60
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少し前(2024年1月)の話。

社用車としてF60を購入した直後に調達したスタッドレスタイヤ(MICHELIN X-ICE SNOW)も今回で4シーズン目。昨年秋の時点で『もしかしたらこの冬を越せないか…?』と思いながら装着しましたが、その予想どおり一冬を越せず寿命を迎えました。

昨シーズンにFr側で使用→今シーズンはRr側に装着。完全に終わりました。

理由は↑コレ。プラットフォームまでしっかり使い切りました。シーズンインの時点ではまだプラットフォームまで残溝がありましたが、6,000kmほど走ったことで後輪側がプラットフォーム露出状態に。そうなると一気にグリップ感が落ち込み、TCSとDSCがないと走行できない状態に。

出来ればこの後登場が期待できる2024年新型スタッドレスを買おう、なんて思っていたんですけど・・・流石にこの状態であと数ヶ月は無理。不本意ながらシーズン途中で交換です。

スタッフ評価がイマイチなX-ICE SNOW

4シーズンに渡って使用したX-ICE SNOWはどうだったか。個人的な感想は『トータルバランスの高い良タイヤ』というものでした。このタイヤ最大メリットは高速走行性能の高さ。X-ICEシリーズは長らく高速走行や乾燥路走行時の性能に重きを置いていましたが、その優位性は最新版X-ICE SNOWでも健在。乾燥路であればまるでサマータイヤのように走れますから、降雪の少ないエリアのスタッドレスとしてはこれがベストなのではと思います。

その上で、X-ICE SNOWは積雪・アイスバーン路面走行時の縦方向グリップが大幅に強化されたことも特筆に値します。これまでのモデルは高速性能と引き換えに制動距離性能がトレードオフされた印象がありましたが、X-ICE SNOWはよく止まり安心感は飛躍的に向上。他メーカー銘柄と比べてもよく出来ています。

一方、残念なのが横方向のグリップ感。これについてはもう少し何とかならないか?と思ってしまいます。特に気になるのが、アイスバーンやシャーベット状積雪路面走行時における微妙な左右動の目立ち。いわゆる微少なふらつき状態が続き、終始チョロチョロと車体が揺すられる印象が強いのです。

もともと直進安定感が薄いF60 SEであれば、余計にその感覚が増幅されてしまいます。横方向の心許なさは同じX-ICE SNOWを履くR52や、X-ICE XI3を履くF39でも同じ傾向にあるため、X-ICEシリーズの弱点と捉えています。印象値で言えば、SNOWより旧銘柄XI3のほうがまだマシだったような印象です。

もうひとつ特記しておきたいのが、回転方向指定のX-ICEシリーズはタイヤローテーションが難しいこと。昨シーズンはスタッフにシーズンいっぱい委ねっぱなしにした結果、空気圧不足状態で走り回ったことからノコギリ歯状の偏摩耗が発生、走行ノイズが大きくなってしまいました。

この場合、前後左右とローテーションを行い症状を柔らげることも可能たったのでしょうが、回転方向指定の場合はそれが不可能。またまた勿体ないことになってしまいました。もっとも、X-ICEは空気圧変化に敏感なタイヤに思うので、ノーチェック・ノーメンテで乗る自体がNGなんですが。。。

タイヤのライフについて。4シーズン経過してもゴム硬度の落ちは少なく、更にプラットフォーム限界までは性能が大きく変わることがないことを鑑みると、十分な性能を有していると思います。保管状況さえ良ければ5シーズンぐらいまでは大きな問題なく使用可能に思います。

総じて、高速移動が多くグリップ感の変化に対応して走れる向きであれば良タイヤに思いますが、万人受けする性格のタイヤではないという感想です。何も考えずに安心して乗りたい向きには王者VRX系統のほうが良いかもしれません。

今回の候補

このタイミングでの買い替えはまったく想定していなかったため、慌てて品定めスタートします。

ですがスタッドレスを買うタイミングとしては『遅すぎる』ところ。北海道では例年9月から11月がスタッドレスタイヤ販売の最盛期。当たり前ですが降雪前に新タイヤを調達し積雪に備えるわけですから、年明け1月にタイヤを買うのはパンク等で急遽購入するか、車両入替に伴って購入するぐらいしかないでしょう。

当然、店頭在庫も限られており特殊なサイズはほとんど取り寄せ。225/50R17は純正装着車種があまり多くなく、国産車ではスバルXV・マツダ6・日産スカイライン、輸入車ではMB・BMW・VWの一部モデルの一部グレードが採用するに限られており店頭在庫はまずお目にかかれません。

ちなみにR52が履く175/65R15やオーリスの195/65R15であれば、国産車でも純正装着車種が多いため、店頭在庫は1月になっても比較的充実しています。その上、シーズンオフが近いこともあり在庫処分セールになっていることもあります。

どうせ店頭在庫がないのであれば、通販利用が現実的。候補を絞ってリサーチします。

本命:ブリヂストン VRX3 225/55R17 97Q

まずは本命。スタッフ評判から行けば、絶対王道であるVRX3が一番無難な選択肢でしょうか。性能については先日代車でお借りしたF55 SDでチェック済み。縦グリップはもちろんのこと、横グリップも普通に走行している分にはシッカリと効きます。一方でグリップ許容量を超えた時はいきなりズルッと滑るので、徐々にズルズルと滑り出すX-ICEよりもタイヤの状態が判りづらいという側面もあります。

コレ選んでおけば間違いなし的選択肢なのは判っているけど、王者は相変わらず強気価格で、1本3万円オーバーという結果に二の足を踏んでしまいます。

次点:MICHELIN X-ICE SNOW 225/55R17 101H XL

MICHELIN (ミシュラン) X-ICE SNOW 225/55 R17 101H XL
ミシュラン(Michelin)
¥23,540(2024/04/26 15:02時点)
更に進化したアイスブレーキング性能

次点はコレ。スタッフ評判がイマイチなX-ICEも、価格次第では再登板もアリ。今買うといくらだろう?と思って調べてみると、以前より少しお手頃な価格に。2020年当時から何度か値上げが実施されていますが、登場から数年が経過したことで市販価格は下がり気味なのでしょう。

4本でぎりぎり10万円を切る価格で調達可能ですが、本音を言うと他の銘柄を試してみたいところです。

大穴:PIRELLI ICE ZERO ASIMMETRICO 225/55R17 101H XL

【交換サービス対象】 PIRELLI(ピレリ) スタッドレス 225/55R17 101H WINTER ICE ZERO ASIMMETRICO 1本 4070000
PIRELLI(ピレリ)
¥18,150(2024/04/26 15:02時点)
トータルなウインターパフォーマンスを提供するため、日本の冬に向けて開発されたスタッドレスタイヤ

じゃあ何を試してみたいかというと・・・コレ。PIRELLIの最新モデルです。もともとライバルメーカーより廉価なPIRELLIのスタッドレスですが、2022年に登場した『ZERO』を称するモデルは性能が著しく向上しているという評。

そしてPIRELLIスタッドレスの最大の強みはプライスの安さ。新型モデルでもVRX3の半額で、X-ICEよりも安いのは今も変わらず。ダメ元でも試してみたい衝動に駆られます・・・。

選択肢はまさかの

MADE IN CHINAです

さて、検討の結果何を買ったかというと・・・まさかのContinental NorthContact 6 225/55R17 97Tです。

スタッフ評価イマイチなMICHELINよりも評価が期待できないContinentalを履かせたのはもはや暴挙と言わざるを得ません(笑)実際、冒険してみました・・・。あとでスタッフに怒られるかな・・・?

興味本位のチョイスなのはアレとして、たまたま近所の中古タイヤ販売店にて2022年製の未使用在庫品があったことが要因。即取付可能ということでコレを選びました。希望銘柄からは外れましたが、新品価格より格安で販売されており、保管状況も悪くなかったのでほぼ即決でした。

全くと言っていいほど評判が聞こえてこないNC6

左右非対称パターン。VikingContact7は回転方向指定ですが、こちらは指定なし。
日本の冬の道路事情によりフォーカスしたスタッドレスタイヤ NorthContact NC6 | コンチネンタルタイヤ
「ノース・コンタクト NC6」は、ドイツで設計されたコンチネンタル初のアジア戦略スタッドレスタイヤです。

Continentalスタッドレスは完全ノーマーク銘柄で事前知識はゼロ。改めて調べてみると、NorthContact NC6は2019年から販売されているモデルでした。

ちなみにContinentalが販売するスタッドレスは2モデルあり、トレッドパターンが全く異なるVikingContact 7(こちらは2018年デビュー)も販売されています。VC7はワールドワイド製品として販売される上位モデル的位置づけである一方、NC6は普及帯モデルとしてアジア圏で販売されるもので、メインターゲットは中国と日本とのこと。独自設計としてアジア圏の気候に合わせ氷上性能と低温性能を高めたとあり、北海道においてはVC7よりもこちらのほうがハマるのではと期待できます。

今回購入店は道央圏では知名度高い自動車リサイクル会社の中古タイヤ販売店。時期も時期なので店と工場は客ゼロで即交換作業でした。

ただ、NC6に関するWeb記事やクチコミはほぼ皆無。Continental自体のプロモーションも少ないのでしょうが、評判が全く見えてこないので何だか人柱状態(笑)それでも、サマータイヤでは輸入車OE装着率も高く、代車等でその良さを感じることもあったので、期待と不安が混ざりつつ作業終了を待ちます。

ウィンターシーズン真っ只中での交換はオススメできません

高速道路の画。前日は猛吹雪で通行止めでした。

無事、新タイヤ装着できましたが問題は慣らし走行。セオリーから言えば、シーズンインの前に数百km慣らし走行を行って表面を削り→積雪に備えるものですが、1月の北海道はどこも積雪路面・・・。これでは慣らしたくてもなかなかできません。

履き替え直後の時点で溝ナシX-ICE SNOWよりはグリップしますが、それでも滑る・・・。スピードはいつもより大幅に控えめにして、なるべく路面露出がある一般道を走り少しずつ慣らしを実施しました。1,000kmほど走ってようやく表面少し削れたかな?と思えるレベルでしたが、改めて計画的な調達をしないととても面倒だと思い知りました。

思っていたより良い感じ、けど際立つポイントは限定的

タイヤサイドはかっこいい

その後、5,000kmほど走った感想を。

まずNC6の全体的な印象としては、思惑どおりX-ICEシリーズに似た印象を持つタイヤです。こちらも速度記号「T」を持つタイヤですから、終始剛性感のある走り味に仕上がっています。特に、乾燥路ではX-ICE以上にサマータイヤに近い走り味で、ステアリング操舵感が重めなのが特徴的です。ちなみにロードノイズについては大差なく、少しうるさいかな?というところ。

肝心のグリップ感は、『思ったよりもあるけど・・・うーん』というものでした。そこそこと評すぐらいのレベルです。縦方向のグリップに関しては必要十分ですが、路面μが低い状態のアイスバーン路や氷盤路での発進時はTCSが頻繁に作動するところから言うと、X-ICEよりやや性能ダウン。それでも致命的なものではなく、走らない・止まらないの部類では(全く)ありません。

一方で、心許ないのが横方向グリップ。X-ICEと同じ傾向にあり、チョロつき具合も似ています(笑)X-ICEと違う点は回転半径の大きいコーナリング時のグリップ変化。X-ICE比でもグリップが少し足らず、序盤から弱アンダーが出てきます。また、一番苦手なシチュエーションは凍結した交差点の右左折のような回転半径がとても小さいときの挙動。けっこうケツを振ります。乗る人によっては「ずいぶん滑るなぁ」の評価になるでしょう。

総じて、印象としては(Continetalさんには申し訳ないけど 笑)ジェネリックX-ICEのようなタイヤ。前述のとおりシチュエーションによってはX-ICEより優れている印象もあります。ただ、寒冷地での使用という点では積極的に選びづらい銘柄に思います。少なくとも万人受けするものではないというのが結論です。

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