かなり期待できそうなPeugeot 3008 GT HYBRID4【試乗編】

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さて、前回はマイナーチェンジ前の3008について盛りだくさん書きましたが、今回はいよいよ本題の後期型3008について触れてみます。1月にマイナーチェンジモデルが発表されてから数ヶ月、ようやくディーラーにGT HYBRID4の試乗車が配備されたとのことだったので、試乗がてらチェックしてきた雑感を交えて新型3008のあれこれをお伝えします。

新型3008の変わったポイント

今回のマイナーチェンジで変わった点をまとめると、以下のとおり。

  • 全車フロントデザインを変更(ついでに全車フロントフォグランプ廃止)
  • PHEVモデル『GT HYBRID4』が追加
    このモデルのみ、eリモートコントロールを追加装備
  • GT Lineトリムの廃止(Allure/GTの2トリムに整理)
  • GTグレードにフルLEDヘッドライトを新搭載
  • 全車テールランプのデザイン変更(シーケンシャルターンインジケーター搭載含む)
  • 全車シートの変更(表皮見直し&GTグレードに座面奥行き調整が追加)
  • レーンキープアシストに加え、レーンポジショニングアシストが追加
  • スピードリミットインフォメーション→トラフィックサインインフォメーションへ進化
  • Allureにディーゼルモデル追加
  • AllureにACCとLEDヘッドランプが標準装備、それに伴いAllure LED Packageグレード廃止
    ただしフォグランプ廃止に伴いコーナリング機能が消滅
  • ファーストクラスパッケージ廃止→一部装備がGTグレードに標準化(電動パワーシート・フロントシートヒーター・マルチランバーサポート)
  • レザーパッケージの新設→360°ビジョン・パークアシスト・パノラミックサンルーフとナッパレザーがセットオプション化(※GTトリムのみ、パノラミックサンルーフ単体でOP装備可能)
  • ガソリンエンジンの燃費性能向上
    パワー・トルクは同一、圧縮比が10.2→10.5となり、WLTC燃費が13.4→15.6km/Lへ向上

今回のマイナーチェンジはフロントの見た目が大きく変わったこととPHEVモデルが新規設定されたことがメインなのですが、安全装備のブラッシュアップも行われています。また、あまり積極的に触れられていませんがガソリンエンジンの燃費性能がかなり向上しており、ディーゼルモデルとの燃費性能差がかなり縮まったので、あえてガソリン車を選ぶというのもアリかもしれません。なお、新旧価格差については以下のとおり。

AllureAllure
LED Pkg
Allure
BlueHDi
GT LINEGT LINE
BlueHDi
GTGT
BlueHDi
GT
HYBRID4
旧価格3,777,0003,961,000設定なし4,187,0004,636,000設定なし4,586,000設定なし
新価格3,976,000廃止4,320,000廃止廃止4,392,0004,736,0005,650,000

Allure系で見れば、旧Allure LEDパッケージが現行Allureとほぼ同じ装備ですので、そう考えるとちょっとだけ値上げ。GT系は装備がアップグレードされているため純粋に比較が難しいですが、ほぼ変わっていないと見て良いと思われます。ややこしいのが旧仕様の「GT LINE」と「GT」の違い。なぜか上位グレードの方が安いように見えるのですが、これはGT LINEにシートヒーターや電動シートが搭載されているため逆転しているようです。

大本命・3008 GT HYBRID4をチェックする

さて、前述のとおり日本においてもPHEVモデルを選択することが可能になりました。個人的に待ちに待った1台。4月になり、ディーラーに試乗車が入ったとのことなので早速チェックしてまいりました。

今回、試乗もしてきたのですが…デビューフェアということもあり試乗車がフル稼働していた関係で写真は一切撮影できていません。と、いうことで文章メインでスミマセン。

見た目に差異ほとんどなし

まず、見た目の点ですがエンブレム以外の差異がさっぱりわかりません。ディーラーに到着すると2台の3008試乗車(しかも同じパールホワイト外板色)が停まっていましたが、正直見分けがつきません。個人的には、F60 SEの装飾はちょっとやり過ぎと思っているのでこれで良いです。

荷室収納能力は非電動車とほぼ一緒

トランクですが、やはりF60と同じくトランク底面にバッテリーとモーターを収納する関係から、トランクマットをめくると鉄板が現れます。ただし、このスペースにはもともとスペアタイヤが鎮座していたことから、収納能力はほぼ変わっていないとのこと。

ガソリンタンクが縮小されています

ガソリン給油口は運転席側後部、充電口は助手席側後部にそれぞれ配されています。

また、PHEV化に伴い燃料タンク容量が52→43Lへ減らされているのはF60と同様の扱い。また、これまた同じくタンク内圧管理と安全性の観点から給油口の取扱いが変わっており、給油口オープン操作をしてからしばらく待たないと給油口が開きません。また、ノーマル車はフィラーキャップがない(給油口をそのまま差し込む)のですが、PHEV車は他メーカーのモデルのように、キャップが存在します。なお、給油口は運転席側、充電口は助手席側にそれぞれ配されています。

3008 GT HYBRID4 短時間試乗の雑感

ディーラー到着直後、さっそく試乗と相成りました。今回の試乗コースは平坦な市街地コース。起伏あるルートがあれば良かったのですが、前述のとおり週末の夕方にお邪魔したためムリも言えず…機会があれば高速道路走行を試してみたいところです。

リアサスペンション形状が変わっています

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試乗時、セールス氏から開口一番『PHEV車だけリアサス違うんですよ』という説明が。後輪のサスペンション形式がトーションビーム式からマルチリンク式に変更となっているようです。これは4輪駆動化+重量物積載のための変更でしょう。気になって調べてみると、同じEMP2プラットフォームを採用するDS7や508はリアがマルチリンク化されているようで。ちなみにどちらのモデルにも4輪駆動のPHEV車が用意されています。

ちょっと乗り心地がよろしくない…?

で、気になる乗り味ですが…やっぱり重量物を載せているためか、いささか落ち着きがありません。特に後部からもたらされる落ち着きのなさが感じられ「あれ?3008ってこんなんだったっけ?」と思ってしまいました。ノーマルモデルの乗り味がけっこう良好だったので、これは少々残念なポイント。ちなみに、非モーター搭載車の3008 GT(ガソリン)の重量が1,490kg、GT HY4が1,850kgとあり、360kgの重量増。当然足回りのセッティングは通常モデルとは異なると思いますが、もっとどっしりとした乗り味を期待していただけに、何となく想像するものと現実が違いました。もしかしてタイヤのせいか?と思いましたが、試乗車のタイヤはスタッドレスではなく、純正タイヤ(Michelin Primacy 4)が装着されていたので、であれば足回りの設えの問題なのかもしれません。

パワートレインの印象は最高です

ですが、そのガッカリを補って余りあるパワートレインの快活さは特筆すべきものがあります。デジタルメーターに表示されるエネルギーフローを見ていると、F60 SEほど後輪モーターは活用されず、基本はエンジン+フロントモーターで走り、後輪モーターは減速時に回生するという働きっぷりでした。言い換えると、ATミッションに組み込まれているフロントモーターのアシストを主体に走っている印象を受けます。フル加速の場合は、前後モーターが機能するわけですが、システム出力300psなだけあって驚くほど猛然と加速します。

で、電動車ならではの気になるポイント、モーター特性ですが市街地テストコース上では良い感じに「なましてある」印象を受けます。唐突感がなく、穏やかだけどスムーズにアシストしてくれる感はF60 SEと同様。ゼロ加速からそこそこパンチがある加速というよりかは、自然に押し出す感じに近い印象です。

ドライブモードを変えれば良かったのね

また、前述のとおり前輪駆動が主体で走行し、後輪駆動・四輪駆動にはあまり切り替わらない点についてセールス氏に尋ねたところ、ドライブモード選択をすることで駆動具合を変えられるとのことでした。試乗時はバッテリー残量がなかった(※充電するか尋ねられましたが、あえていつもの環境と同じく電池がない状態で乗りました)のでハイブリッドモードで走行しましたが、4WDモードを選択すると、もっと後輪モーターが活躍してくれるようです。

デジタルメーターはとてもイイんだけど、どうして?

前述のデジタルメーターですが、ようやくこのPHEV車で活用具合が増えた印象。駆動や回生ブレーキの動作状況が見やすい位置で把握できるのがいいです。F60の場合、センターディスプレイに表示されるわけですが、見た目もあんまり「かっこよくない」ので、こういうギミックは十分その気にさせてくれます。

で、ちょっと注文つけたいポイントがひとつ。ダッシュボード中央部に存在するi-Cockpitタッチスクリーンですが、本国仕様は10インチなのに対し、日本仕様は横に短い8インチ(旧仕様)である点がいただけません。ライバルモデルが軒並み大画面化されている中で、なぜこの仕様なのかはわかりませんが、せっかくであればここもアップデートして欲しかったと思ってしまいます。(そのうち、しれーっと仕様変更するのかね)

値段が…

さて、肝心のお値段。OP未装備で565万円です。スタート価格は現行のF60 SEより多少高めの設定ですが、吊るしの装備内容は3008のほうが上のため、同様の装備にアップグレードするとだいたい同じ価格帯(500万円後半)になります。ですが、3008GT BlueHDiが473.6万円というプライスタグなのを考えると、とても高く感じてしまいます。

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R2年度第3次補正予算 CEV補助金に係る交付規程・手引きの情報ダウンロードできます。CEV、EV・PHV用充電設備、水素ステーション、サポカーの補助金交付を行う一般社団法人次世代自動車振興センター。環境・エネルギーに優れた自動車の普及を促進しています。

ですがPHEV車を新車で購入する際には20〜40万円の補助金が受給できるようですので価格差は多少埋まるかと思います。

ちなみに、劣化が心配になる駆動用リチウムイオンバッテリーについては、8年または16万キロのいずれか早いほうが保証期間とのことですので、一般的な使用ではまず困ることはないかと思います。ちなみにBMWの場合、6年または10万キロの早いほう。この点は間違いなくPeugeotの圧勝。

F60 SEとどっちが良かったの?

で、対F60との比較。パワートレインそのものだけ見ると、やっぱりツインモーターの3008に軍配が上がります。F60も悪くないのですが、エンジン自体にモーターアシストがつく上に、エンジンそのものも200psの出力があり、車体のボリューム感に対する快活さで言えば俄然こっちのほうが良く出来ています。

ですが、乗った感じトータルでの好みはちょっと古いF60に軍配です。やっぱり、3008は足回りの忙しい動きが気になってしまうのです。試乗当日はデビューフェアということもあり、試乗車はひっきりなしに稼働していましたから、冷間時の渋さという線は考えにくいところ。もしかすると、卸し立ての試乗車ですから、距離を重ねればまた印象が変わるのかもしれません。

オマケ…PeugeotのEVモデル

NEW PEUGEOT e-208 | プジョー公式サイト

試乗を終えたあと、セールス氏から逆質問。Peugeot車国内初のPHEV車でもあることから、普段どういう風に乗っているか、使い勝手はどうか等々。自宅に充電器がなく、充電「も」できるハイブリッド車として考えている点、充電するとしたらどこでしているか、電池残量が無くてもモーターの恩恵はあるなどなど色々と話をしてきました。で、その最後にセールス氏から驚愕のひとこと。

『実はまだ、e-208、1台も売れてないんですよ』

え?そうだったのか…まだ発売されたばっかりだから仕方ないのかもしれませんが、やっぱり北海道でフル電動車のニーズは低いのかね。と、言っても日産リーフはまぁまぁ見かけますからこれからなんでしょうけど、それにしたってまさか1台も売れていないとは。ちょっと驚き。

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